【感想】学園アイドルマスター 有村麻央「Fee Jewel Dream」を読んだ。

有村麻央が視野狭窄なコダワリを捨てることによって逆に本来の目的を得た話。
王子様のような男役に憧れる麻央は可愛さを受け容れられずカッコイイにこだわっていた。
だがそれにより仕事を干されJK3になっても売れ残りの余り物になってしまっていたのだ。
そんな麻央の救いとなったのが我らがプロデューサー。本当のカッコ良さとは何かを哲学する。
麻央は第二次性徴により可愛らしくなる自分にコンプレックスを感じていたのだが……
カッコイイとは心の所作。カワイイの中にもカッコイイは宿るのである!
可憐に可愛く振る舞えるようになったからこそ演技に幅が出てカッコ良さにも磨きがかかった。
こうして、ついてに、麻央はカッコイイ自分を存分に披露できるようになったのだ!

自分の中の可愛いを認められるようになったからこそカッコイイを表現できる!

カワイイ自分を受け容れたことで成長した麻央

有村麻央は男役に憧れ王子様として振る舞っていた。だが第二次性徴と共に次第に女性らしくなっていき芸能界からはカワイイを求められるようになる。それにも関わらずかつてのようにカッコイイにこだわったため仕事を干されて売れ残りJK3となったのであった。また学校内においても王子様のように紳士的に振る舞っていたのだが、生徒の間でも理解されることは少なく陰では嘲笑されていたのである。そんな有村麻央を救ったのがプロデューサーであり、カッコイイとは心の所作であることを説く。つまりカワイイの中にもカッコイイは内在しており、寧ろ表面的なカッコイイに固執することはカッコイイとは言えないのだと。これにより麻央は開眼し、これまで受け入れられなかったカワイイ自分を受け容れるということが、カッコイイに繋がると理解したのであった。
 

風で飛ばされたリーリヤの衣装を取るために木登りする麻央

カワイイ自分を受け容れた麻央は精神的にもアイドルとしても大いに成長。演技の幅が広がり、上の次元へとパラダイムシフトした。これにより、ついに麻央は念願であったカッコイイ自分を振る舞える楽曲を貰ったのである。可憐さを表現できるからこそ引き立つカッコ良さ。プロデューサーからベタボメされた麻央は士気を昂揚させ、次のライブでは最高にカッコイイ有村麻央を見せつけてあげますよと意気込んでいく。生徒の間でも、麻央のカッコ良さは次第に理解されるようになっていくが、その筆頭はリーリヤであった。衣装が風に飛ばされて木にひっかかってしまうのだが、それを麻央は木登りで取ってきてあげるのだ。麻央のワイルドさにリーリヤはべた惚れしていく。
 

甘い物も堂々と食べられるようになった麻央

ラストは決起集会&アンケート分析。突っ張って甘い物を食べようとしなかった麻央はもういない!思いのままに(ただしカロリー制限はかかりつつも)甘味も摂取する。プロデューサーの前では王子様のようにカッコつけなくてもよいという麻央の安心感はかえって彼女をカッコ良くしたのだ!アンケート分析では、麻央のファンが増加したエピソードが挿入されるのだが、中には麻央の紳士的振る舞いにより助けられた人々がファンになったケースも多々あった。ファンからのお便りも読み上げる中で、Pは密かに自分のお便りを混ぜ込める。「麻央さん、お疲れ様でした。ステージに立つあなたは―あの日も最高に輝いていて本当に素敵でした。あなたのこれまでの努力と研鑽の日々、そしてアイドルにかける想い―心より尊敬しています。あなたのファンより」。これに対して麻央は嬉しいと述べ、「ボクのこと、そんなにしっかり見てくれてる人がいるなんて。」と、コメントする。プレイヤーたちはこの時点で"プロデューサーがファンにかこつけて自分のメッセージを読んでいる"ことに麻央が気づいたのだと予想した。だが麻央が気が付くのはその後であった。自室でアンケートを改めて見た際にプロデューサーの文字だと確信するのだ。プロデューサーの期待を一身に背負った麻央はメス顔をさらし、期待には応えないわけにはいかないよねと更に士気を高めることとなった。
 

ファンのメッセージにかこつけて自分の想いを伝えるP
メッセージの文字を見てPのものだと気付いた麻央
Fee Jewel Dream

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