雑録

人気声優のつくりかた「来栖祐果子シナリオ」の感想・レビュー

来栖さんシナリオは人気声優の「つくりかた」ではなく、人気声優のお仕事の事情を紹介することがメインのシナリオ。
所属事務所とのゴタゴタやプロデュサーとの問題、声帯結節などについて触れられるがあっさり終わる。
物語の根幹となるのは、エゴサした結果批判を直視し自滅してしまうネガティブスパイラルの精神的な展開。
最終的にはヒロインが自分の弱さを克服し、さらに演技の幅が広がって、役者としての成長を遂げるよエンド。
最初は事務所やPとのトラブルが中心かなーと思っていましたが、題材として扱うのは難しいのでしょうね。

声優がお仕事として抱える問題点を扱うシナリオ


  • 事務所・Pとのトラブルや声帯結節問題はアッサリ終わる。
    • タイトルは人気声優の「つくりかた」ですが、攻略ヒロイン3人娘の中でも来栖さんは既にもう人気声優です。そんなわけで声優諸問題事情が紹介されていきます。最初に挙げられるのが事務所・プロデューサートラブルについて。来栖さんは「売れる」キャラクター像としてイメージ戦略てんこ盛りであり、偶像崇拝の対象としてプロデュースされていたのです。労働者なんてものは吐いて捨てるほどおり代替可能な消耗品であり使い潰される存在です。声優業においても、声優になりたいと願う人々はゴマンとおり、数うちゃ当たる方式で、その中で当たりがでてブームになったら流行している間に徹底して搾取しようという商法です。来栖さんのプロデューサーも仕事が貰えているうちに詰め込んでカネを引き出そうと無茶なスケジューリングを組みまくります。そのため、ついに声帯結節となり病院送りとなるのでした。ここまで前振りがお膳立てされたら、こりゃー悪徳プロデューサーとの対決だろとワクワクしながら紙芝居を眺めていましたが・・・。なんとプロデューサー問題フェードアウト。あっさり善良な女性プロデューサーに代わり、その後一切事務所トラブルの話題は出てきませんでした。しかも声帯結節もあっさりと治り現場復帰しました。この病気イベントは主人公くんがコネ使って病院探しをしたり結構頑張るのですが、なんともまぁ即座に終わってしまい悲しい・・・。



  • エゴサして自滅して精神崩壊。
    • 人気声優としてブレイクの極みにある来栖さんでしたが、常に不安に苛まされてきました。自分が成功したのは事務所のプロデュースと広報とコネによるものであって、自分の性的容貌のみが消費されているのであって、演技や芝居などは期待されていないのだと不安に思っていたのです。そんな中、来栖さんは淡々と仕事をこなしているだけの状態に思い悩むようになっていったのです。内向的な来栖さんは、自分が司会を務めるラジオ番組において共演者によるイメージ操作に嵌ってしまい、自分がゲーム好きと公言していたのに、「にわか」であるかのような印象を視聴者に植え付けさせられてしまうのです。さらにグラビアやテレビ出演など一般向けの仕事が増えるたび、誹謗中傷も多くなっていきます。来栖さんはエゴサを止めることが出来ず、好意的な多くの意見などは踏み潰し、少数の自分への批判が全ての世論だと思い込むようなっていくのです。完全に自滅のお知らせ。
    • このゲームはサブキャラたちが良い味を出しておりまして、女サブキャラの音杏と悪友ポジションの徹心が主人公くんたちをサポートします。来栖さんが恋心を踏み出せず躊躇している姿を見て背中を押してくれたのも、主人公くんが自分なんかが人気声優と付き合っていいのかしらん?と自問自答したも時も、発破をかけてくれるのです。そして来栖さんが悩みを抱えていることに気づきながら踏み出せず、話してもらえないことをもどかしく思う主人公くんを一刀両断してくれるのです。
    • 来栖さんはめんどくさいヒロインのごとく、主人公くんが自分を好きになってくれたのは、声優としての自分であり、自身には何の価値もないんだとグジグジして、私が声優を辞めたらどうする?とか言い出します。そんな面倒な女に対して主人公くんは、じゃあ今すぐ結婚しようと切り返し、声優としての来栖さんが好きなのではなく、来栖さん自身が好きだということを示してあげます。こうして来栖さんは承認欲求が満たされてスランプも脱出さ。開眼した来栖さんがより貪欲に芝居への向上心を持つことができ、さらには今まで演じたことのない役のレパートリーも増やすことができたのです。こうしてただの人気声優ではなく、実力のある人気声優へと進化したのでした。