雑録

ハミダシクリエイティブ「常盤華乃」シナリオの感想・レビュー

オタク趣味のせいでイジメを受け不登校になった少女がオタク趣味で世間を見返す話。
テーマはオタクであることの肯定。オタバレを恐れていた少女が自ら暴露するカタルシス
スクカ上位者、リア充パリピによる偏見や蔑視を経済的成功(カネ)によって黙らせる。
文化祭のイラスト実演を社会的威信のある第三者からの評価に帰結させたのは雑かも?
オタクが抱える面倒くささを丁寧に描けていたところはとても良かったと感じられた。

常盤華乃のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • オタク趣味というものは社会から排斥されるものであった
    • 常盤華乃は大人気イラストレーターJK。アニメや漫画やゲームが好きなオタ女であり、商業でも同人でもSNSでも活躍する超売れっ子絵師です。しかし仕事は充実しているものの、リアルでの生活は悲惨なもの。幼少期にオタク趣味がきっかけでイジメを受け、今の高校でもろくに学校に通えず不登校となっていたのです。その分、学校生活には憧れがあり、主人公から生徒会に誘われたことがきっかけとなり徐々に登校できるようになっていきます。
    • 華乃はイジメを受けた経験から極度にオタバレすることを怖れており、侮蔑の言葉として浴びせられた「ブス」という表現がトラウマとなっていたため、オタクであることや自分の容姿に対して払拭し難い劣等感を抱いていました。また絵師として成功してからも妬みや嫉みに晒され続けてきたのです。オタクに人権など認められず、アニメやゲームや漫画やラノベが好きだということは(恥ずべきことではないが)秘すべきことであったのです。彼等は決して世間から受け入れられないハミダシ者たち。だからこそタイトルがハミダシクリエイティブなのですね。華乃√では世間から爪弾きにされるオタクを肯定することがテーマとして扱われています。

 
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  • オタクであることの肯定
    • オタクと世間は決して交わることはありません。価値基準が違いすぎます。萌え絵ということだけで排斥されます。現実だとのうりんポスター、まいてつ鉄道、ゆずソフト喫茶、宇崎ちゃん献血ラブライブみかんなど枚挙に暇がありません。
    • 本作品では文化祭の出し物でイラスト制作実演をすることになり、萌え絵に対する偏見が扱われることになります。プレイヤーたちはこの問題に対してライターがどのような解決策を示すのであろうかと大変注目していましたが・・・。経済と権威で解決しちゃった☆
    • 決して交わらない価値観を同じ土俵に載せるには、誰しもが共通する価値基準に変換する必要があり、それがカネと権威付け(ブランド化)だったのさ。華乃の「萌え絵」は凄まじい額の金を生み出すぞ!とリア充を圧倒。文化祭のイラスト実演では、社会的に威信のある他校のお嬢様生徒会長が華乃の「萌え絵」を褒めちぎる事で権威付けがされてバカ受け。そしてオタク文化不登校を解消させてくれたのだと(牽強付会気味に)語られていきます。
    • オタクであることに重度のコンプレックスを抱いていた華乃が、オタクであることによって自己肯定できたシーンは感動を生みださずにはいられません。解決方法はちょっと雑だしご都合主義展開ではあるものの、オタクが抱える複雑な内面性がよく表現されていてケッコー面白かったです。

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