雑録

君と目覚める幾つかの方法「八雲舞花シナリオ」の感想・レビュー

アンドロイドによる人間への叛乱をマイルドに労働ストライキとして描いた感じのおはなし。
性産業に従事させられていたアンドロイドが救いを求めて他のアンドロイドに信号を送る。
そしてそれに共感したアンドロイドが、ロボット三原則の範囲内で抗議を行うのだ!
大規模なものにはならず、舞花の洞察力によって解決がなされる。
なんか完全にグランド√のための付属品って扱いな感じの位置づけ。

ロボットによる労働ストライキは『火の鳥』のロビタでやってたテーマ


  • 八雲舞花のキャラクター表現とフラグ生成過程
    • 八雲舞花は肉体派の婦警さん。高卒で警察学校出て巡査となって早2年。ハタチとなったということで、アルコールの耐性を鍛えるべく主人公くんと飲み会を行います。酔っぱらって主人公くんへの好意を吐露し、服を脱ぎだして寝落ちしてしまう舞花。翌日、舞花は主人公くんと性行為に及んだと勘違いし、交際を申し込みに来るのでした。まぁ、やってないのですが。これを契機に二人は関係性を見直すことになり、お互い気心が知れており、熟年夫婦のようになれるだろうとフラグが成立します。早く処女を捨てたいけれども行きずりの関係で安易に捨てたくなく、なら幼少期から親しんでおり兄貴分のような主人公くんに貰ってもらおうそうしようという的なノリ。一方で主人公くんも今健康だけど事故の後遺症で記憶ぶっ飛ぶし、いつ再発して死ぬかも分らんけど、それを理解してくれてる舞花ならよかろうという打算。そんな二人の打算が相絡んで、交際スタートとなるのもまた一興です。こうして舞花とフラグが構築されたことにより、主人公くんはアンドロイド問題に関する事件について、警察へ協力することになるのでした。事件中、舞花が自己有用感に悩むところとかもちょいちょい挟まります。


  • アンドロイドに感情や魂といったものが発生するか否か
    • 舞花√で発生するアンドロイド問題は、すなわち労働ストライキでした。性風俗で働かされるセクサロイドがアンドロイド仲間に助けを求めたのです。理不尽な扱いに対するロボットの叛乱って『火の鳥』を彷彿とさせますね。ロビタさん。
      • ※別に読まなくても良い『火の鳥』の労働ストライキの場合!子守りロボットとしての仕事をするロビタ。ある時、遊んでとねだる子供とチャンバラをするのですが、これに対しロボットが子どもを傷つけたとして所有者の両親が激怒します。ロビタは配置換えとなり放射線農場での単純作業に従事するのですが、そこへロビタを慕う子どもがやってきてしまうのです。ロビタは子どもを外に出そうとするのですが、不運にも子どもが暴れて機能が停止。子どもはそのまま長時間放射線を浴びて死ぬのでした。これが大事件となり、ロビタは犯行を否定するのですが、結局処罰を受けることになってしまいます。この当該ロビタへの横暴に対し、量産されていた他のロビタたちは一斉に行動を起こし、自ら溶鉱炉の中に集団自殺を図るのでした。このロビタですが、『火の鳥』はホントウに面白いです。ロビタが生み出された理由とか、この反乱に加担せず間接的に所有者を殺してしまうロビタとか。ロビタが間接的に所有者を殺した方法が、セクサロイドへの燃料注入を半端にして性行為中に燃料を切らせて鉄のカタマリとしてしまうとか。『火の鳥』はいつ読んでもおススメですな。名作を読むのに早いとか遅いとかないですので、図書館行って見かけたら手に取って見ましょう!
    • 話チョーずれた。で、本作におけるアンドロイドの叛乱はどのようなものかというと。アンドロイドが裸体で徘徊するという事件が発生するというもの。主人公くんと舞花は、なぜアンドロイドがこのような行為をするのかの謎を追っていくことになります。この過程でアンドロイドに感情や意志、魂といったものが生まれるのか!?という議論になるのですが、ここら辺は重要なテーマであるので掘り下げて欲しかった所ですが、結構アッサリと転がされます。で、舞花の洞察力が発動し事件解決。ログを遡って共通点を探した結果、「不遇な労働条件にあるセクサロイドの呼びかけに応じた」という共通項を発見。信号を発していたセクサロイドを初期化することでアンドロイドの裸体徘徊事件は収まりましたという展開になります。アッサリ。舞花のイモウトである由里花の口を通して表現されていますが、「あと何年かしたらさらに進化して、愚かな人類は我々に管理されるべきである……とか言って、オートマタが反乱を起こすパターンッスね」というのをプレイヤーは期待していたのでは!?グランド√ありますよっという雰囲気が醸し出されているので、それはグランド√でやるのかもしれない。