時計台のジャンヌ 〜Jeanne à la tour d'horloge〜 (体験版)の感想・レビュー

異世界転生モノ。第二次大戦中パリ解放へ従軍する落下傘部隊の青年が異世界転生。
飛ばされた先は、中世ヨーロッパ風な百年戦争期のフランスをモチーフにしたファンタジー世界。
『果つることなき、未来ヨリ』でもそうでしたがフツーにそのまま第二次大戦描いた方が面白い気がします。
現世編でのパリ陥落とかロンドン亡命政府とか反攻作戦の描写は読んでいてとても楽しい。
しかしヒロインはジャンヌ=ダルクに焦点があてられており、中世ファンタジー編に重点が置かれそう。
体験版では閉鎖空間で生きていたジャンヌに遭遇した後、時空ジャンプしオルレアン包囲の場面へ飛ぶ。
作品の雰囲気は伝わったけれども、物語の目的がよくわからない。
百年戦争を戦ってフランスを防衛し、現世に戻ってドイツからパリ解放するんでしょうかね?

雑感

  • ジャンヌ=ダルクがヒロインのモチーフ
    • この作品のヒロインはジャンヌ=ダルクであり、異世界転生した主人公くんを助けることからボーイ・ミーツ・ガールします。ジャンヌはなぜか閉鎖空間の中で一人で暮らしており、祈りと信仰の生活を送っていました。現世的価値観を持つ主人公くんにとってファンタジー世界は突っ込みどころ満載。過去と思しき故郷フランスなのに、祈りを捧げると食事が不思議と出現するとか現世利益的な不思議現象にびっくりしてくれます。これはプレイヤーが物語の世界観を理解するための導入係となってくれるのですね。で、主人公くんとジャンヌが会ったことから物語は動き出し、時空流離してオルレアン包囲の場面まで飛びます。
    • オルレアン包囲編ではジャンヌが聖少女化し、主人公くんに騎士の力を与えて、エドワード黒太子に挑みます。けどエドワード黒太子(1330〜76)って百年戦争初期のほうじゃね。世界史だとクレシーの戦いとかポワティエの戦いとかで受験にだされるし。しかしオルレアン包囲って百年戦争後期だよね。ジャンヌ=ダルク(1412〜31)だし。うーむとか思ってしまいます。まぁファンタジーだからいいのか?そして聖少女ジャンヌに加えて、魔女化ジャンヌが登場します。ジル=ド=レイも登場しFate/Zero懐かしーとか思いました。ジルはイケメン化して魔女化ジャンヌの騎士として登場してきます。これにより勢力図は女体化エドワード黒太子・聖少女ジャンヌ・魔女化ジャンヌで3すくみ状態となります。体験版最後は聖少女ジャンヌが覚醒し、これまた時空流離してオルレアン包囲から一時離脱し幕を閉じます。雰囲気は伝わったけど、何がしたいのかはよくわからない。


  • フツーに第二次大戦か百年戦争描いた方がよっぽど面白い気がするんですが。
    • 物語の序盤ではパリ解放に向かうロンドン亡命フランス自由政府の落下傘部隊の突入が描かれます。第二次大戦も終盤でノルマンディー上陸作戦というわけです。第二次大戦はネタの宝庫なので、フツーに描くだけでも十分面白い気がするんですけどねー。中世百年戦争もファンタジー展開にしなくとも百年戦争を描いてくれればそれでいいのになぜファンタジーにしたのかしらん?舞台は日本でも第二次大戦中のゼロ戦特攻部隊が異世界転生した『果つることなき、未来ヨリ』も現世編の方がよっぽど面白かったと思います。本作は現代知識で俺ツエーや内政改革をやるものではないっぽいですが、どう展開するのかが分からないとプレイには二の足を踏んでしまいます。有り触れた予想ですが、百年戦争の経緯を辿りながら異能バトルしていくのが道筋になるんでしょうか?現世編の描写がしっかりとしていればプレイしてみたい気もする。