ブルーアーカイブにおけるシナリオの研究(2)「ブルアカ バレンタインストーリー」一覧まとめ

ブルアカのバレンタインイベントでは、生徒一人ひとりが先生に対してプレゼントを贈るために個別のストーリーが用意されている。このチョコが実に個性溢れるものであり、キャラの人格や先生との関係性を踏まえた上で、各生徒が先生を想いながらあれこれと悩んで準備したものとなっている(という設定である)。またバレンタインという性質上、先生への日頃の想いを言葉にして伝えるものとなっているため、先生との親密性が濃いシナリオが綴られることになる。そのためバレンタインストーリーを読むことで先生と生徒の関係性について解像度が深まり、よりキャラ理解が深まるというわけである。よってここでは各キャラのバレンタインストーリーを分析し、関係性がどのようにチョコに表象されているかを考察していきたいと思う。

※随時更新(未完成)

【目次】

愛清フウカ「特別な日に特別な気持ちを」~ココアが入ったマグカップ

先生のために通い妻をし、健康に配慮した手作り家庭料理を振る舞った後、夫婦マグでバレンタインを贈るフウカ

フウカちゃんの新妻だいあり~【通い妻編】。バレンタインの日、仕事に疲弊した先生は食事を摂る気力も出ず、コンビニチョコで済ませようとする。そこへタイミング良くフウカ登場。彼女は先生の仕事状況をある程度把握しており、先生がお疲れ気味である様子を見て、食事が雑になっていると察してやってきたのである。フウカは健康によく美味しい手作りの家庭料理を作ることに長けており、先生にいつでも私を呼んでくださいと願っていた。だが先生は生徒の時間を自ら奪えるような性格ではない。そのためフウカは通い妻をしにきたのであった。先生の不摂生を窘めると共に、テキパキと食卓の用意をするフウカ。また彼女は単におさんどんをするだけでなく、先生と二人、食卓で向かい合って団欒を共にするのである。フウカは自分の作った料理を先生が食べる姿を間近で見ながら、温かい時間を過ごすことになる。食後にフウカが出してくれたのは、お揃いのマグカップに入ったココア。先生がそれを指摘すると照れてしまうフウカもかわいいね。彼女は必死で弁明するのだが夫婦茶碗ならぬ夫婦マグを用意したのがバレバレであった。

蒼森ミネ「ちょっぴり特別な救護用品」~ヒヨコ型のチョコレート~

可愛い物好きを先生にカミングアウトするミネ

これは貴重な可愛いミネ。ミネというとかなりぶっ飛んだキャラとして描かれることが多く、殲滅した方が結果として怪我人を最小限に抑えられるというトンデモな信条を持ち人の話を聞かないという叙述が多い。それを指してミネが壊して騎士団が治すという作中でのフレーズもある程。しかしながらバレンタインイベントではミネの可愛い様子が描かれることになる。ミネは先生を自室に招くのだが、そこで集めたカワイイチョコグッズを見られてしまうことになる。ミネは頑なにチョコと救護の関係性を説くのだが、ミネのチョコはほぼ全てカワイイものだったのである。先生は何気なくその可愛さを褒めるのだが、ミネは普段真面目腐っている自分がカワイイ物好きだとはバレたくなかったようであった。それでもヤケクソになったミネはとうとうカワイイもの好きであることを認めてカミングアウト。「私だって綺麗で可愛いものが好きです!」のセリフにミネファンは狂喜乱舞したのであった。先生は落ち着いた大人らしく慌てるミネを宥めて可愛い物好きであることに対して理解を示す。先生の振る舞いにより年相応の子どもに戻ったミネはハッピーバレンタインと先生の口にチョコを押し込むのだ!この時の笑顔がとても素晴らしいものとなっているのでおススメ!この後ミネは恥ずかしさのあまり逃走する。先生はミネの部屋から出るにも行かず、ミネが帰ってくるのを待ち続けた。帰ってきたミネと先生が何をしたかは推して知るべきだろう。

赤司ジュンコ「不運な美食家」~チョコ団子~

バレンタインの日ですらお団子を食べられないジュンコ

報われない少女ジュンコ。バレンタインの時ぐらいお団子を食べさせてやってよ~。先生に変わり種のお団子を出す店を紹介してもらったジュンコ。彼女は金銭的にも、食べられる量的にも限界があるため、慎重に考えてメニューを選ぶ。そんな彼女が決めたのが、おススメにあったチョコ団子であった。だが同じ物を2人前注文しており先生は疑問に思う。答えて曰く、店を教えてくれた先生に御礼がしたいのとバレンタインだからだそうな。先生とお団子を一緒に食べたいというジュンコが顔を赤らめるところがとても可愛いね。しかしジュンコがお団子を食べようとするといつもライターが邪魔をする。今回は和菓子純粋派が団子にかけて良いのはきな粉と醤油だけだと暴動を起こし、ジュンコのお団子を落としてしまうのである。しかもジュンコが暴動を鎮圧しても報われることはなく、結局お団子を食べることは出来なかった。先生にバレンタインのプレゼントも贈れていないことにもなるし、流石に可哀想すぎ。

秋泉モミジ「お揃いのキーホルダー」~チョコレートキーホルダーグッズ~

漫画の「当たり」などではなく、モミジが自分で用意したのを「当たり」と言ってるんだよね?

モミジが購入した布教用の漫画本を見せてもらう先生。そこには封入特典としてキーホルダーとチョコが入っていた。モミジ自身は封入特典だと主張するが、フレイバーテキストを読み限りでは、モミジが用意したものと解釈するのが妥当なのだろう。先生がモミジのために特典をあげようとすると、彼女がそれを断ろうとすることからも推測できる。またモミジは自分の観賞用の漫画本の中にも同じグッズが入っていたと述べ、先生の机の上にお揃いのキーホルダーを並べて飾って欲しいとおねだりする。これは他の生徒に対するマウントもしくは牽制のためなのかもしれない。先生の机の上を見れば、自分と先生の思い出の品物が飾られている。この事実はモミジにとって特別なモノであった。そして封入特典のチョコは一緒に食べることにし、さらに漫画も一緒に読むことになる。漫画を一緒に読むって先生のお膝の上にモミジを乗せて、一緒に同じ漫画を読むというシチュを想像してしまった。

朱城ルミ「試食の心」~チョコレート月餅~

餅チョコの試食を口実に先生とバレンタインを過ごしたかったと恥ずかしそうに照れるルミの立ち絵が秀逸

試食を口実にして先生とバレンタインデートを楽しもうとする話。朱城ルミは中国をモチーフとした学園:山海経の料理人であり、新しい創作料理にも積極的にチャレンジする。と、いうわけで今回は月餅のアレンジに挑戦したとして先生に試食を頼んで来るのだ。用意されたチョコ月餅は3種類。表面をチョコでコーティングしたもの、チョコを包んだもの、アイスチョコ月餅とよりどりみどり。先生は試食をした後、どれが一番良いか選択肢を出されることになるぞ!その後、先生は試食だけではなく期待もしていたと述べるのだが、ルミは実は試食は単なる口実であったとカミングアウト。試食にかこつけて先生とバレンタインにひと時を過ごしたかったのだと告白してくる。先生には隠し事をしたくなかったと顔を赤らめ、こんなに恥ずかしくなるなんてと照れるルミの立ち絵はグッとくる演出になっている。その後、先生はルミと一緒に月餅を食べながら趣深いひと時を過ごしたのであった。

明星ヒマリ「超天才清楚系病弱美少女ハッカーの分身」~超天才清楚系病弱美少女ハッカー'sチョコレート~

自画自賛するヒマリを真正面から褒め照れさせていく先生つよい

自画自賛が激しい明星ヒマリ。だがそれは身障者である自分を奮い立たせるための手段でもあった。そのため素直に真正面から褒められると弱く恥ずかしくなってしまう一面を持つ。ヒマリはバレンタインに呼び出し、自分に一刻も早く会いたかったのですねとか押し付けがましい持論を展開するが、我らが先生はそれをしっかり受け止め、むしろガンガン攻めていく。バレンタインデーはヒマリと過ごせる大切な日と称し、だからこそ急いできたんだと囁く。責められると弱いヒマリはキュンキュンしてしまい、いつものペースを崩していく。ヒマリがバレンタインに用意してくれたチョコは自分の姿を象ったチョコであり、見た目だけでなく味にもコダワリ、これを食べられる先生は幸せだろうと豪語する。だがしかし、いざ目の前で先生がチョコを口にしようとすると、ヒマリは自分のうつしみが先生の口に入る姿を目の前で見る事になると気付き、途端に恥ずかしくなってしまうのだ。さっきまで食べて食べてとせがんでいたのに、一転して箱に戻して執務室に帰ってから食べてと論を変える。恥ずかしがっちゃうヒマリかわいいね。照れるヒマリはそれを隠すため感想文を要求。レポート形式で提出せよと述べて来るのであった。かたわであり誰からも相手にされないため自画自賛することで精神的安定を保っている少女が、正面から自分を褒めてくれる・認めてくれる先生にときめいていくというヒマリの魅力が詰まったストーリーである。

朝顔ハナエ「最高の疲労回復剤」~ハッピーホットチョコレート

最初は先生にカフェイン濃縮飲料を飲ませようとしていたハナエだが、ホットチョコを入れ直してくれる

ブルアカ無自覚バレンタインシリーズ。バレンタインであることに気付かず、なんか街中でチョコが売られているので購入しましたというパターン。話の流れとしては、またしても徹夜をしてしまった先生に対して当番生徒にあたっていたハナエが飲み物を出すという展開。先生の体調を気遣うハナエは先生のために疲れが取れる飲み物を用意すると申し出る。だがそこで出されたのは、カフェイン濃縮飲料。なんと、普通のコーヒー200杯分のカフェインが入っているのだとか。流石の先生もこれを飲むことは出来ずチェンジを要求。ハナエにホットチョコを出してもらうことになる。ハナエらしさが出ている点としてはホットチョコのカップにかわいいウサギのマシュマロが添えられているところ。そういえばハナエは立ち絵でもウサギのマスコットをぶら下げているよね。そんなわけで先生はホットチョコを美味しくいただくのだが、ここでハナエが疑問を呈する。なぜ道端であんなにもチョコが売られていたのかと。ここで初めてバレンタインであったことに気付くのだが、期せずして先生にチョコを渡せてよかったというオチになる。

