タコピーの原罪 第15話「しずかちゃん」の感想・レビュー

最適解はただ寄り添って傍にいる事と答えが出ているのに対象を孤独にしてしまうタコピーの話。
今回はしずかちゃんの感情爆発回。何も言わず耐えて来た少女が言葉の洪水を浴びせかける。
しかしタコピーは何も問題を解決することができず分かんないっピということしかできない。
けれども実はそれが正解であり、問題が解決しなくても一人じゃなければそれで良かったのだ。
2022年のまりなちゃんも2017年のしずかちゃんもタコピーが寄り添い続ければハッピーエンドだった。
だがタコピーはそんな少女たちの心情を慮ることなく、置き去りにしてしまうのである。
タコピーは自らを犠牲にすることで最後のタイムリープを発動させ、しずかちゃんを孤独にした。

ネガティブケイパビリティ~解決できない問題を受容するには~ →少女たちの答え「孤独でない」こと

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自分にはどうすることも出来ない問題に直面した時には
  • まりな(2022)もしずか(2017)もタコピーがいてさえくれればバッドエンド√のハッピーエンドだったのかもしれない
    • 今回のタコピーはしずかちゃんの感情爆発。これまでしずかちゃんは家庭環境やイジメについて不満を漏らしたことは無く、ただ黙ってそれに耐えてきました。しかしそれを受容していたのではなくチャッピーという自分のそばにいてくれる存在がいたから耐えられていただけでした。そのためチャッピーが保健所に連れ去られるととしずかちゃんは自殺してしまうわけです。
    • 今回しずかちゃんが東京から戻ってきたのは、保健所を再確認するためであり、チャッピーの生存に僅かな可能性を賭けていたというワケ。しかししずかちゃん自身もチャッピーが生きていると信じているわけではなく、そう自己欺瞞することでした生きられないからでした。やはりチャッピー死亡をしずかちゃんが確定すると自殺に走ってしまうのは必然……。そんなしずかちゃんの前に直樹くんのおかげで覚醒したタコピーが立ちはだかります。しずかちゃんからどんなに暴力を振るわれても一歩もひかないタコピーにより、ついにしずかちゃんに胸の内を吐き出させることに成功。しずかちゃんの言葉の洪水に対してタコピーが問題解決できることは皆無に等しく分かんないっピと言う事しか出来ません。
    • しかしこの解決策なんて何もない問題に対しては、決して孤独ではなく一人じゃないよと寄り添ってあげることが最適解。すなわち、2022年のまりなちゃんに対しても、2017年のしずかちゃんに対してもタコピーは自ずから正解を選び取っていたのです。しかしながらタコピーは最後の最後で大切な人を孤独にしちゃう。2022年の時にはタイムリープするからバイバーイだし、2017年の時も自分を犠牲にすればもう1度だけタイムリープできるよ!だし。
    • こうしてしずかちゃんは折角理解者ができたのに結局孤独に逆戻り。今までの伏線からすると、直樹くんに兄弟喧嘩をさせることによって覚醒を促し、兄の力でイジメ問題を解決に導くとかいう安易な予想が浮かんでしまうぞ!次回は最終回らしいので、この作品にどのようなオチをつけるかが見ものですね!
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結局、少女を孤独にしてしまうタコピーの図

タコピー感想まとめ