【講義用】センター試験世界史B(2019年1月19日実施)の解説作り

うちのところ受講生は自分で自己採点してくるから、月曜授業はセ試解説からなんですよね。
高2の生徒たちにはアクティブラーニングのジグソー学習で解説作り&グループ発表をやらせます。
と、いうわけで突貫工事で解説を作りました。

誤字脱字あったら申し訳ないね。笑って流しておくれよ。

第1問 歴史的建造物や遺跡について

  • 【3】(正文判定)17世紀にイギリスで起こった出来事
  • 【6】(正誤組合せ)遺跡や遺物の発見について
    • a誤文 ラスコーはスペインではなくフランス。スペインはアルタミラ。
    • b正文 兵馬俑始皇帝陵の東側で発見された兵士や馬を象った陶製の人形。巨大な遺構に約6000体の兵士と馬の人形が並べられていた。

第2問 記録や文字について

  • 【14】(正文判定)チンギス=ハンの事績
    • ①正文 チンギス=ハンが自ら親征してホラズム朝を征服した。
    • ②誤文 ワールシュタットの戦いはバトゥ。
    • ③誤文 大都に都を置いたのはフビライ
    • ④誤文 チャハル部を従えたのは清朝2代ホンタイジ。 
  • 【17】(誤文判定)歴史書歴史学について
    • ①誤文 ヘロドトスがテーマとしたのはペルシャペルシャだがササン朝ではなくアケメネス朝。
    • ②正文 司馬遷は友人の李陵が匈奴に敗れたことを弁護したため武帝の怒りをかって宮刑となった。それにより『史記』を完成させた。よく中島敦の『李陵』が紹介される。
    • ③正文 イブン=ハルドゥーンが記した『世界史序説』は「都市と遊牧民の交渉を中心に、王朝興亡の歴史に法則性があることを論じた」ことで有名。
    • ④正文 ランケ先生は史料批判による科学的分析により近代科学として歴史学の方法を確立した近代歴史学の祖。
  • 【18】(正文判定)貴族について
    • ①正文 ドイツの地主貴族はユンカー。グーツヘルシャフトを営み再版農奴制により土地貴族となった。
    • ②誤文 古代ローマの貴族はプレブスではなくパトリキプレブスは平民である。
    • ③誤文 唐末に貴族が没落したので、宋代には士大夫層が台頭した。
    • ④誤文 アンシャンレジームの第一身分は聖職者。貴族は第二身分。

第3問 国際関係について

  • 【19】(正文判定)アメリカ合衆国の経済
    • ①誤文 合衆国は第一次世界大戦の結果、力をつけて債務国から債権国へと上昇した。債権国から債務国へと転落したのではない。
    • ②誤文 革新主義は独占を推進するものではない。独占資本主義による貧富の格差を是正するために資本主義を国家が統制しようとした。
    • ③正文 テネシー川流域開発公社はニューディール政策の一環。国家による公共土木事業により労働者に購買力を作り出そうとした。
    • ④誤文 米英戦争ではアメリカの工業化は推進された。保護貿易政策がとられ、生産力が高まってイギリス経済に依存しなくなった。アメリ産業革命の始まり。
  • 【21】(グラフ)イギリスの経済政策について
    • イギリスが経済ブロックを形成したのはオタワ会議。ダンバートンオークス会議は米英ソによる国際連合憲章の草案作成のための国際会議。
    • グラフはドイツとカナダからのイギリスの輸入額。ブロック経済によりドイツからの輸入は抑制されカナダからの輸入が伸びるのだから1930年代以降に輸入額が上なのがカナダ。
  • 【22】(正文判定)国際関係について
    • ①誤文 イングランドスコットランドが合併したのはメアリ1世ではなくアン女王時代。メアリ1世はカトリック復興のため38歳の時に27歳のフェリペ2世と結婚した。フェリペ2世の依頼でイタリア戦争に参加したがフランスに敗北しカレーをとられてしまった。
    • ②正文 アメリカは西漸運動を続けメキシコ領を侵蝕。テキサス共和国を一方的に独立させて併合。さらにメキシコが先に領土侵犯したとか言い出しメキシコ本土へ侵略を行いアメリカ=メキシコ戦争となった。
    • ③誤文 南チロルとトリエステ、すなわち未回収のイタリアを巡って争っていたのは、フランスではなくオーストリアである。
    • ④誤文 ECSC、EEC、EURATOMが統合して結成されたのはEC。EFTAはイギリスがEECに対抗して結成した経済協力機構なのだが、結局イギリスは1973年にECに参加し、1993年のEUによりEFTAの実質的な意味はなくなった。
  • 【25】(正文判定)巡礼について
    • ①誤文 サンチャゴ=デ=コンポステラが聖地とされ巡礼者を生んだのは9世紀から。古代ローマではない。
    • ②正文 モロッコ生まれのイブン=バットゥータは14世紀に各地を旅行し、『三大陸周遊記』を残した。
    • ③誤文 ピルグリム=ファーザーズは清教徒ジェームズ1世が国教会を強制したので新大陸へ渡った。
    • ④誤文 マンサ=ムーサはソンガイではなくマリ王国。ソンガイ王国でメッカ巡礼したのはアスキア=ムハンマド世界遺産となっているアスキアの墳墓で有名。