浅黄ムツキ「ロシアンルーレット・チョコレート」~地獄のロシアンルーレット

ブルアカのコンセプトまで持ち出し先生を煽り散らかすムツキさん

先生「と」遊ぶのではなく、先生「で」遊ぶことに定評のあるメスガキ、ムツキさん。今回はバレンタインということで、激辛チョコが混ざったロシアンルーレットで勝負をすることになる。温厚な先生は渋っていたのだが、先生がいつも生徒達を助ける時のキメ台詞である「大人としての責任」をあげつらいながら、煽り散らかすのである。ブルアカのコンセプト自体を揶揄されては根底が揺らいでしまう。後に引けなくなった先生はいつものごとくムツキの勝負に乗るのだが、これまたいつものごとくメスガキに敗北する。なんとロシアンルーレットチョコといいながら中身は全部激辛チョコなのであった。痛めつけられた先生を小馬鹿にしてあざ笑うムツキさんの姿をお楽しみください。しかしメスガキと言ったらワカラセ。先生は激辛を引いたら勝負が終わりとは言ってないよねと正論を吐き、今度はムツキの番ですよと激辛しかないチョコをムツキにも食べさせようとするのだ。先生のワカラセが成功するか!?と一瞬思われたが、先生がムツキに勝ったらブルアカが終わってしまう。ムツキは先生に無理やり食べられてしまうと騒ぎ立てるのである。JKが襲われると被害者ぶったら先生の方が立場が弱いのは当然のことであり、今回もムツキに完全敗北するのであった。こうしたキャラだからこそ、ファンアートやウスイホンでムツキがワカラセられる作品が多いのであろう。

阿慈谷ヒフミ「新作のチョコレートグッズ!」~バレンタインぺロロ~

バレンタイン限定ぺロロチョコをゲットすべく先生に(偽装)カップルになって欲しいと頼むヒフミ

ヒフミと偽装カップルする話。ぺロロ様を信奉するヒフミはバレンタイン限定グッズの情報を知り、購入しに行くが、それはカップル限定であった。そんな時、たまたま先生が通りかかり声をかけると、ヒフミからカップルになって欲しいと告白される。先生は全く動揺することなくモモフレンズ関係であろうと推測し、ぴったんこカンカン。二人はカップルとなり、ヒフミは無事にぺロロチョコを手に入れる。このぺロロチョコ。カップル用ということで2ケース入っており、ヒフミは意を決して一つを先生に贈る。先生がヒフミに貴重な限定品を貰っていいのか訊ねた後が、本シナリオのクライマックス。ヒフミは先生には何かしらバレンタインで贈り物をしたかったと答えるのである。こうしてヒフミの淡い恋心が提示され、ヒフミ√は幕を閉じる。

飛鳥馬トキ「至高にして究極のおもてなし」~至高にして究極のチョコレートケーキ~

先生のために有名店のチョコを厳選して振る舞った後、自分の手作りチョコケーキで給餌プレイするトキ

先生にバレンタインで想いを伝えるためにおもてなしをすることに決めたトキ。やるからには全力を注ぐトキは本気を出し、まさに至高にして究極のおもてなしをする。その努力は地道で切実なものであり、情報を仕入れ、自ら有名店にも赴き、先生に喜んで貰えるチョコを厳選するのである。さらにトキは自分の大切なオフィスに先生を招き、メイド服を身に纏い給仕を行って先生をもてなすのである。学園都市有数の菓子店から集められた様々な種類の厳選チョコを先生に味わってもらうことに喜びを感じるトキ。しかしそれは布石にしか過ぎなかった。トキは自分の手作りチョコケーキが、有名店に負けないほど美味しいことを示したかったのである!!トキはこれまでのチョコは既製品であり充分気持ちが伝わらないと述べ、完璧に真心が伝わるよう自ら食べさせてあげると言い出す。トキは先生に寄り添い甲斐甲斐しく口にケーキを運ぶのであるが、先生はトキに食べさせてもらったその味を心が落ち着く味と評している。

天雨アコ「とにかく準備したので!」~あなたのための一口の休息~

仕事のご褒美として書類1枚仕上がるごとに1粒ずつ先生にチョコを食べさせるアコ

バレンタイン、風紀委員に赴きアコの書類仕事を手伝うことになった先生。アコは猫の手も借りたいならぬ先生の手も借りたいと述べながらいつもの如く先生にダル絡みをするが、アコに対して先生は大人な対応を見せる。真面目に書類を片付ける先生を見たアコは、ここぞとばかりに計画を発動。書類1枚終わる毎にチョコをあげると言って一粒一粒チョコを食べさせてあげるのである。アコはあたかも買ってきた市販のチョコのように振る舞っており、チョコの完成度も高かったが、先生はアコの手作りであると見抜いていたのだ。しかも最初から。ある程度仕事が進んだ時にそれを先生が指摘すると、アコは意地悪ですねとなじるのだが、バレたからにはと感想を要求してくる。そんなアコを微笑ましく思った先生はコーヒーを煎れてあげ、仲良くチョコを食べながら、アコの愚痴を聞き精神的ケアに努める。アコにとって自分がどんなに理不尽を言っても受け容れてくれる相手が先生なのだろう。そんな信頼の証を見せつけるストーリーとなっている。

伊落マリー「どこから食べれば……?」~ホーリー・チョコレート~

先生に気持ちを伝えることが出来て安堵する伊落マリー

伊落マリーがバレンタインの日に、チョコを渡していいか苦悩する話。神に仕える敬虔なシスター伊落マリーはバレンタインを「日頃から感謝を伝えたい方に、チョコレートを通じて気持ちを伝える日」だと認識していた。そのため、どうしてもチョコを渡したいなと願うのだが、どのようなチョコを渡せばいいのかで迷ってしまう。そんなマリーが最終的に選んだチョコとは!?な、なんとシスターフッドのオミヤゲとして大人気な聖母像を象った「ホーリー・チョコレート」だったのである。先生は偶像崇拝ェェ……と思うが、マリーからの贈り物として喜んで受け取る。するとマリーは安堵の表情を見せ、胸の内を打ち明けてくれる。そもそも神に仕える自分が先生という特定の男性個人にチョコを渡していいのか悩んでいたのだという。それでも先生へ気持ちを伝えることができ、私てよかったと微笑んてくれるのである。そんなマリーとの心温まるエピソードであるが、聖母像のチョコを食べてもいいのかどうか問題となり、結局展示用にするというオチがつく。

伊草ハルカ「その前に、その後に」~カカオ99.99%~

自己卑下しがちなハルカに優しい言葉をかけ自己肯定感を高めてあげる先生がみどころ

バレンタインの日、先生からハルカを呼び出す。先生が主体的にバレンタインに逢おうというのもレアケース。と、いうのもハルカは色々と思いを拗らせた結果暴走しがちでありバレンタインの日にグルグル悩んで問題を起こすことが予想されていたからである。そのため先生はあらかじめハルカを呼び出していたのである。ハルカはいつものように自虐ムーブを展開するが、ハルカの自己卑下にも慣れている先生は、ハルカを優しく肯定し彼女が他者からきちんと認められて必要とされていることを行動で示すのである。勿論ハルカは先生のためにチョコを用意していたのだが、彼女が選んだのはカカオ99.99%のチョコレート!とても苦い。ハルカ曰く、普段チョコは食べないので、数値がすごそうと思ってチョイスしたのだとか。実際に健康的にはカカオポリフェノールやカカオプロテインの効果は喧伝されているので、身体には良いのかもしれない。またカカオ99の苦みの中にあるハルカの愛情という甘味を先生が味わっているテキストも挿入されている。

池倉マリナ「保安委員長の勲章」~特別功労勲章チョコレート~

自分が貰った何よりも大切な勲章チョコを先生への恩返しとしてプレゼントしてくれるマリナ

先生をレッドウィンター(ソ連)に呼び出したマリナ。旧共産系のこの学園では勲章に付与による権威付けのコントロールにより人的地位が操作されていた。コチコチの教条主義者であるマリナはその勲章を何よりも重視していたのだが、チョコレートの目標生産量を達成した時にチェリノ(スターリンをモチーフとしたキャラ)から与えられたのは、なんとチョコレートで出来た勲章であった。このまま冷蔵庫に入れたままにして腐らせるわけにもいかないと思い悩むマリナは先生を呼びだし、この勲章の処置について助言を請う。しかしチェリノの勲章制度のオママゴトのようなくだらなさを知る先生は食べてしまえばいいと答える。これには流石のマリナも躊躇し、せっかく貰った勲章が無くなってしまうではないかと反論。だが先生はマリナの努力や実績は皆が覚えており記憶に刻まれているとか何とか言い説得。先生に上手く言いくるめられた感のあるマリナだったが、それならば恩返しの証として先生に食べて欲しいと自分の勲章チョコを譲ってくれる。勲章を何よりも大切にしているマリナがそれを先生にくれるなんて余程のことである。ラストのテキストで立ち絵差分のマリナがニッコリする姿は破壊力バツグン。

勇美カエデ「最強のチョコサウルス!」~最強のチョコサウルス~

恐竜発掘チョコに失敗し、残ったパーツで合成獣を作るカエデ

ブルアカ本当に高校生かシリーズ・アホの子編。所謂炉利巨乳に分類されるキャラなのだが、精神年齢は幼く、情緒も小学生男児のように設定されている。バレンタインが何の日か当日テレビを見て初めて知ったり、同じ部活の仲間から火を一人で使うのは危険と止められたりするほど幼く扱われている。そんなカエデは手作りが出来ない代わりに恐竜発掘チョコを綺麗に割って先生にプレゼントしようと試みる。だが大方の予想通り、発掘失敗。たくさんの恐竜を割るが失敗作の山を作ってしまうのであった。カエデは上手く出来なくて落ち込むのだが、先生は優しい言葉をかけて慰める。大切なのは結果ではなく、カエデが先生のために頑張ってくれたことが嬉しいんだと甘い言葉を吐いていく。これに励まされたカエデは、恐竜チョコの割れていない部分を組み合わせ合成獣を創出!これを最強のチョコサウルスと名付ける。またチョコを見てたら食べたくなってきちゃったと先生に甘え、二人で割れた破片をついばむのであった。

