アビドス高校が永遠に借金を返せない仕組み～ブラックマーケット編～。
チンピラたちにより立て続けに襲撃を受けるアビドス高校。
襲撃犯の雇用主を探るため鹵獲品を追うべくブラックマーケットへと向かった。
そこでは借金先の闇金が、さらに闇銀行へと繋がっていたことが明らかになる。
ホシノたちはその証拠を押さえる為に受領証明書を奪うべく銀行強盗に打って出る。
犯罪行為をしている時点でもう既にその手は罪に染まっているのだが……
それでもホシノは独自のコンプラ観念から書類のみ回収しカネには手を付けなかった。
一方で便利屋のアルちゃんは銀行強盗をしていたアビドス高校に謎の憧れを抱いてしまった。
【目次】
法令遵守ではなくネフティス家の接収や負の連鎖を心配している小鳥遊ホシノ
今回のお話はブラックマーケットへの調査。立て続けにチンピラたちから襲撃を受けたアビドス高校は、なぜ廃校寸前の自校がターゲットにされるのか疑問を抱く。そのためチンピラたちの雇用主を探すべく、鹵獲品の出先を追うためブラックマーケットへと向かった。予想通りブラックマーケットの治安は最悪で、ひょんなことから不良に追われていたお嬢様学校の阿慈谷ヒフミを助けることになる。彼女はキモカワキャラクター・モモフレンズの大ファンであり、グッズを求めて闇市場へ頻繁に出入りしていた(じゃあ制服で来るなよというツッコミは野暮なんだろうね)。小鳥遊ホシノはしたたかであり、助けた御礼に闇市場の案内を頼み、色々とレクチャーを受けことになる。それにしてもヒフミさん、闇社会詳しすぎ。解説役という設定だからなんだろうけどホシノたちが知らない情報をたくさん喋ってくれる(ホシノたちが知らないだけか？)。で、アビドス高校が借金していた闇金融がさらに闇銀行へと繋がっていたことが明らかになる。そしてその証拠として受領証明書を抑えるため銀行強盗に打って出るのだ。
この時点でもう犯罪に手を染めているわけだが、カネに手を付けないのは、単なる良い子ちゃんな演出や教条主義的な法令遵守ではなくホシノの独自のコンプラ観念があった。そもそも資産家のノノミが持っているゴールカードを使ってしまえば借金など一発で返せるのだ。そうしない理由は、ノノミのカードで借金返済したとしても、そのカネはノノミ自身ではなく実家のネフティス家の資産であるため、ネフティス家がアビドス高校を買収したことになるからである。銀行強盗でカネを奪わなかったのは、意識的無意識的に味を占めることとなり、今後資金繰りが悪くなった場合に短絡的に犯罪に手を染めるようになってしまうことを危惧してのものであった。故に、ホシノはあくまでも自分たちで借金を返すことが出来ねば意味が無いと考えている。だからこそ、銀行強盗で奪ったカネに手を付けなかったのである。(だが闇金融と闇銀行が繋がっているため、永遠にクリーンな方法では借金を返せないという矛盾が発生し、物語が展開する軸となる)。
みんな大好きアルちゃんの学生証！アウトローを目指しながらも既存社会の些事に悩まされるアル、覆面水着団に一目惚れしてしまう
一方で便利屋パートでは陸八魔アルの過去について扱われた。みんな大好きアルちゃんの学生証の登場だ！陸八魔アルは真面目な良い子で有能なのにハードボイルドに憧れるせいでポンコツになってしまう愛すべきおバカキャラである。ではなぜそんなアルがハードボイルドに憧れたのか。その掘り下げが行われ、過去の一端が語られたのだ。学生証を見れば分かる通り、JC時代のアルちゃんは既存の価値観や社会通念に従い、糞真面目に生きてきた。だがそれは息苦しさを感じさせるものであり、真面目だからこそ規範意識に磨り潰されそうになっていたと考えられる。そして進学したゲヘナ高校。ここでは(風紀委員以外は)治安が終わっており、生徒達は破天荒で自由があった。だがこれまでくそ真面目に生きてきたアルには適度なハメの外し方がわからなかったのだろう。とにかくこれまで生きてきた既成の価値観にNOを突きつけたい。そんなアルが縋ったのがハードボイルドでアウトローという概念であったのだ。だが現実はどうだ！？ハードボイルドやアウトローに憧れながら、資金繰りや融資という些事に悩まされている。しかし銀行強盗をする勇気など自分にはない……。そんな忸怩たる思いをするアルの前に颯爽と現れたのが、手際よく銀行強盗をする覆面水着団であり、これを見たアルはすっかり脳が焼かれてしまったというワケ。アルはそんな純粋な憧れを覆面水着団の皆さんに告げる。だが彼女たちこそが自分たちのターゲットであるアビドス高校であることを知り、なんですってーのギャグオチとなる。
