キミのとなりで恋してる!「星野なぎさ」シナリオの感想・レビュー

イモウトのために陸上を辞めた主人公が再び選手として回帰するはなし。
公式ブログでメインヒロイン(笑)とされていたように、妹と主人公の男友達がシナリオを食ってしまっている。
幼馴染みの三角関係は莉奈(オススメ!)が大活躍してええこやなぁと思う。
なぎさ自身のシナリオは引っ込み思案の性格を跳ね返す為に周囲に関係を公言するところが頂点。
それでも引っ込み思案な黒髪ロングが頑張ってる様子はキャラゲーとして楽しめる。

なぎさルート概要


  • 幼少期の弱さを克服せよ
    • なぎさは黒髪ロングで根暗の引っ込み思案な女の子。多人数がいるところでは自我を出さすにすぐにレムオルを使おうとしてしまいます。そんななぎさは幼少期に主人公くんと行き違いがあり、疎遠になっていました。その過去とは幼少期のギャングエイジに特有なもので、異性の女の子と仲良くしているとからかわれる対象となるというものでした。主人公くんはなぎさがからかわれるのが我慢できずその関係性を否定してしまったのです。なぎさの目に溢れる涙。こうして主人公くんとなぎさの間には深い溝ができてしまったのです。それでもなぎさは一途に主人公くんのことを想い続けていきます。主人公くんが母親の死により妹や祖母の面倒をみるため陸上選手を辞めたときも、いつでも主人公くんが陸上の世界に戻ってもいいように居場所を作るべく競技を続けることを選んだのでした。
    • 主人公くんとの行き違いが誤解であり、なぎさのために関係性を否定したことを知ると、疎遠となっていた関係が再び近づいていきます。なぎさのためにトレーニングのメニューを組み、練習を指導しながら好感度を蓄積していきます。晴れて付き合うことになった主人公くんとなぎさですが、二人の関係が周囲バレすると、幼少期のシチュエーションが再現されます。教室でクラスメイトに囲まれての公開処刑に対して、なぎさはもうひるみません。自分と主人公くんとの関係を証明する強さを得ていたのでした。こうしてなぎさは精神的に成長し、主人公くんと並んで歩んでいくことになるのです。
    • サイドストーリーでは主人公くんの重荷になっているのではないかと思い悩むこともしばしば。なぎさのことを優先し、家族のことを後回しにした主人公くんに対して不満をもってしまいます。あー、『恋が咲くころ桜どき』の美桜√と同じ展開やないか。なぎさは自分がカノジョだからという理由で義務感で主人公くんに接して欲しくないと願うのですね。そんななぎさに対して、アレかコレかではなく、家族も陸上もカノジョも頑張りたいと告げます。主人公くんの本意を知ったなぎさは共に頑張れるように支援していくのでした。



  • 夫婦仲の悪さと妹の存在理由
    • なぎさシナリオを喰ってしまっている要因その1。主人公くんの妹は自分は「要らない子」であったと自責の念にかられています。口げんかばかりしていた両親に対し、主人公くんはケンカするほど仲がよいと思っていましたが、妹は晩婚で仕方なく結婚したと思っていました。そのため妹は自分が子孫を残すためだけに子作りされてできた結果だと思い込んでいるのです。そんな妹に対して次第に真実が明らかにされていきます。それは夫婦の間の仲はむしろ良好だったということです。根本的な原因は主人公くんのダディが愛する幼馴染みを亡くしたことにあります。ダディはその幻影を引きづり40過ぎても童貞だったのです。そんなダディを叱咤したのが主人公くんのマミィで姑から阿婆擦れ扱いされようが本気でぶつかっていっていたのです。確かにマミーは家事が苦手で家族のためには何もしませんでしたが、家事や子育て以外が子どもに対する愛情の注ぎ方ではありません。マミィはマミィなりに家族を愛していたのでした。
    • ダディとマミィの突拍子のない辞世の句も裏側の意味を持っていたことが明らかになります。ダディの「そのうち素敵な出会いがあるなんて考えてるヤツは40過ぎても童貞だ」との文言には「どのようなことでも先送りにせず、大事なことはその場で相手に伝えよ」との真意があったのです。またマミィの「相手を選べるのなんて若いうちだけよ……人生やり直したい」という台詞の「人生やり直したい」には再び旦那と出会って子どもたち二人を産み育てたいという意味でした。こうして妹は自分が要らない子ではなく愛された結果生まれてきたのだと知ったのでした。両親の愛に気づいた妹は、もうお兄ちゃんに依存するだけの子どもではありません。主人公くんが選手として復活できるようにマネージャーとして就任し、今度はお兄ちゃんを支えていくことを決意したのでした。まるで妹エンドのようになぎさ√は終わります。



  • もう勝彦ルート作っちゃえよ
    • なぎさ√を喰っちゃってる存在その2。主人公くんの友キャラである勝彦は男色の噂があり腐った方々が大興奮する関係を提供しています。勝彦本人は女めんどくさいと思っているわけですが、そこには複雑な過去があったのです、というはなし。勝彦の家庭は複雑で、有名なマラソン選手を父に持っていましたが、母親はその愛人でした。そのため内縁の妻としても認めてもらえず、勝彦の親権を奪われ、六畳一間で貧乏なパート暮らしを送っています。勝彦はそんな母親を不憫におもい、また父親に対して強烈なコンプレックスを抱いていきます。勝彦が駅伝に燃えるのも、父親の七光りではなく自分の力を示したいという理由があったからなのです。
    • 主人公くんと駅伝を走るために、同じ学校を選んだ勝彦。しかし主人公くんの家庭事情(両親を亡くし妹と祖母の面倒をみるのが大変)を知ると、強引に部活には誘わなくなり、いつでも待っているという姿勢を示します。勝彦マジメインヒロイン。そんななか、勝彦は「孕ませられて棄てられた女」に出会うのです。Pity is akin to love.可哀想は惚れたってことよ。脳裏に同じような境遇であった母親のことがちらついた勝彦はその女に情けをかけます。どうみてもその女が自立できなさそうであることを見抜き、家族からの援助も得られないということを知ると堕胎を提案します。自分が父親であると泥を被り、相手の父親に殴られながらも堕胎を認めて貰い産婦人科へ。そして「子殺し」の十字架の片棒を担ぐため、精神的なケアも行っていきます。
    • 女に情けをかけた勝彦でしたが、その前に女のモトカレが現れます。女にちょっかいを出したとして殴られる勝彦でしたが、女はモトカレに対して何も言わずただじっと黙っているだけでした。それを見た勝彦は急速に頭が冷え、現実を直視し、女から手を引くのでした。こうして勝彦の苦い女との経験が終わったわけですが、なぎさ√では勝彦の様子もまた描かれていくことになります。男との関係を清算し、勝彦の前にふたたび現れ、今度はきちんと結ばれたのでした。