十六夜ノノミ「おやつ担当の甘い気持ち」~おやつ担当のお仕事~

買い物帰り、仲間に内緒でご休憩。チョコをあ~んするノノミ。

先生を連れてバレンタインお買い物デートに行くノノミ。先生に荷物持ちをしてもらうのだが、その重量は凄まじいものがあり、先生の腕はプルプル状態であった。キヴォトス女子と一般成人男性を比べちゃいかんよね。そんなわけでノノミは「悪いこと」を先生に提案する。本来なら真っ直ぐ帰らねばならないところ、先生と一緒にご休憩してお散歩するのである。のどかな時間を過ごす二人にホッコリ。そんな中、ノノミは買い物で購入したチョコを取り出す。次々に取り出す。さらに取り出す。どんだけ買ったんじゃい!というレベルであるが、ノノミは仲間達がどんなチョコが好きかを考えながら選んだと仲間想いの姿を見せる。感動!となった所でノノミは手ずから先生にチョコを食べさせたいので、ストーレートに「あ~ん」をしてくる。しかもフォントサイズ的にかなりの勢いであることが分かる。しかもノノミが「あ~ん」をしたのは1回だけでなく、様々なチョコを一つずつ食べさせて貰ったのであった。すっかり餌付けされてしまう先生……。

伊原木ヨシミ「すごく貴重な限定の」~ヨシミの限定チョコレート~

頼れる姉御肌のヨシミだが先生の前ではツンギレになってしまうの

スイーツ部の中では頼れる姉御肌であり、イベストでも宇沢とカズサについて友達だから喧嘩するのも当たり前と当然の如く見なしていた。だがそんなヨシミだが気になる異性である先生の前では素直になれずにキレ散らかしてしまう。いわゆるツンギレでお馴染みのキャラ。バレンタインの時も気持ちを伝える為に市販のチョコでは味気ないと限定チョコ購入のために並んだのだが、結局は買えなかった。それでも特別感を出すために手作りにチャレンジするのだが出来上がったウサギ型のチョコはボロボロであった。そのためヨシミは先生を呼びだした後、15分以上も逡巡し、結局先生に声をかけてもらう。そしてキレながら手作りチョコを渡すのである。先生はいつものようにヨシミのツンギレを優しく受け止め甘い言葉を吐く。先生がヨシミを気遣い歯の浮くようなセリフを発言する度、にヨシミは照れながらリップサービス、いつものパターンとキレるのだが、最終的には喜んでいる自分を自覚せずにはいられない。最後は先生の優しさを噛みしめながら「どうして、こう……。」と述べて画面が暗転しオチとなる。おそらくヨシミは先生の胸に顔をうずめて甘え散らかしているのだろう。

戒野ミサキ「責務とイベントの相関性」~丁寧なラッピング済みチョコレート~

先生にチョコを渡すタイミングを見計らっていたが、ポケットからはみ出して最初からバレていたミサキ

これもまた仕事にかこつけて先生にチョコを渡そうとする話。ツンデレ。ミサキはアリウスのみんなを守ることを使命感としており、寝床とする廃ビルの安全確認をすると称して先生を誘う。先生とミサキはライフラインの確認や経路の確保など次々と探索を行っていくがミサキが提案するものは皆、すぐにできるものばかりであった。それもそのはず、仕事や責務は単なる口実であり、目的はチョコを渡す事だったからである。しかもミサキはうっかりポケットからチョコがはみ出しており、先生は最初からミサキの狙いが何となく分かっていたというワケ。ミサキは最悪と繰り返しながらも先生にチョコをプレゼントしてくれるのだが、セリフにはツンデレのような言い回しが用意されている。「他の意味は絶対、絶対、絶っ対に無いから。わかった?」と念押しをしてくるのだ。しかしフレイバーテキストには「2色のリボンが使われた繊細なラッピングは、彼女の隠れた一面を表しているようにも見える」とあり、ミサキ先生のために心を込めて贈っているものだと分かる。

岩櫃アユム「終わらないもの」~ドライグレープフルーツのチョコがけ~

書類仕事が終わらなくて大変仲間として共感を得る先生とアユム

連邦生徒会で書類仕事に追われるアユム。やってもやっても終わらない仕事に疲弊していく姿は、先生と通ずるものがあった。そんなアユムに対し先生は優しく労い、休憩にはコーヒーを煎れてあげる。先生の腕前による味は、アユムにとってピッタリの味わいであり、このような所でもシンパシーを感じる。書類仕事が大変でヒィヒィ言っているという点で先生とアユムは共感を得たのである。バレンタインなのに忙しくてチョコを買いに行けないアユムは自分のおやつを先生にプレゼント。疲労回復に気を使っており、カフェインとテオブロミン、ビタミンまで摂取できるのだとか。バレンタインなのにいつものおやつであることに恐縮するアユムだが、先生は感謝の言葉を述べ味を評価し、疲れも取れそうと褒める。それを聞いたアユムは思わず嬉しくなってしまい、先生といると疲れを忘れてしまいそうとゴキゲンになるのだった。この時の立ち絵が大変良く、えへへと笑みを浮かべる表情がとても可愛い。先生はアユムと一緒にグレープチョコを食べながら彼女の苦労話を聞き、ケアに努めるのであった。

宇沢レイサ「バレンタイン挑戦状」~バレンタイン挑戦状~

猪突猛進ガールなのに突如曇りだすレイサに対し先生が優しくケアするシーンが見所

市販のチョコに挑戦状を付けたレイサからの贈り物。挑戦状には先生への想いが綴られている。レイサのバレンタインストーリーの見所は「レイサの無邪気さを受けとめる場面」と「急に曇り始めるレイサをケアする場面」。前者についてはいつもの如くレイサがウザさを発揮し先生に突進してくるところから始まる。先生はもう手慣れたもので、レイサが体当たりしてくることを足音で察知し、落ち着いて受け止められる程にまでなっていた。ここから二人の関係の深さが窺われるし、落ち着いた男性に構って構ってするウザワもかわいいね。レイサはとても素直であり、バレンタインのチョコもストレートに難なく渡してくれる。だがここからがレイサの本領発揮。チョコは市販のもの手を加えて挑戦状のカタチになっており内容は想いを綴ったものであった。それを先生は本人の前で読みだそうとするのである。さすがのレイサもこれには焦った。後で読んでくださいと涙目になる。そしてレイサは一人で空回りしていることを自覚し、急に曇り始めてしまう。これが第二の見所だ!レイサは自分のものがほぼほぼ市販品であることを気に病み、手作りが良かったかですかと訊いて来る。さらには先生の時間を無為に奪ってしまったと自己卑下まで始めるのだ。これに対し我らが先生はレイサが勇気を出してくれたから嬉しい!、レイサに貰えたのが嬉しいんだ!とパーフェクトコミュニケーション。先生からケアされたレイサが照れだす描写がクライマックスとなっており、是非皆さまに読んで欲しい!!レイサは先生の時間を自分が奪ってしまうことを気に病んでいたが、先生の優しい気づかいにより過度に気にすることをやめ、先生と一緒にチョコを堪能する。ちなみに挑戦状という名の恋文は帰ってから読みました。

生塩ノア「セミナー書記ノアの甘いイタズラ」~チョコレートインク~

自分が舐めた唾液付きのインクボトルチョコをプレゼントするノア

衝撃!自分の舐めた唾液付きのチョコを先生に渡すノア……。事の発端はこうだ。ボトルインクを購入したのだというノア。書記としてペンとインクで文字を書いてみたくて執務室に寄ったのだろいう。ミレニアムの記録媒体はデジタル化されており紙などないというのが彼女言い分。先生はフツーに紙を渡し、ノアはそれに書こうとする。だがインクがうまく出ないと称し、ボトルインクをペロッと舐めるのである。これを見た先生は驚き、早くペッしなさいと駆け寄る。だがこれこそがノアの狙いであり、先生を驚かせるドッキリだったのだ。一瞬、羽ペンのペン先を舐めたのだと思ったが、間違いなくインクボトルの方を舐めているテキストである。そして、これの本当のねらいは自分の唾液のついたインクボトルチョコを先生に渡すことだったのであろう。しかもノアの攻勢は続き、心からの気持ちを伝えるにはこのインク壺が最適なので、そんな時がきたらぜひ使って欲しいと心に頸木を嵌めるのである。先生がもし誰かを想うことになったら、このインク壺のことを必ず想起するであろうし、そうしたらノアの事が脳裡に過るであろうという仕組み。パフェコミュとしては、ホワイトデーのお返しの時、このインクボトルで文字を書いたお菓子を返礼すればいいのだろうか?プレイヤーの皆様はどう思われましたか?

牛牧ジュリ「少女の気持ちは色褪せない」~ジュリの手作りチョコレート~

例え失敗作だったとしても手作りチョコを受け容れる先生

先天的に料理をうまく作れない少女がチョコだけは何とか手作りしたいと奮闘するも失敗。渡すのを諦め、市販のチョコにするが、先生はジュリが手作りしていたことを察し、彼女の気持ちを解放する話。牛牧ジュリは料理をうまく作ることが出来なかった。当初こそ、初心者にありがちなレシピガン無視やしなくていいアレンジをするかと思われていた。だが先生と料理の特訓をしはじめから丁寧に技術を学んだ結果、ジュリはどうしても先天的にメシマズとなってしまうのであった。絆ストーリーでは、それでも料理に関わることを諦めたくないと強く願い、素材の選定や材料の調達、作物の栽培などに自分の役割を見い出していくという感動ストーリーが展開された。それ故、バレンタインの時にはもう既にメシマズであることは自覚しているのだが、どうしても手作りチョコを渡したいのが乙女のサガというもの。ジュリはチョコ作りに奮闘したのだが、結局は失敗し、食べたら卒倒するチョコが完成したのであった。ショックを受けるジュリは、手作りを諦めて市販のチョコをスーパーで買い、先生に渡す。先生はこれを美味しく食べるのだが、ジュリの雰囲気から手作りに失敗したことを察していた。そこで先生はジュリが手作りを渡せるように優しく問いかけ、彼女の想いを解放するのだ。食べたらゲロマズであるということは分かっている。それでも先生はジュリが作ってくれたことを喜ばしく思い、口に入れるのだ。案の定、先生はぶっ倒れることになるのだが、手作りを味わえて良かったという思いが勝るのであった。

