雑録

Summer Pockets「鳴瀬しろはシナリオ」の感想・レビュー

未来予知の異能を持ち島内の偏見と因習に苛まれるぼっち巫女を救済する話。
自分の予知のせいで大きな事故が起こったと思い込む少女の思い込みを覆せ。
しろはと主人公くんは相互交流の中で、傷ついた心を癒していく。
最後は一瞬バッドエンドループの伏線が張られるが、しろは√の世界線は伝承の蝶々によって救済される。
お約束の社会関係資本が発動し、仲間たちの絆で未来予知を克服してハッピーエンド。
個別シナリオはグランド√のための装置っぽく、ややアッサリ。攻略したヒロインはタイトル画面から消失します。

鳴瀬しろはのキャラクター表現とフラグ生成過程

  • 村の因習・未来予知の異能・凄惨な過去
    • 鳴瀬しろはは神社の家系。閉鎖的な島民からは、それだけでも遠巻きにされていました。しかし過去においては、しろはも今ほど孤立していたわけではありませんでした。しろはが決定的に島民から遠ざけられるようになったのは、過去に大事件があったからだったのです。しろはかつて男に言い寄られたことがあったのですが、好きでもなんでもなかった男に対して嫌悪感を抱いてしまいます。その際、未来予知が発動して、その男が崖から落ちる所を予測してしまうのです。しろはその事態を何とか回避しようと忠告したのですが、逆にそれが島民から「呪い」とされてしまいます。しかも予知通りに男が事故にあったため、しろはは島民から忌避の視線で眺められることとなったのでした。これがしろはがぼっちになった理由です。しかし島外からやってきた主人公くんはマレビト信仰よろしく村の因習を踏み倒し、しろはに積極的に接し、人寂しく思っているしろはをオープンハートさせていきます。


  • 主人公くんのトラウマとその克服
    • 主人公くんが島に来た理由は暴力沙汰で停学になったからでした。かつて水泳部のエースであった主人公くんは自己の力を過信した挙句に自滅します。以来、練習では上手く泳げるものの大会のたびに精神崩壊するようになったため、部活や学校にも居づらくなり、チンピラと化したのでした。退廃的な生活を送っていた主人公くんは、暴力事件に巻き込まれた際にも逃げる気力を喪失しており、警察に捕まるのでした。主人公くんの両親はこの事件をめぐってお互いを罵り合い家庭は崩壊。父親からの全部お前のせいだという糾弾は、主人公くんの心の傷となり、逃げるようにして、島に渡って来たというわけです。ちなみに部員たちからは一応、慕われていたようで、主人公くんに部の復帰を促すために恵ちゃん(男の娘)がやってきて、しろはをヤキモキさせたりもします。
    • しろはや仲間たちの交流の中で傷心を癒す主人公くんですが、トラウマを克服する決定打となるのはしろはのじーさんとの対決です。水中格闘技なるイベントでしろはをめぐって争うことになります。衆目を集める中、しろはのじーさんの猛攻を食らい、沈みかける主人公くん。しかしここで、しろはへの想いが力となり、水中巴投げが炸裂。見事しろはのじーさんを倒し、漢を見せるのでした。
    • ついでに主人公くんの男友達である半裸大好きな良一の挿話も語られます。良一はかつて貧弱でありしろはと仲良くなったが、事件の際にしろはのために何もすることができなかったのだと。そして今こんなにマッチョリズムなのはその反動だったのだと。しろはのことが好きだったけれども、主人公くんによって明るくなったしろはを見ていると、それを承認できる気分になるのだと云々。ちなみに話がクサくなりそうになると、後ろにワカメを被った天善が出現して場を和ませてくれます。


  • 仲間との絆で未来予知を覆せ!!
    • しろはの未来予知は、この夏、しろはが溺死するというもの。生きていても良いことなんかないよと人生を諦観するしろはの力とならん。主人公くんがしろはに過去の事情をすべて曝け出し、しろはのおかげで救われたのだと、しろはを肯定するシーンが最大の見せ場ですかね?
    • そして未来予知を覆すために、灯篭流しの儀式に主人公くんも参加し、しろはが溺死するのを防ごうということになります。しかし、部外者の主人公くんは儀式には出られません。では、どうしたかというと・・・主人公くんとしろはが夫婦になればイイジャン!ということに。夫婦になる儀式は「蝶番の儀」というのですが、ここらへんがすごく重要なのに割とアッサリとながされてしまっており、せめてCG1枚くらい用意してもう少し掘り下げておくれよと思う事しきりでした。きっとサマポケX-Ratedやサマポケエクスタシーが発売されるとここでシーンが挿入されるんですよね、分かります。
    • 灯篭流しは何事もなく終わるのですが、最後に事件が発生。主人公くんと仲良くなっていたチビッ子の堀田ちゃんの姿見えません。堀田ちゃんはお母さんを亡くしており、灯篭を作る際に主人公くんと仲良くなった子どもです。お盆には死者の魂が会いに来ており、灯篭流しで帰るんだよとの言説を聞き、海に流す儀式の船に乗り込んでしまっていたのです。お母さんに会うために。
    • 未来予知を外すためだけならしろはが助けに行かなければいいだけでしょう。しかし、それではしろはがホントウの意味でトラウマを克服したとは言えません。こうして社会関係資本発動。チーム島民ズでモーターボートを出し、堀田ちゃんを救い出します。この時、予知通りにしろはと主人公くんは溺死しかけ、「時の編み人」フラグの伏線が張られ、ループ展開になりかけるのですが、なぜか伝承の蝶々が出現。主人公くんとしろはは無事に助かります。


  • 夏休みを取り戻した主人公くんと現実への回帰
    • しろはを救った主人公くんは、今度は自分の番です。逃げて来た実家に帰り、落とし前をつけなければなりません。別れの日、主人公くんはしろはとのお別れの際に思いを告げます。船が出港し、しろはも主人公くん想いに応えるのですが・・・なんと船の故障により、港にとんぼ返り。気まずい状態になりましたよってオチでエンドとなります。
    • エンドロール後には、島から戻った後の主人公くんの生活が紹介されます。そこには夏休みを一緒に過ごした島民メンバーズたちとの集合写真が!主人公くん・しろは・良一・天善・蒼・のみき・じーさん・鏡子さんの思い出が映し出されています。欲を言えばもう少し、島民メンバーズでの夏休みイベントを深めて欲しかったかも。紬と鴎は絡んできませんでしたしね。カウントダウンムービーのような蒼としろはの絆もなかった。
    • うみはグランドエンド要因っぽいですね。言動から察するに主人公くんとヒロインの子孫かもしれません。

 

蝶番の儀

 

良一のしろはへの想い

 

うみグランド√?の伏線

  • うみは主人公くんの子ども?
  • なぜか神界にいるうみ
  • 主人公くんのことを「おとーさん」呼び

攻略するとタイトル画面から消えるヒロイン

 

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本編

REFLECTION BLUE