第4問 宗教と政治について

  • 【29】(年表)ピピンの寄進
    • ピピン3世はカール=マルテルの子でカール大帝の父。カール=マルテルはトゥール・ポワティエ間の戦いで有名で波に乗る(732)カール=マルテル。またカール大帝はカールの戴冠800年で有名。このことから711年の西ゴート王国滅亡後~804年のアルクイン没の間であることが分かる。
  • 【30】(正文判定)社会や政治への風刺・批判
    • ①誤文 ラブレーはガルガンチュア物語。『愚神礼賛』はエラスムス
    • ②誤文 「代表失くして課税なし」は印紙法。全権委任法はナチス=ドイツ。
    • ③正文 ウィーン会議は正統主義を理念として始まったが、利権獲得争いにより進捗しなかったので「会議は踊る、されど進まず」と皮肉られた。ナポレオンのエルバ島脱出により合意形成が急がれた。
    • ④誤文 ヘシオドスは『労働と日々』、『神統記』。政治を風刺する喜劇は『女の平和』のアリフトファネス。セクロスストライキで有名。
  • 【31】(正文判定)漢代に起こった出来事
    • ①正文 劉邦前漢を建てて郡国制を敷いたが徐々に中央の支配が拡大し、それに反発した諸国が反乱を起こした。結局鎮圧され漢帝国の諸侯抑圧は強化され実質的な中央集権体制となった。
    • ②誤文 三省六部唐王朝の中央集権体制。
    • ③誤文 土木の変は明。オイラートのエセン=ハンが明の正統帝を捕虜にした。
    • ④誤文 八王の乱は晋。司馬氏一族の権力争い。
  • 【32】(正文判定)中国の学問や文化について
    • ①誤文 顧炎武は明末清初、考証学を始める。陽明学王陽明
    • ②誤文 韓愈は四六駢儷体を批判して古文復興に努めた。
    • ③誤文 『四庫全書』は乾隆帝の時に編纂された叢書。反満洲、反清王朝の書物を探し出す取り締まる文字の獄につながる目的もあった。
    • ④正文 四書は『大学』、『中庸』、『論語』、『孟子』。南宋朱熹により孔子が強調され朱子学で重視されるようになった。
  • 【33】(正文判定)宗教や信仰について
  • 【34】(正誤組合せ)太陽崇拝について
    • a.誤文 太陽神ラーが崇拝されたのは古代インドではなくエジプト。
    • b.正文 インカ帝国政教一致で太陽信仰が国家の基本であり、皇帝は太陽の子、または太陽の化身として統治するというものだった。
  • 【35】(正文判定)スペインのアメリカ大陸への進出
    • ①誤文 アステカ帝国を征服したのはコルテス。ピサロインカ帝国を征服した。
    • ②正文 ラス=カサスはエンコミエンダ制の廃止をカルロス1世に訴えた。
    • ③誤文 ポトシはダイヤモンドではなく銀山。16世紀の銀貿易による世界の一体化は頻出テーマ。
    • ④誤文 トルデシリャス条約で世界分割したのはオランダではなくポルトガル
  • 【36】(正文判定)第二次世界大戦終結以前に起こった出来事
    • ①誤文 第1回サミットはドル=ショック、オイル=ショックに対応するため仏大統領のジスカールデスタンの提唱で開催されるようになった。
    • ②誤文 OAUは1960年の「アフリカの年」のあと1963年にガーナのエンクルマの呼びかけで開催されたアフリカ独立諸国首脳会議で発足が決まった。
    • ③正文 スペイン内乱の時、フランコ政権を支援したドイツ軍がゲルニカを爆撃した。
    • ④誤文 トルーマン・ドクトリンは冷戦体制の固定化。イギリスがギリシア・トルコへの支援を断念したためアメリカが支援を肩代わりし、共産圏の封じ込めを表明した。