歌住サクラコ「特別な対象」~自らの選択~

サクラコが流行に流されず自分の意志で先生を求める

サクラコ√は一瞬ギャグシナリオになりかけるが、サクラコが奥ゆかしく想いを伝えるエンドとなる。サクラコは自分が信仰生活を送っていることで流行からかけ離れたところにいることを気にしており、ナウなヤングにバカウケな若者文化を学ぼうとするも、いつもトンチキな結果に終わるというのが様式美(その象徴が「わっぴー」だったというワケ)。バレンタインシナリオでもチョコが流行からかけ離れていることをとても気にするのであるが、逆に先生からは流行に惑わされず自分の心を信じるように諭される。先生の説諭を受け、サクラコは心の赴くまま振る舞うことの大切さを知るが、シスターの長であるサクラコにとってそれは中々難しいものがあった。そのためサクラコはひとつのことだけ、心の赴くまま振る舞うことに決める。それが一体何だったかというと、先生のことであった。サクラコは先生に対する想いだけは気持ちに封をするでもなく、流行にながされるわけでもなく、ありのまま捧げることを告白する。最終的にサクラコが先生に対して好意を伝えるグッとくる展開になっており、途中で「エイリアンメガネ」や「チョコタイムダンス」とか言い出した時は、何事かと思った。

浦和ハナコ「多情多感な女の子」~チョコ埴輪~

バレンタインに張形を贈るハナコ。自分に使って欲しいのか、使用済みかで解釈が分かれる

バレンタインの贈り物として先生にチョコで作られた張形をプレゼントするハナコの図。ハナコは変態淫乱女として奇行に走るトンデモキャラとして有名である。だがそれは仮の姿であり、彼女が才女としての自分しか求められなかった結果、耐えきれなくなって「そうなってしまった」姿であった。そのため素のハナコの本質は変態淫乱女とはかけ離れた所にある。彼女は意図的に変態淫乱女を振る舞っているのではなく、自我崩壊を防ぐために取らざるを得なかった姿と解釈するとドラッグ中毒にも似た危うさがある。そんなハナコが自己の弱さを先生にさらけ出すのが、水着ハナコの絆ストなのだが、それを踏まえると、バレンタインのイベストも単なるネタ系ギャグシナリオではなくなってくる。すなわち、チョコの張形を贈ったのは単なるジョークグッズでもないし、ましてや先生に菊紋ファックするわけでもなく、自分に使って欲しいことの表れではないかと推測できる。バレンタインのハナコはいつもの変態淫乱っぷりはなりを潜め、きわめて地を出して素の状態で気高さと優雅さをもって先生に接してくる。その姿と贈り物内容のギャップ差でインパクトを与えているのだ。それを考えると、使用済みの愛液がついた張形を先生に食べて欲しいという解釈もできそう。

円堂シミコ「一緒に食べられるもの」~本のお友~

本と一緒に、カップルで一緒に

サブタイトルがダブルミーニング。一緒に食べられるとは、「本を読みつつ食べられる」という意味と、「カップルと二人で食べられる」という意味が内包されているんだよ!というお話。図書館に呼ばれた先生。本の返却期限の催促かと思いきやさにあらず。バレンタインなので、シミコがチョコを渡したいということであった。シミコがくれたのは本を象ったケースに入れられたチョコ。図書館職員にも大人気なのだという。先生は図書館でチョコを食べて本に汚れがついてしまわないか心配するが、このチョコは特殊コーティングが施されており、食べながら本を読んでも汚れないのだという。そんなわけでシミコの本意は、チョコを食べながら作業しても汚れないので、当直の間一緒にいて欲しいということであった。先生はシミコが言い出せずにモジモジしていたのを見て意図を察し、先生の方から提案してあげる。こうしてシミコと先生は二人で一緒に夜遅くまで作業をし、シミコが寝入ってから寝顔を見守り、毛布を掛けて帰るのである。

大野ツクヨ「バレンタインも、忍者の、精神で……!」~とろけるロップイヤーチョコ~

どうすれば忍者として先生に喜んで貰えるかを考えた結果ロッカーに潜むことにしたツクヨ

忍者らしくチョコを渡さねばならないと吹聴されたツクヨ。先生の執務室に忍び込みアレコレ悩んだ結果、ロッカーに潜むことを思いつく。だが巨体であるツクヨはロッカーに嵌って出られなくなってしまうのだ。外回りの仕事から帰ってきた先生は書類仕事に勤しむのだが、ツクヨが隠れていることに気付けない。ある程度仕事をこなしたのち、ガタガタと音がすることにようやく気付き、ロッカーの中のツクヨを発見する。ツクヨは自分の高身長にコンプレックスを抱いているのだが、今回ロッカー出られないよ事件を起こしてしまったことにより、気落ちしてしまう。さらにはせっかく用意したバレンタインチョコも胸元に抱えていたため溶けてしまっていた。いたたまれなくなったツクヨは逃げ出してしまうのだが、先生はそれを止め優しい言葉で慰める。先生は後でそれを食べるね!と云うのだが、ツクヨは今ここで食べて感想を言って欲しいとグイグイ来る。ツクヨの目の前でツクヨが胸元で抱き締めた体温が残るチョコを食べることに躊躇する先生。だが先生がためらうとツクヨはネガティブムーブに陥ってしまうため、先生は食べるしかなかった。先生に食べて貰えるだけでなく美味しいとまで言って貰えたツクヨは上機嫌。もっともっと忍者として頑張ると宣言して幕を閉じる。

尾刃カンナ「局長のブレンドコーヒー」~「いつもの」コーヒー~

「いつもの」コーヒーだが「主観的感情」が入っているのでチョコの香りがするという体裁

カンナが「いつもの」コーヒーと称して「主観的感情」が入ったという体裁でチョココーヒーを振る舞う話。パトロールの確認のため警察学校に寄った先生。そこにはバレンタインの日でも書類仕事に追われるカンナの姿があった。生活安全局の生徒はイベントのため出動していたが、公安局のカンナにはほぼ関りが無い。そんなわけでバレンタインと言ってもカンナには普段の日々と変わりが無かったのである。だが、興味が無さそうなそぶりをしつつも先生にチョコレートをあげたいと思うのが心情であろう。カンナはいつものコーヒーを煎れると称して、チョココーヒーを出すのである。先生がそれを指摘するとカンナは淡々と見解を述懐。「いつもの」コーヒーであるが、「主観的感情」が入っているので、甘く感じるのであろうと、先生にだけ伝わるような婉曲的な表現を伝えてくる。勿論先生はそれを理解っていながら、わざとカンナの答弁に乗ってあげるのである。こうしていつもの日常と同じように二人でコーヒーを啜る姿が描かれるが、それは絆の深さを物語るものでもあった。と、いうか「いつもの」で通じる程、先生と逢ってるんですね……。

奥空アヤネ「意図していないプレゼント」~砂漠のバラ~

知性キャラなのにドジっ子気質のあるアヤネ、先生に秘めた想いを告白してしまう

妄想癖が強いアヤネちゃんのぶっ飛びアワアワ劇場。メガネキャラでアビドスの知性担当のアヤネ。だが抜けている所もあり、慌てると変な妄想をして暴走してしまうという話。バレンタインの日にやってきたアヤネは、疲弊気味の先生のためにチョコを買ってきたと言って渡す。寝ても疲れが取れないという先生を想って疲労回復のためにと差し入れをしたのだ。だがアヤネはこの日がバレンタインだとすっかり忘れていたのである。そのため期せずして先生へ想いを伝えることになってしまい、アヤネが慌てふためくのである。顔を真っ赤に染めながらブツブツと言い訳を始め、さらには対策委員会の仲間達にバレた時の妄想まで展開してくれるぞ!自分がおちょくられることを予想して恥ずかしがりながらも、マウントを取ることができるからそれはそれでとか言っちゃう。先生は大人としてアヤネを受け容れ、彼女を落ち着かせると、のんびりとチョコレートを食べることにした。

扇喜アオイ「認識の差」~認識の差~

先生に倦厭されていると思っていたアオイが、先生は親しいつもりでいたことを知りキュンキュンする場面が見所!
バレンタインのチョコを渡すために先生を探し回るアオイ。彼女は自分が先生にマイナスの感情を抱かれていると思い込んでおり、日頃からその関係性構築を模索していた。バレンタインのチョコもその一環であり、アオイが持ってきてくれたことが予想外であるという反応を示すと、くどくどと弁明を聞くことになる。アオイから貰ったチョコを嬉しがると、アオイは意外そうにし、そんなに自分と親しかったかしらと問うてくる。このアオイの質問に対する先生の返答がナイスで、「そんなに親しくなかった?」と述べ、先生自身はアオイに対して親しいつもりでいたのだけど…と距離を詰めていく。さらにアオイが悩んでいるような表情を浮かべると先生はさらに天然ジゴロを発揮。優しくアオイに寄り添い、悩みがあれば聞くとアオイをキュンキュンさせていく。先生の接し方を見てときめいている自分に気付いたアオイは皆が先生を慕う理由を知り、防衛戦を張るため一時撤退。トゥンクしたアオイは自分の感情を持て余しながらも着実に先生に惹かれているのであった。

鬼方カヨコ「ロッカーのラブソング」~デズ・ラブ~

これはまだ好感度が低かった時のカヨコ
カヨコが先生にまだあまり懐いていなかった時のシナリオ。今の好感度だったらカヨコが先生にバレンタインのチョコを用意していないわけがないから。またカヨコのヘビメタ好きがテーマとして扱われる貴重なテキストかもしれない。音楽が好きなカヨコは今日も今日とてCDショップに行くが、そこで好きなグループが新曲を出していることを知る。だが意外にもバレンタインをテーマの曲風でありカヨコは驚く。さらにそれだけでなくオマケで巨大なチョコをくれるというのだ。貰ったはいいものの、その処遇に困っていた際、偶然にも先生が登場。カヨコはなし崩し的に先生に貰ってもらうことにし、プレゼントするというのが大まかな流れである。カヨコの絆ストを見ていると、正月カヨコもドレスカヨコも先生への依存度マシマシでありもう既に付き合っているかのような好感度なので、意外にもバレンタインイベストがアッサリしていてビックリ。だが好感度上がっていない状態だとこういう感じだったのカナーと現在と対比する判断材料にもなり得る。だけどやっぱり今の好感度の状態でのバレンタインストーリーも見てみたいね。

