雑録

プリンセス・プリンシパル case24 「Fall of the Wall」(第12話)の感想・レビュー

壁の崩壊とは物理的なものでもなく社会的なものでもなくアンジェの心の壁だったというはなし。
ヒロインを通して社会問題に迫ろうとはしていたが結局は個人の問題に帰結されハッピーエンド。
根本的な問題は何も解決されておらず、俺たちの戦いはこれからだ!的なノリで終わる。
排他的で閉鎖的だったアンジェが、他者を受容し頼れるようになる成長物語的な側面が強い。
それにしてはアンジェの心情描写の掘り下げ(王族失陥・スパイ養成所など)が少なかったように思える(多少はあった)。
結局は可愛い女の子たちが百合を醸し出しながらスパイ活劇するアクションもの範疇に収まった(2期次第?)。

排他的で閉鎖的な少女の「心の壁」を壊す話


  • 孤独なアンジェの友情物語
    • 二人きりの世界における平穏を望んだアンジェに対し、社会的責務を放棄してはいけないと考えるプリンセス。アンジェのためを思ってわざと冷酷な言葉を浴びせて拒絶します。絶望に打ちひしがれるアンジェを奮起させるのは、いつだって幼少の頃の思い出。自殺しようとしていた自分を救ってくれた存在のために、何度でも立ち上がります。プリンセスの書き置きを見て、冷酷な言葉はブラフであったことを確信する場面はとても良いですね。プリンセスを助けるために一人で突っ走るアンジェに対し、スパイ活動を通してアンジェのことを大切に思う仲間たちが増えていたという百合友情展開も熱い!特にプリンセスよりも長き時間を共にしたであろうドロシーに縋るシーンはどうしても感動してしまう演出になっております。父親をぶっ殺され、目の前で同期に自殺され、スパイとしてはあまりにも人間的と自嘲してきたドロシーが、トモダチとして手を差し伸べ、アンジェがうるうるするところは、こっちにもうるうるします。ソッコーでベアトにネタ晴らしされるオチもコミカル。これによりアンジェの心が氷解し、かつては拒絶したはずの「チセの一宿一飯の恩」を受け入れて、自ら頼めるようになり同行してもらうという展開はグッときます。


  • 社会変革モノを期待していると痛い目に合うぜ!可愛い女の子のスパイアクションを楽しもう!!
    • 過去に悲哀を持つ可愛い女の子たちが、スパイという泥仕事を通して、自己の役割や居場所を見出していく作品としては非常に良かったです。スパイアクションでクルクル動くのも楽しめました。けどこれって、社会改革思想を盛り込んだ架空戦記にする必然性はなかったのではと思ってしまいました。なんか持て余して浮いてしまっていてあまり機能していないように感じます。プリンセスが提示した「私の考えた身分制や階級格差の問題解決方法」には感動しなければならないという強制力が働いていましたが、その解決方法もルルーシュエンドとランス9エンド。つまりは自分が王女になったら自分で王政を廃し自らギロチンにかけられるよエンドですね。しかも結局は革命失敗どころか起こしてすらいないわけです。別に悲劇スキーなわけではないですが、これだけ壮大な舞台設定を用意しておきながら社会的問題を描くことは投げ捨て、アンジェとプリンセスが友情を確かめ合って終わりとは!身分制や移民との軋轢、底辺労働者の搾取や階級格差を、ヒロインに悲劇性を持たせるためのファッションとして利用しているに過ぎないように感じてしまいました。続編があるような終わり方でしたが、物語の根本的な解決はあるのだろうか?