フタマタ恋愛「煌奮闘編」の感想・レビュー

高校時代に女からの重い愛情に耐え切れず逃げ出してしまった主人公が再び恋愛と向き合う話。
主人公の家庭環境は最悪で家族を捨てた父と嘆く事しかできない母の存在は恋愛観を歪ませた。
主人公は気楽な恋愛を望み気の合う宮子と友情を育むが宮子の恋愛感情は激重だったのである。
宮子の愛情を前にし恐れおののいた主人公は逃避に走りそこでラスボス信田結愛と出会った。
この時信田結愛は宮子とも出会っており勝手に二人の関係を神聖視し愛の証明の象徴となす。
主人公が宮子以外へ好意を抱いた時それを自分に惹きつけ破壊する装置が信田結愛だったというワケ。
煌が主人公に惚れると結愛が自分と二股させ関係を破壊しようとしたのは上記の理由による。
主人公が他者の人生を背負う覚悟をすると宮子√、煌が主人公にその覚悟をさせると煌√になる。

自己肯定感が低く他者からの愛情に応えることを躊躇してしまう主人公

一緒に壊れてくれることを望む宮子
  • 人間としてクズである自分なんかがヒロインに惚れられる資格など無くもっと良い男と結ばれて欲しいと心から願っている主人公
    • 主人公は愛情を信じられない人間でした。それは家庭環境によるものであり家族を捨てた父親とそれでもなお幻影に縋りつく母の存在に起因していました。高校時代に宮子と仲良くなったのも似たような家庭環境の淋しさを慰め合ったからであり、主人公にとってそれは尊い友情の範疇だったのです。しかし宮子の想いは激重であり、主人公のことを本当に好きだったのです。それどころか依存に近いレベル。そのことに気付いた主人公は宮子の愛情に応えることが出来ず逃げ出したのでした。この時偶然にも海で出会ったのが、ちょうど感情を爆発させ家族を崩壊させてしまった信田結愛だったのです。
    • 信田結愛の泣き顔は主人公に宮子の泣き顔を想起させ脳裡に焼き付かせるものでした。また主人公が逃避した先にも宮子はストーキングしており、この時宮子もまた結愛に会っていたのです。二人の関係を知った信田結愛は、本当の愛情を主人公と宮子の間に見出します。そして二人が結ばれることを愛の証明の象徴であると勝手に決めたのです。それ故信田結愛はもし主人公が他の人を好きになった時には自分が出て行って関係性を破壊することを誓ったのでした。本作は十色煌が主人公へ好意を抱くことから物語が始まるのですが、信田結愛が立ちはだかりフタマタ関係となったのは上記の理由だったというワケ。
    • 信田結愛が望むのは主人公と宮子が結ばれること。しかしながら主人公の優しさに惚れた十色煌の粘り強い恋情・慕情がその関係を脅かします。裏表のないホワホワたこ焼き娘である十色煌の人間性は次第に頑なであった主人公の心を溶かしていくのです。このままでは主人公はフツーに煌と結ばれてフツーに幸せになってしまう!このことを絶対に認められない信田結愛は主人公に選択を迫ることになります。ここで愛を避けて来た主人公がようやく他者の人生を背負う覚悟をすれば宮子√に入ります。一方で煌が愛の証明として人類の生殖本能をさらけ出し主人公に他者の人生を背負う覚悟をさせると煌√になります。

信田結愛が主人公と宮子に執着するのはなぜか

信田結愛が宮子√に拘る理由①
信田結愛が宮子√に拘る理由②
信田結愛が宮子√に拘る理由③

宮子とその心情

宮子が抱える心のうち
自分が壊れていると自覚している宮子
自分の秘めた願望をさらけ出す宮子

なぜ主人公は宮子の愛情を拒絶したのか

主人公が宮子を選べなかった理由①
主人公が宮子を選べなかった理由

フタマタ恋愛感想集