霞沢ミユ「RABBIT4、贈ります」~チョコレートバーク~

存在感の薄いミユは自己卑下しがちで、先生に肯定されるとすぐキュンキュンしちゃうの
バレンタインにミユ登場。日頃お世話になっている御礼がしたいということで、チョコレートバークを贈ってくれる。チョコレートを溶かして薄く延ばしフルーツなどをトッピングして冷やして固めて割ったものをチョコレートバークというのだとか。初めて知ったわ~。そんな素敵な贈り物をしてくれるミユだが自虐タイムが始まる。ミユはもっと豪華な物にしたかったのだが素材不足で配給品のチョコに野性の果物を使っただけになってしまい、みすぼらしい物だと自己卑下していく。その勢いは留まることを知らず先生にチョコを贈ったことすら忘れ去られていくんだとウジウジしまくるのである。そんなミユを見ていた先生は、ミユから貰ったチョコレートを貪るように食べ、ミユから貰ったことを忘れることなんてないよと甘い言葉を吐く。そんな先生の姿によってホッコリしたミユは、先生が喉に詰まらせる方が大変だと言って、少しずつ大事に召し上がって欲しいとおねだりする。ミユの自己否定ムーブを自らの身を捧げることで肯定してくれる先生にミユの信頼度も鰻登りである。

風倉モエ「Sweet Logistics」~チョコレートスモア~

もう我慢できない!と先生に襲い掛かったモエだが、出て来たのはチョコスモア
破滅願望のある風倉モエ。先生と一緒に補給品整理をしていたところ、にわか雨に降られてびしょ濡れになってしまう。焚火を起こして暖を取ったが、モエは破滅願望を抑えきれなくなってしまう。男女二人、濡れて透けた衣服、何も起きないわけがなくと伏線を張りまくった上で画面が暗転。先生はモエに襲われてしまったのか!?画面が明るくなると、そこには先生の上で腰を振るモエの姿が!!といったことは全てブラフであり、実際に出て来たのはチョコレートスモアであった。これのどこが破滅なのか訝しがる先生だが、モエが言うにはカロリーがバカ高いのだという。焼き菓子×焼きマシュマロ×チョコレートの組み合わせは食べたら太る事間違いなし!という点で破滅的なのだとか。先生とモエは破滅願望を満たすため、一緒にカロリーMAXなチョコレートスモアを食べるのであった。

勘解由小路ユカリ「両手いっぱいの感謝」~勘解由小路のお守りとチョコ味の駄菓子~

ユカリのアイデンティティ確立~勘解由小路家としての自分・百花繚乱としての自分~
バレンタインストーリー良作シナリオ賞のうちの一つ。ユカリが自分の家名を肯定的に捉えられるようになったことを示す話。ユカリは名家である勘解由小路家の御令嬢であったが、ユカリ個人としての人間性は認められておらず、ただ血筋を引く娘だという身分的ステータスにしか存在意義が無かった。そのためユカリは学園の部活である百花繚乱の中で自分を見い出そうとするが、部活の崩壊の危機により、居場所を無くしてしまった。そのためユカリは単なる傀儡になるしかなく、人間性が磨り潰されていった。そんなユカリを救ってくれたのが先生であり、ユカリは自分という個性を見い出してくれた先生にトゥンクすることになる。アイデンティティを確立できたユカリは、自分の生れである勘解由小路家をもまた肯定できたのだ。さてそんなユカリが先生にバレンタインで想いを伝えるとしたら、勘解由小路としての自分・百花繚乱としての自分、両者から贈り物をあげたかった。それ故、勘解由小路の正装である巫女衣装に着替えると、心を込めたお守りを渡す。さらに踵を返して衣装チェンジし、百花繚乱スタイルでうまい棒チョコ味をプレゼント。このバレンタインイベント自体が、メンストを通して成長したユカリを示す証なのであった。

鬼怒川カスミ「真相は如何に」~チョコサンダル~

サンダルチョコを贈られカスミから足型をとった痕が残っていると言われるとフツーにドン引きする先生
絆ストーリーにおけるサンダルおんぶの恩返し。カスミのバレンタインコミュは分量的にも恵まれておらず瞬時に終わる。追われているからと一目の少ない所で会い、サンダル型のチョコをプレゼントし、足型が残っていると意味深に述べてから風と共に去って終わる。豪放磊落なカスミがサンダルが壊れてしまった時に先生におんぶしてもらったことを大切な思い出にしており、その感謝のために贈ったと捉えると中々素敵なシナリオのようにも感じるが……。しかし足型をとった痕跡が残っているとヒロインが言い出し雰囲気を積極的にぶち壊していくのがブルアカらしさと言えるのかもしれない。先生はそれを聞いて結構ドン引きするのであった。やはり足というとイオリを引き合いに出さずにはいられない。先生はイオリとかお堅い真面目キャラに対し彼女たちを解きほぐすため変態的なセクハラまがいを手段として遂行することがある。だが実際に問題を抱えている生徒たちには真面目に接することが多いので、カスミなどがバレンタインのチョコをサンダル状にしてきて足型をとった痕が残っているとか言われるとぺロペロ~とか言い出さず冷静な対応をするんだよなぁと。あ、イオリの靴墨型チョコは積極的にペロペロしにいきます。

杏山カズサ「慣れないこと」~苺のチョコケーキ~

先生に否定してもらうこと前提に自分がめんどくさい女かどうか聞いて来るほどのめんどくささを誇る杏山カズサ
杏山カズサが自分で自分のことを面倒くさい女だと気付く話。バレンタインの日、カズサは先生に苺のチョコケーキを贈る。彼女はてきとうに選んだとか嘯きつつも、ホントウは色々と悩んで購入したのであり、先生との会話の中で次々と嘘が露呈していってしまう。全然てきとうではなく真剣に悩んでいることが明らかになるのだ!特に普段いっしょに食べに行ったりプレゼントを贈ったりしないとカズサが言い訳をし始めるのだが、カズサはしょっちゅう先生と一緒にケーキ屋さんデートに行ったり、差し入れを貰ったりしていたのである。カズサはしばしば先生とイチャラブしているのに、改まったバレンタインの日になると私には似合わないって分かってるけどさぁーと云う乙女ムーブをしてくるのである。先生の指摘により冷静に自らの行動を振り返ったカズサは自分が面倒くさい女ムーブをしていることを自覚し、先生に訊ねて来るのである。勿論先生に否定しらうことを期待しているわけで、案の定先生からそんなことないよ!と言って貰って安堵するのだ。カズサは最近浮かれ過ぎだったかも自省はしつつも先生のケーキの上のイチゴを勢いよくフォークで突き刺す。二人が一緒にケーキを食べる様子は捨象されてしまっているが、その後の「二人でケーキを食べ終えた後も、カズサの頬はまだ少し赤かった」とあるので、二人が食べさせ合いっこをしたのだということは確定的明らかであろう。

桐藤ナギサ「なので、むしろ」~ナギサの平凡なチョコレート~

ナギサが聞きたくても言わせないようにしていた言葉を的確に紡ぎ出す先生
誰にも知られないように先生を呼びだすナギサ。その理由は政治的意図とは関係なしに先生に感謝の念を示す事であった。ナギサはこれまで政治的立ち位置を利用して優位性を築くために行動して来た。そのため、誰かに見られたとしたら、何がどうあっても、先生にチョコを渡すという行為自体が政治性を帯びてしまうのであった。それ故、ナギサはその束縛から脱し、あくまでも自分の気持ちを伝えたかったのである。ナギサは自分が渡すチョコレートが利権絡みのメッセージにならないよう配慮してわざと平凡なチョコレートを渡すのであった。だがナギサ√では先生の女殺しが光る。ナギサが聞きたくても先生に言わせたくなかった言葉を的確に紡ぎ出すのだ。それはティーパーティーやトリニティとは関係なく、ナギサ個人にあったことにしておくという囁き。ナギサはそれを聞き嬉しく思いながらも、結局は政治的な立場を利用していることに繋がるため自己嫌悪に陥るという複雑な心境を抱くのであった。

桐生キキョウ「作戦参謀は負けたくない」~作戦参謀のチョコレート~

「あんたのためだけに」という台詞からもキキョウの重い愛が分かる
キキョウは先生にチョコが欲しいと言わせたい!そのために練られた壮大な作戦が展開される。キキョウは百花繚乱の正式な仕事として先生を呼びだすことに成功。だが電話を切り忘れており、キキョウがチョコを準備していることは筒抜けであった。キキョウの依頼は百鬼夜行におけるバレンタインイベントの手伝い。先生とキキョウは息を合わせて催し物を回していき、無事に成功を収めて地域住民から感謝される。キキョウはバレンタインのイベントを先生に体験させることで、チョコが欲しいと言わせようとしていたのである。だが誠実な先生は依頼に専念し、チョコが欲しいとは一言も言い出さず、真面目に仕事をこなした。子どもたちからも大人気でありキキョウからは「子供の面倒を見るの、性に合ってるんじゃない?」(=先生との子どもが欲しい)と言われる程であった。さらに先生はキキョウの役に立ててうれしい、また頼ってねと優しくキキョウに微笑みトゥンクさせるのだ。キキョウは先生にチョコが欲しいと言わせたいのに、却って自分の方がトキメキを感じていき、作戦が失敗に終わったことを悟る。結局はキキョウの方から作戦を全てネタ晴らしすることに。そんなキキョウに電話切り忘れの件を伝えると、先生がチョコを貰えるのを楽しみにしてきたとポジティブに解釈し、チョコを渡してくれる。無事にチョコを渡せたキキョウであったが、渡した後も大変で、こうしているのも恥ずかしいと述べ、感想をA4用紙10枚レポートで求めるのであった。

