金色ラブリッチェ「妃玲奈シナリオ」の感想・レビュー

悪友系ギャル的聖母の慈愛により過去のトラウマ払拭し「友情」問題を乗り越え中庸たる生き方を選ぶ話。
シルヴィア√で雑に解決した野球部問題と友人との和解は玲奈√で詳しく掘り下げられることになる。
前半は悪友であった玲奈との関係性が恋人に変化する過程が見せ場。媚薬発情膣出しから始まる関係性変化。
後半は過去野球部で主人公くんとバッテリーを組んでた親友のアメリカ行きを後押しするために打席勝負。
愛する女と平穏な家庭を築き安定した職に就いて子育てに励むというのも立派な人生である。
(玲奈の人格を構築したイジメとイジリの境目問題は回収されずにブン投げられたのだが・・・)

妃玲奈のキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 悪友的ギャル系聖母属性の慈愛による過去のトラウマの払拭
    • 妃玲奈はギャル少女。一見すると股が緩く脳みそがクリームバターで作られている系であり、ケーキと恋愛するつもりはないと評されそうなノリですが、服飾への熱い思いとコミュ力を生かした社会資本の蓄積は高い評価を得ていました。玲奈はギャルの見た目とは裏腹に、その聖母属性を保有しており、その慈愛で人々を癒してきました。やらない善よりやる偽善をモットーとし、辛い思いをした人たちをそっと支えてあげるのです。それではなぜ、妃玲奈は聖母属性を獲得したのでしょうか。その背景にはかつて友達を支えてあげれなかったという後ろ暗い過去がありました。作中ではあまり深く掘り下げられなかったのですが、どうやら玲奈はイジメとイジリの匙加減を間違え、友達の人生を破壊してしまったようなのです(その友達は新天地として北海道を選び農業高校で畜産をしているのだとか)。そんなわけで玲奈は過去のような過ちは繰り返したくないと、愛を注ぐ聖母になったのです。主人公くんもまた聖母玲奈により部活問題のトラウマを払拭します。監督に意見具申したせいで正捕手だったのに2軍に降格され、そのせいでチームが1回戦負けに終わったと責任を擦り付けられスケープゴートの対象となり追放されることになった過去を、玲奈に縋りつき膝の上で啜り泣きながら吐露しヨシヨシされるのです。このヨシヨシによりにより主人公くんは過去を思い出してダークサイドに堕ちるという悪循環を断ち切ることが出来たのです。


  • 友情問題(1)主人公くんと玲奈の間の友情関係
    • 玲奈√では二つの友情問題がテーマとなっており、「主人公くんと玲奈の友人から恋人へ」という関係性変化のはなしと、「主人公くんが野球部でバッテリーを組んでたピッチャーと和解する」という過去清算のはなしがあります。
    • まず前者の主人公くんと玲奈の関係性変化について。主人公くんと玲奈はそれはもう仲良しこよしでマブダチな勢いだったのですが、恋人関係にはなかなか発展できません。お約束パターンである関係性変化によって従来の関係が壊れたら気まずくなっちゃう〜というアレですね。このパターンのシナリオの場合は、何によって関係性変化が起こるのかによってシナリオライターの質が問われるのですが・・・なんと!!媚薬発情膣堕しックスと来たもんだ。肉体関係から始まる恋人関係というのもあるよね!!強引だぁぁぁ。しかも媚薬の出所がサブヒロインなのにこれでもかと設定が詰め込まれていて独自ルートつくれるんじゃね?という感じの城ヶ崎絢華さんなのです。絢華さんはお偉いマスコミの子弟であり、芸能関係に食い込むために有名俳優2世と接触するのですが、その際に媚薬を盛られそうになり、その時に媚薬を回収していたのでした。有名俳優2世はシャブ中としてとっ捕まったのですが、その媚薬が寮内に蔓延し喚起したら主人公くんの部屋に流れ込むという怒濤の展開。そしてその媚薬にあてられた主人公くんと玲奈と絢華が3Pを致すことになり、玲奈には膣に、絢華にはアナルにそれぞれ子種を注ぎ込むのでした。冷静になってから玲奈にアフターピルを使うも万が一の可能性は否定できません。お腹に子種を注がれた玲奈は堕胎せず育てるといいシングルマザーの覚悟も示すのですが、主人公くんも責任を取ると述べ、架空の胎児を媒介に二人の仲が恋人へ発展するのでした。


  • 補論:絢華√はなんでないんだい?
    • ちなみに絢華も主人公くんにべた惚れでデレ化します。いやホント茜ちん単体でサブヒロイン√作ったのなら、カミナル√と絢華√も作って欲しかったわ。特に絢華は幼少期の頃に悪ガキに虐められて男嫌いになったのですが、その中でも唯一自分に良くしてくれた幼少期の主人公くんにずっと想いを募らせてきていたのです。しかも悪ガキにカンチョーされて肛門に怪我を負った際に、軟膏を塗って手当てしてくれたのも主人公くんだったのです。以来、絢華は菊門弄りが癖になってしまいました。そしてまた3Pした際に主人公くんに菊座を開発してもらったことを契機にすっかりと性感帯となってしまったのでした。こんなにも主人公くんとの過去を大事にしてきている絢華なのですから個別√を・・・


  • 友情問題(2)主人公くんと野球部の過去の清算
    • 玲奈が服飾に於いて大切にしていることは黄金比。バランスを取る事。中庸。そんなわけで主人公くんは過去を払拭し人生に前向きになり平穏な暮らしに安寧を見出そうとします。しかしここで最後に現れるのが、過去の人間関係だったのです。主人公くんは野球部にいた頃、正捕手であり幼馴染でもある超高校級ピッチャースラッガーエースとコンビを組んでいました。しかしこのエースくんのピッチャーとしての才能は主人公くんが引き出していたものであり、主人公くんなき野球部では球が速いだけのヘボピーと化していたのです。そんなスランプ状態のエースくんに対して監督は練習量が足らないからだと過酷な練習をさせるのみでありました。このままではエースくんが潰れちゃう!!どうしたらいいの?
    • と、いうことで、このエースくんを救うのが主人公くんの最後のお仕事となるわけです。幸い、アメリカの球団がピッチャーではなくスラッガーとしてエースくんを欲していました。主人公くんはエースくんを打ち負かすことでピッチャー人生を諦めさせスラッガーに専念させようとします。こうして始まる主人公くんの肉体改造トレーニング。男の友情の為に頑張る主人公くんの姿が見せ場なのですが、この修行回は結構雑にすっ飛ばされます。もう少し丁寧に描いても良かったんじゃないかい?
    • そしてエースくんとの戦いでは長年正捕手としてバッテリーを組んでた主人公くんの勘が冴え渡り、エースくんの投球をホームランします。こうしてエースくんにスラッガーとしてのアメリカ行きを決意させ、男の友誼を交わすのでした。エンドロール後にはメジャーリーグで活躍するエースくんの姿が!!新聞でそれを確認する主人公くんはというと・・・市役所職員として地域社会に貢献しながら玲奈と子作りに励んで平穏な家庭を築いていました。バランスを取るのが大事だという事。主人公くんは安寧な家庭に人生の幸福を見出してハッピーエンドとなります。