雑録

人気声優のつくりかた「永倉小夏」シナリオの感想・レビュー

声優業の話は序盤のみで中盤はイビリ問題、終盤は近親相姦の社会的承認をめぐる内容となる。
だが、イビリ女は途中で勝手にフェードアウトし、近親相姦もアッサリと承認されるご都合主義展開。
イビリ女に主人公くんとの関係をパパラッチされたり、近親相姦に対する既存の社会常識と戦ったりはしません。
最後は「世界は声で溢れている」のスローガンのもと、ナレーションやラジオCMの道に生き甲斐を見出す。
だったらもっとアニメゲーム吹替以外の声優業事情について、詳述しておくれよと思うこと限りなし。
あと「お、おう」という言い回しが多用されすぎており、もう少しテキストの表現は何とかならなかったのか。

声優業のはなしはどっかいっちゃった・・・


  • イビリ問題かと思いきやあっさりフェードアウト!!
    • 永倉小夏は主人公くんの実妹。声ヲタとして名高い存在でしたが、ある時本人が声優業に回ることになります。初めての声優業に戸惑いながらも何とか食らいついていく小夏。小夏シナリオの序盤が一番タイトル「人気声優のつくりかた」に合っている気がします。しかしそれも序盤までであり、中盤からはイビリ女の嫌がらせを中心に描かれていきます。この業界、仕事は限られているのに毎年毎年志望者は大量に入ってきます。そのため先輩は自分の仕事を守るために新人潰しに余念がないのです。後輩を育てなきゃ業界全体が先細りしてしまいますが、自分が良ければオールオッケー!!。俯瞰的な視点が大切なのは分かるが、いま自分に必要なのは社会全体の秩序や発展などではなくオマンマのことだけよ!ってな具合。そんなわけで小夏ちんは露骨に嫌がらせを受けるようになります。最初はイビリに対して精神的胃炎に悩まされていた小夏でしたが、演技の特訓と技術の向上及び主人公くんの愛情と支えにより精神的な強さを身につけ、イビリを全て演技で返してやるのです。カッコよいですね。しかし主人公くんは余計にイビリが酷くなるのでは?と危惧し、プレイヤー側も緊張したのですが、なんと突如フェードアウト。イビリ女はSNSに男との写真を掲載してしまい、社会的に死んだのです。あれまぁ。
  • 近親相姦もアッサリ承認!!
    • イビリ女が退場したのなら、今度は小夏が主人公くんとの写真をパパラッチされて近親相姦アウトとなるとプレイヤーは予想するのでしょう。しかしそんなことは一切ありませんでした。また近年の紙芝居ゲーにおいてイモウトとの近親相姦があっさりと承認される傾向にありますが、本作も同様であり、親友たちや母親から数クリックで承認され祝福してもらえます。昔の紙芝居ゲーの作品群でイモウト的実存とかイモウトアウフヘーベンとかがテーマになってたのがウソのようですね!



  • アニメゲーム声優以外の声優業を扱うはずが・・・
    • そして最後は父親の遺言であった「世界は声で溢れている」のコーナーです。声優といえばアニメゲームや洋画の吹替にばかり目が行きがちです。しかし小夏は遊園地に行った際、場内アナウンスを聞いたことをきっかけに、声のお仕事には様々なものがあることに気づくのです。裏方として支えるお仕事としての重要性を再認識した小夏は、目立たないけれども重要な声のお仕事の道を選び取ったのでした。主人公くんはそんな小夏を支えるためにマネージャー業を目指すようになります。しかし最後に画竜点睛を欠くといえばこのことでしょうか?あれだけアニメゲーム以外の声優業に着目していたハズなのに、児童用教材の仕事が子持ちのプロデューサーに評価されアニメでレギュラー取るとかいうオチになって、結局アニメ声優>>>>>ナレーターってシナリオのテーマ自己否定してんじゃん!!となってしまい結構残念でした。