栗村アイリ「悩んだ末に」~ペニーロイヤルチョコレート~

チョコミン党であるアイリは厄介ヲタクのように早口で説明し出す
チョコミントヲタク。シナリオの冒頭ではラブコメっぽい雰囲気を漂わせるが、全てをチョコミントが持っていく。アイリはバレンタインでアレコレと悩むのだが、結局はいつものようにチョコミントとなる。このことについて先生は色々と考えてくれて嬉しいと返すのだが……。ここから始まるチョコミン党。なんとアイリはスイッチが入り、フツーのチョコミントではないことについてベラベラと喋りだすのである。こ、これがヲタク特有の早口というやつか!自分の興味のあることにだけ突如饒舌になり、相手が理解しているとか興味があるとか全部すっ飛ばして、喋りたいだけ喋るという奴。アイリはいかにプレゼントしたチョコミントが凄いのかを喋り散らかすのであった。チョコレートとミントの比率の話から始まり、普通なら食べられないペニーロイヤルというミントに特殊製法が施してあるとか何とか、捲し立てるのである。先生の理解を置き去りにして喋りたいだけ喋り、最後に「ね、すごいと思いません?」と圧をかけてくるのである。やっていることが厄介ヲタクとまるで同じのアイリさん。放課後スイーツ部で一番ヤヴェーのはアイリなのかもしれない。

黒崎コユキ「全力で道を探す少女」~シークレットメッセージ~

チョコを割ってみると中には手紙が!
キンダーサプライズなチョコエッグよろしくチョコの中にメッセージ用紙が入っているという仕込み。ある時、先生の執務室に贈り物が届く。送り主はコユキからであり日頃の感謝が綴られていた。だが早くチョコを食べるようにとの指示があり何かがおかしい。早速食べてみると、キンダーサプライズよろしくチョコの中にメッセージ用紙が入っていたのだ!読んでみると、コユキはまた悪さをしたために監禁されているので、助けて欲しいとのこと。先生はコユキの下へ赴き脱出させてあげることに。先生はコユキに手作りかどうかを聞き、コユキはそれを弄られて照れたりするのだが……。いや待てどうやって監禁部屋から先生に手作りチョコを贈ったんねんという疑念が生じるのだが、突っ込むのは野暮というものなのだろう(一応絆ストではあまりにも懲罰房送りにされまくったコユキが部屋をカスタマイズしていたという描写はあるので、チョコを作れる設備自体はあるのかもしれないが……)。助けて貰ったコユキは先生といると恩恵を受けられるので仲良くしてくださいねとメスガキ的に微笑むが、結局ユウカたちには筒抜けであったというオチになる。

黒舘ハルナ「より苦く、より甘く」~美食の証明(抹茶味)~

甘味は想いの深さの比喩との仮説を立てるハルナが自分の好意を自覚するシーンがおススメ
先生に対する想いを甘味で表現するため、先生と一緒に抹茶チョコレート作りに挑む話。想いが深ければ深いほどチョコが甘く感じられるという仮説を立てるハルナだが、それ即ち先生のことが大好きだということを暴露してしまっていることに他ならない。完成したチョコがとっても甘い仕上がりであったことから先生への好意を自覚して顔を赤らめるというハルナが大変素晴らしい!ハルナ√のテーマは美食とは美味しいものを大好きな人と一緒に食べることであった。どんなに美味しいものでも、嫌いな人や不適当なロケーションで食べれば不味く感じてしまうだろう。こうして単なる味だけでなく感情と美食の関係に意味を見い出していくのがハルナ√の醍醐味。ではバレンタインではどのような展開になるのかというと……。先生の口に抹茶チョコを捻じ込んだハルナは苦みが甘味を引き出すことを説明しながら、想いを込めれば込める程、チョコは甘く感じられると持論を展開、先生をチョコ作りに付き合わせる。こうして始まる先生とハルナのクッキングタイム→壮絶な調理を乗り越えて、ハルナは究極の抹茶チョコを完成させる。そしてそれは大変甘く感じられるものであり、先生はハルナの想いの深さを指摘する。ハルナが自分の好意を自覚して真っ赤になるシーンがとても可愛いね。そしてハルナは自分の恋心を「(一等好きな御方と向き合っている時のこの気持ち、この突き上げるような感覚……そしてその感想から再び生まれる、この甘さは……)」と噛み締め、昂揚を抑えきれなくなるのであった。

黒見セリカ「ふたりっきりの打ち上げ」~共にする時間~

先生にワシャワシャされた際、性感帯に触れられ甘イキしてしまうセリカ
バイト戦士セリカのバレンタインバイトデート大作戦。バレンタインの日、セリカは超有名店のバイトを入れ、それを先生に付き合わせて労働に励む。彼女が先生と一緒にその店でバイトをしたいのにはワケがあった。その店はバレンタイン用の超人気チョコレートケーキで有名なのだが、バイトをするとオマケで貰えるのである。バイト代に加え時間外手当とチョコレートケーキを手にしたセリカはホクホク。先生もバイトしたなら先生もケーキ貰えるのでは?と一瞬脳裏をよぎったが気にしてはいけない。セリカは先生に褒めてもいいのよと訴え、頭ナデナデをしてもらうことに。いやこれは撫でるのではなくネコをワシャワシャとやるやつやな。先生の手でワシャワシャしてもらったセリカは思わず快感を覚えてしまい、性感帯に触れられ甘イキしてしまう。それでも人目があるのでセリカはストップをかけるが、別に嫌ってわけじゃないんだけどと本音をもらしてしまう。それはさておき、セリカのねらいは貰ったケーキを先生と一緒に食べることにあった。セリカは「二人だけで」という部分をやけに強調しながら、先生と甘い時間を過ごすことになった。二人で一緒に働いた苦労と喜びが味を引き立てるとフレイバーテキストでも述べられている。

桑上カホ「戦略リーダーの恩返し」~戦略リーダーのチョコレート~

恥ずかしくて渡せないチョコを仕事にかこつけて渡そうとしたことを自責するカホを優しくケアする先生
バレンタインに先生を招いたカホ。先生は手伝いをする気マンマンで来たのだが、そうではないと言われ、バレンタインに思い至る。だがここでカホは変に照れてしまうのだ。心の準備が出来ていないと自分に言い訳し、仕事で先生に渡す広報グッズの説明をしてチョコを渡すのを先延ばしにしてしまうのである。だがしかし広報グッズはどれもチョコレートをモチーフにしたものばかり。バレンタインなので当然でもあるのだが、これを見たカホは良心の呵責に苛まれる。自分は仕事にかこつけてチョコを渡そうとしており誠実ではないと罪悪感でいっぱいになるのだ。追い詰められたカホはとうとうチョコを渡す覚悟を決める。そんなカホに先生は優しくチョコを貰えて嬉しいと述べ喜びと感謝を表す。それでもカホの自責モードは続くのだが、先生はこれに対しても優しくケア。気持ちを伝えるのは難しいからねとフォローを入れる。こうして先生に優しくされたカホは幸福に包まれ、チョコに込めた自分の気持ちも伝わりますようにと先生に微笑むのであった。

剣先ツルギ「あの日読んだロマンチック」~アマンド・クリムゾン~

これは立ち絵の中で比較的可愛かった表情差分
ライターさん……何というか、もうちょっとマシな脚本を書けなかったものか。ブルアカバレンタインシナリオはヒロインごとに与えられているシナリオが優遇されているかそうでないかが分かれているが、ツルギ√の不遇っぷりよ。先生はツルギと約束した教室に赴き彼女を待っているのだが、突如奇声を上げながら現われ、百面相で試行錯誤し去って行き、またもや奇声を上げるというモノ。訳が分からないよ。さらにはバレンタインも渡す事すらできず、ツルギが去って行った後、落としていったチョコを先生が拾い、それで終わりとなっている。ツルギ推しの人がちょっと可哀想かもしれない。好意的に解釈すれば、バレンタインを前にしてそれ程テンション上がってしまったということか?せめてもの救いとなっているのが、フレイバーテキストで「可愛らしい赤いリボンが結ばれており、おそらくお店側で付けたリボンではない」と記されており、ツルギの恋心の一端を窺うことができる。

古関ウイ「二人きり」~しっとりめのチョコクッキー~

ウイ√は立ち絵の表情差分が素晴らしいよね!キモヲタニヤケ顔からの恥じらいが良い演出
バレンタインの日、先生に古書館に来てもらうウイ。彼女は普段から本を愛しており、なるべく粉や滓がでないような贈り物を選び先生をもてなそうとする。先生からバレンタインについて聞かれても、基本的にはイベントを客観視し、チョコがどうこうよりも雰囲気を楽しむものだと分析。だが翻って我が身のことを鑑みると、バレンタインの日にいそいそと先生を出迎えており、自分もまたキャーキャー言う女子生徒の一人にしか過ぎないと知る。さらには普段から愛してやまない本たちを片付けてまで先生と向き合ってひと時を過ごすことに喜びを見い出している自分を知る。こうしてウイは柄にもないことをしていることを痛感し恥じ入るのだが、肝心の先生は余裕の表情である。それがウイにとっては頼れる大人として信頼できる証でもあるのだが、それでも何も同様しないのは不平等じゃぁございませんか?と、いうことでウイは積極的な攻勢に出ることに。突如隣に座って身を寄せることで先生をドギマギさせるのである。「私だけ……う、浮ついている、みたいじゃないですか……。」→先生の隣に座り身を委ねる(先生は動揺)→「……良いですね。珍しい表情が見られました。これでお互い対等、ということで。」と先生に急接近していくのだ。特に「……いえ、お気になさらず。私が落ち着かなかっただけですので。」のセリフの際の立ち絵の表情の差分変化は秀逸と言え、キモヲタ特有のニヤけた笑いが大変素晴らしい表現になっている。その後もウイは照れたり頬を染めたりと多用な表情を見せてくれる。立ち絵だけでこんなにもウイの感情表現を演出しておりブルアカバレンタインストーリー良作選のうちの一つとなっている。

近衛ミナ「大事なもの」~玄龍門の文様をしたチョコレート~

自分自身で文様を粉々にしてしまって慌てふためくことになるポンコツなミナ
これもまたポンコツキャラであるミナのバレンタインおっぺけぺ物語である。先生に自分の一番大切なものをあげたいミナは試行錯誤し、それは自分が所属している玄龍門だということに思い当たる。そのため玄龍門の象徴してその文様をチョコにデコり、先生に贈ろうとしたのである。だがミナは玄龍門の文様に傷がつくことを良しとせず、そのまま一口で食べろというのだ。そしてそのチョコはデカかった。無理だという先生に対して自分が見本を見せようとするミナだが勢い余ってチョコは砕けてしまう。謎のコダワリを見せたが故に、収集をつけられなくなってしまうのだ。そんなミナに対し、バレる前に二人で食べてしまおうと共謀を持ち掛けることで問題を解決する。ミナは先生の提案に乗り、二人でチョコをぺちょぺちょと貪り合うのだった。ミナの意図はともかくそれは二人で肩を寄せ合いバレンタインを過ごす一コマであった。

獅子堂イズミ「最高のチョコレートを作る方法」~すごく!おいしい!!チョコレート!!!~

意外にもゲテモノ料理が美味しく仕上がり、ハッピーな幸せエンドを迎えたイズミ
暗闇の中、先生と一緒に忍び込むイズミ。彼女はバレンタインの日に最高のチョコを先生と一緒に食べたいので、チョコを作りに来たのだ。言っていることは殊勝なのだが、彼女はゲテモノぐらいという悪食があった。案の定、今回も醤油にドリアンに鯛という奇抜な組み合わせでチョコを作っていく。しかし彼女の想いは本物であり、先生に食べて欲しいという気持ちを込めて作ったのであった。ゲテモノではあるが、その想いを無視できない先生は、ままよとチョコを口にする。ところが意外や、意外!なんとゲテモノかと思われしチョコは美味しかったのである!先生はグルメ漫画の如く食レポを始め、その美味しさをイズミに伝えると、彼女は心から喜ぶ。「やったー!」という素朴なテキストから溢れ出るイズミの先生への思いは一見の価値アリ。さらにイズミは「あーん」で先生にチョコを食べさせており、ハッピーバレンタインの幸せな時を過ごすのであった。

静山マシロ「狙撃手のチョコレート」~レーションD型~

非常食用ハイカロリーチョコのコンセプトへの忠実さを「正義」とするマシロ
先生に倉庫整理を手伝ってもらうマシロ。その御礼に倉庫の不要物をくれるというのだが、マシロは偶然にも非常食用のチョコを見つける。そのチョコは砂糖とオーツ麦を混ぜて作られており、小さいのにカロリーバカ高であった(フレイバーテキストではオーツ麦とココアパウダー)。体重を気にする上司のハスミが聞いたら卒倒してしまいそうだ。それでもマシロは機能美を絶賛。非常用チョコの元来の目的は元気にすることなので、この非常食はとても利に叶っていると言う。そしてそのコンセプトへの忠実さはまさに「正義」であると評するのだ。このようにマシロの「正義」を象徴しているのが非常食チョコであり、だからこそこのチョコ(=自分の正義)を受け取って欲しいと論じるのだ!こうして先生はマシロからハイカロリーチョコをゲット。ちなみにこのチョコは「レーションD型」というそうで、「正義のためならばその圧倒的なカロリーもマシロは恐れない。」とある。

下江コハル「そんな風に食べないで!」~ラブリー・クロスライン~

チョコの模様が自分の身体と似ていることに気付き、凌辱されていると思い込むコハル
ブルアカ変化前シリーズ。これは初期の性格が悪かった頃の片鱗を残すコハル。下江コハルは性に潔癖な風を装いながら、人一倍性に興味津々なお年頃であった。そのため色々なことを性的なものに結び付けては過剰反応するので「エ駄死」という二つ名を得ていた。今でこそプレイヤーから愛されているコハルであるが、補習授業部との交流で穏やかになる前は、あまり褒められた性格では無かった。バレンタインストーリーもその名残を残している。コハルは先生に、白地に黒の十字模様のチョコを贈るのだが、イキナリキレ散らかし始める。なんとコハルは自分が贈ったチョコの模様が、自分の身体に似ていることを連想し、自分が食べられていることを妄想し始めるのである。これは酷い。皆様も御存知のようにコハルには身体に謎の線が入っており、それがチョコに見立てられていると考えたのだ。そしてそれを公衆の面前で食べられているので、公開露出プレイをしていると思い込んだわけ。それで先生に対して罵詈雑言を吐いて来る。自分で贈っておいてそりゃないだろうとツッコミを入れそうになるが、それこそがコハルなのである!!「バーか!お粗末様!!死刑だ死刑っ!!」

下倉メグ「温泉卵?」~温泉卵チョコレート~

試作品を作るという発想が無く味見もせず一発勝負でチョコエッグを渡す下倉メグ
「先生は賢いね!」を連発することでお馴染みの下倉メグさん。自分は温泉に関わる事しかできないと言い、バレンタインのプレゼントもそれに準ずる。メグが贈ってくれたのは温泉卵をモチーフにした卵型のチョコ。キンダーサプライズのチョコエッグみたいなものか?その割にメグは剥いて剥いてとオネダリするので、形式がイマイチ良く分からない。有識者の方がいたら解説お願いします。それはそれとして、先生はさっそくチョコエッグを食べ美味しい美味しいと述べるとメグは喜ぶ。作ったのは先生へのプレゼントだけで味見をしておらず、試作品を作る発想が無かったとのことで、ここでもメグは先生を賢い賢いという。いや、いくらなんでも馬鹿キャラにされ過ぎてないか?その後、メグのために先生は一緒にチョコエッグを作ることになり、大量に作りすぎてしまったオチとなる。

錠前サオリ「ギディバのチョコレート」~ギディバのチョコレート~

バレンタインは最高級のチョコじゃないといけないと騙される錠前サオリ
錠前サオリさん、悪徳業者にいつも騙されて搾取されてしまうパターンの一つ。単純な戦闘能力は高いが、裏家業で生活してきたため一般常識に疎く、いつも嵌められて残念な結果に終わってしまうのが様式美と化している。そんなサオリはバレンタインイベントでも、騙されてしまい、最高級のチョコレートを贈らねば意味がない、安物では却って不快にさせてしまうと吹き込まれてしまう。そんなわけで最高級チョコを買うために危険な依頼を受けてボロボロになるサオリ。なんとかチョコをゲットできたものの血だらけになりながら先生の前に現れる(この状態でチョコレートショップに入ったのだろうか?)。サオリの無残な姿を見た先生は彼女を騙した悪徳業者に怒りを覚えて憤慨する。先生に本当のバレンタインのイベントを教えて貰ったサオリは手作りしてこなかったことを残念がるが、先生は気持ちが嬉しいと述べてサオリと一緒にチョコを食べる。サオリは何とか更生しようと思っており、これからも迷惑をかけるが今後もよろしくと前向きな姿勢を見せる。いや、先生、サオリがここまでいつも騙されてしまうなら、仕事を斡旋するか職選びの際に一緒に選んであげるかしてあげて!

白洲アズサ「スカルマン、変身!」~バレンタインの聖者スカルマン

先生と一緒にいてもらう約束をするアズサ
先生がアズサのスカルマンになる話。白洲アズサは軍人上がり。除隊した後も何にでも軍人として捉えてしまう癖が抜けなかった。そのためバレンタインにおいても人目を気にして隠密行動に出る。先生に俗世ではあまり気にしなくても良いと言われるが、バレンタインの日を二人きりで過ごしたいという思いもあり、先生をひとけのない所に呼び出したのである。アズサが自分の言動から先生と静かな場所で二人に成りたいと漏れ出てしまっているところが可愛いね。アズサが渡したチョコは彼女のお気に入りであるキャラクター:スカルマンの関連商品。限定品で貴重だが、だからこそ先生に渡したかったのである。いずれ形が無くなるものであるから先生に食べて欲しい。故にアズサは自分の大切なものを先生に贈るのだが……。それを聞いた先生はなんとその場ですぐに貪り食らってしまうのだ。流石にこれにはアズサも憤慨し、もう少し鑑賞してからでもいいだろうと述べるのだが……。先生はスカルマンチョコを食べたことにより、自分がスカルマンになり、このチョコは永遠になったのだと返す。この先生の返しにアズサは少し唖然とするが、すぐに真意に気付いて笑い出す。先生はアズサの軍人時代の思考を癒そうとしているのだと。こうしてアズサは自分のスカルマンとして先生にずっと一緒にいてもらおうかなと約束し、人目を気にして隠れるのではなく、堂々と二人でイチャラブするのであった。

銀鏡イオリ「靴墨とチョコレート」~ショコラ・デ・ゲヘナ

先生を罵倒しながらも、とても嬉しそうなイオリ
個に応じた指導をする先生シリーズ。風紀委員会は基本的に気真面目であるため先生は彼女たちとコミュケーションを図る場合には一風変わったリアクションを取りがち。特にイオリに対してはhentai的な行動に出やすくプレイヤーたちからは一目置かれている。イオリは生真面目で優秀だがここぞという時に失敗したりツンデレ気質を持っていたりする。そんなイオリに対して先生は彼女が地を出してストレス発散できるように、わざと彼女の性的な魅力に昂奮している様子を見せるのだ。具体的には執拗にイオリの脚について昂奮するような素振りを見せ、舌でそのハリのある艶やかな皮膚に触れるのである。先生にこのように振る舞われることで、イオリは感情をあらわにしてそれをぶつけることができるというワケ。イオリが自分でも理解していない心の奥底にある欲求を先生は汲み取っているのである。バレンタインイベントでは靴墨型チョコを用意したイオリが先生に舐めてみる?とからかいを仕掛けて来るのだが……。なんと先生は舐め始めるのである。勿論これはチョコであるため問題は無いのだが、イオリは焦って先生を想う言動をしてしまう。さらに先生の攻勢は続き、靴とか靴墨が好きなわけではなく、あくまでイオリの靴とか脚が好きだと答えるのだ。この時イオリが顔を赤らめながら「何それ、気っ持ち悪……。」と嬉しそうにトゥンクする場面が最大の見せ場となっている。この後もイオリはツンデレを発揮し素直に渡すことが出来ず、先生が舐めてからと言い訳をしつつ、チョコをくれるのであった。最後にはツンデレお約束の勘違いするなよも装備している。

砂狼シロコ「街での遭難」~ライダーの間食~

低血糖で動けなくなった先生にエナジーバーを渡すシロコ
先生はアビドス学園に向かう最中、間違った駅で降りてしまう。ここでフツーなら地図検索しろよとかツッコミが入るのであろうが、我らが先生はまるで気にしない!ズンズン進んで迷子になってしまう。途方に暮れる中、偶然シロコが通りかかり、拾ってもらうことになる。先生は疲弊しており脚に力が入らずこれ以上歩くことすらできなかった。そんな時にシロコがくれたのがライダーのエネルギー補給用のチョコだったのだ。フレイバーテキスト曰く「ナッツが練りこまれており、一口かじればすぐに元気が体の隅々までいきわたる」という優れものらしい。これにより先生は復活し、シロコに連れられてアビドスに行くことが出来たのであった…というのがシナリオの大まかな流れ。先生ェ…と思ってしまうが、そういえばVol.1の冒頭もシロコに介護されて出会うんだよなぁ…と懐古していたら作中でもそのことに言及しており、シロコが先生との初めてを思い出すというギミックになっている。そしてシロコは支え合えるのは嬉しいと自分が先生の役に立てることに喜びを感じ、末永くよろしくとこれからの将来に誓いを立てるのだ。流石はシロコ、メンストでヒロインを張った女だ、面構えが違う。本当にシロコは末永くよろしくされちゃってますしね。

春原ココナ「不器用なバレンタイン」~不器用な手作りチョコレート~

パラノイアの如く過剰反応し何にでも敵意を剥きだしにしてしまうココナ教官
これもまた手作りチョコをあげたいのに手作りと思われたくない少女のパターン。ココナちゃんの働く保育施設にやってきた我らが先生。そこにはバレンタインの日のおやつとして園児に配るチョコがあった。行事の楽しみを子どもたちにも与えようというココナちゃんの粋な計らいを先生は褒め「さすがココナ教官」という。だがココナちゃんは普段からちゃん呼びされることを極度に嫌い、事ある毎に「ココナちゃんじゃないですココナ教官です」を連発していたので、ここでは自ら逆のことを言ってしまう。「ココナ教官じゃないです、ココナちゃんです」のセリフにはプレイヤー一同思わず吹いてしまったのではないだろうか。そんなココナちゃんは全ては先生の意地悪のせいにして罪を擦り付けようとしてくる。その後、ココナちゃんは子どもたちに配るおやつのついでとして先生にチョコを渡すのだが、不器用な包装であり自分でラッピングしたことはバレバレ。それでも手作りではなく市販のものだと言い張り、先生がその場で食べようとしても執務室に戻ってから食べるように命令し、頑なであった。ココナちゃんって不器用なキャラクターとして造形されているためか、反抗期真っ只中という感じで何にでも反発することでしか自我が保てないようなキャラになっちゃってるよね。それを魅力として受け入れられれば良いのだろうけど、世間での人気を考えると推して知るべしかもしれない。

鷲見セリナ「慣れた様子で」~ビー・ウィズ・ユー~

セリナが守護霊のように24時間傍に侍っていてもまるで気にしないどころか受け入れている先生
神出鬼没で24時間先生の下に現れるセリナ。すっかりコタマ、ノドカと共にストーカー三銃士として板についてきたわけだが、慣れとは恐ろしいもので先生もまるで気にしなくなってきている。バレンタインの日、お忍びでやってきたセリナはチョコを置いて帰ろうとするが、先生に勘付かれてしまう。セリナはお得意のステルス性能で隠れていたが、先生は姿が見えぬが話しかけ、隠れなくても大丈夫だよと優しく声をかけ正体を現しやすくしてあげる。姿を現したセリナは、言い訳を述べた後、バレンタインデーですからと付け加える。そしてすぐに自白し、バレンタインの方がメインだと申し訳なさそうに告げる。謝罪するセリナに対して先生は座るように促し飲み物を入れてあげ、落ち着いた雰囲気を醸成する。セリナは自分がストーカーをしているのに、先生がすっかり慣れており、何も気にしていないことについて疑問を投げかける。この後の先生の答えがパーファクトコミュニケーション。セリナのストーカー行為は「私のためにしてくれてるって、分かってるから。」とこともなげに返すのである。さらにセリナの栄養たっぷりチョコを美味しく食べたあと、さらに追撃発言をして、カンストしきっている好感度をさらに爆上げする。普通にエントランスからでも大丈夫だよとセリナを受け入れ、さらに日頃セリナが支えてくれていることへの感謝とチョコを貰って嬉しかったことを告げるのだ。セリナは自分が受け容れられたことに喜び微笑むと、先生に無理をしないでくださいとねぎらい、いつものように去っていくのであった。先生のセリナへの愛情が描かれたテキストである。

空井サキ「眠気対策?」~補給品のチョコレートキャラメル~

ハイパーツンデレ空井サキのツンデレバレンタイン
ハイパーツンデレタイム。バレンタインの日に当番生徒になったサキ。彼女は眠気対策にかこつけてチョコキャラメルを渡そうと画策していた。そのため何度も何度も先生に対して眠くないか?と聞いて来るのである。だが普段はお疲れの先生もなんとこの日はグッスリ睡眠をとれており、いつになく元気であった。そのため昼食後に満腹中枢を刺激されても、休憩中にドキュメンタリー番組を見ても眠くないと答える。さらにサキはクラシック音楽を作業用BGMにして眠くないか?と聞いて来るので、あまりにも不自然に思った先生は眠くなってきたかもと答えてあげるのだ。優しいね。これを聞いたここぞとばかりに、軍隊で眠気覚ましに食べられているチョコレートキャラメルを提供!作るのがお手軽で、カロリーも糖分も摂取でき、口の中で転がせるので眠気対策にうってつけとおススメしてくるのである。サキにしてみればナチュラルにバレンタインのプレゼントを贈りたかったのであろうが、先生はしっかりとその旨を聞いて来る。すると我らがツンデレサキちゃんは必死になって否定するのでバレンタインの贈り物であることはバレバレだという寸法さ。たまたま時期が被っただけと頬を染めながら主張するサキは、ラストには「勘違いするんじゃないぞ!」とテンプレ的ツンデレ台詞で締めくくってくれるのである!!

空崎ヒナ「それでも伝えたくて」~ヒナの手作りチョコレート~

ヒナに対して先生はおどけながらグイグイ行くがそれが最適解だったりする。
ヒナに対してはおどけた感じで食い気味になる先生の図。ブルアカの先生は個に応じた指導を尊重しており、生徒たちへの対応を適切に変えていく。ヒナは責任感が強い仕事人間であり、同年代の生徒に対しては(どんなに信頼していたとしても)頼ることができない不器用さを持つ。彼女に必要なのは、頼りがいのある優しい大人であり、しかも肩ひじ張らずに気楽に付き合うことのできる安心感を与えてくれる男性であった。そのためヒナ√の先生は、やたらおどけているし、ヒナの行動に対しては食い気味にフンフンする。バレンタイン当日の夜に人目を忍んでやってきたヒナが、誰かに見つかることを懸念していると、先生はヒナを抱き締めて他人の目から守ろうとする(壁ドンとも解釈できる)。またヒナが作ったチョコはお世辞にも見栄えが良い物では無かったのだが、先生はヒナがくれた!ヒナの手作り!と過度に喜び狂喜乱舞するのである。これを見ていたヒナはすっかり緊張が解け、不安になっていた自分にサヨナラする。ヒナ√の最高潮は「ふふっ、そういえばこういう人だった……。」という台詞に全てが集約されているであろう。一見すると、先生の人格が解離性同一性障害のようにも思えてしまうが、ヒナにとってはこれがパーフェクトコミュニケーションなのであろう。おどける先生を前にしたヒナが同年代の前ではけっしてなれない自然体になれたシーンが感無量である。

小鳥遊ホシノ「チョコレートの海」~海のお友達~

海洋生物チョコセットの中からお気に入りのクジラを先生にプレゼントするホシノ
海洋博物館デートの話。ホシノとパトロール中、小さな海洋博物館を見つける。ホシノは海洋生物が大好きであったため、二人はそこで楽しい時間を過ごす。静かに目をキラキラさせていたホシノとそれにきちんと気づいてあげられる先生という構図がいい味出している。ホシノは昼行燈を気取っているため自ら何かをしたいという意欲は隠されている。そんなホシノが興味惹かれるということは珍しいことであり、それに先生が応えるという点に二人の関係性の深さが感じ取れるのだ。またミュージアムショップには、館内展示の生物たちをモチーフとしたチョコセットが売られていた。流石に鯨は展示されていなかったが、なぜかセットの中には入っていた。鯨が大好きなホシノはこれを買い求めるのだが、なんと肝心のクジラチョコを先生にプレゼントするのだ。それは何よりものホシノの愛情の証。ホシノの一番愛着がわくのは事実だが、だからこそ先生に貰ってほしいという台詞がそれを表している。フレイバーテキストではクジラの巨大さをホシノは気に入ってると言及されている。ホシノにとってのクジラのような存在が先生なのかもしれない。

丹花イブキ「二人だけのヒミツ」~イブキが作ったチョコプリン~

お母さん(イロハ)の言い付けを守って良い子にしている娘(イブキ)に息抜きの道を教えるお父さん(先生)の図
規律あるお母さんの言い付けを守る良い娘に息が詰まらないよう世渡りの秘訣をコッソリ教えるお父さんの図。バレンタインの日、執務室を訪れたイブキ。なんとこの日の意味を知り、先生のために激甘チョコプリンを作って来てくれたのだ。先生に食べて食べてと促すが、その様子を物欲しそうにじっと見続けるイブキ。彼女もまたチョコプリンを食べたかったのである。だが躾が行き届いている良い子のイブキは、先輩の言い付けを守らなければならないという内面的規律により、晩御飯の前だからとけっしてチョコプリンを食べようとしない。このように母親の命令に縛られるだけの生活を送っていたら息が詰まってしまう。そんなわけでお父さんは上手な世渡りの秘訣を教えるのである。先生はコッソリとちょっとだけ食べようとイブキを誘い、ただただ言い付けを守ることだけが全てでないと教わるのであった。お父さんとお母さんはなぜいるのか。それは一人だけしかいないと考え方の枠組みは狭まるからである。お父さんがいて、お母さんがいればその思想や考え方は相対化され盲目的にはならず、自分の頭で考えて選択する余地が生まれるのだ。こうして先生とイロハでイブキの子育てをしている様子が垣間見られるシナリオであった。

千鳥ミチル「それはまるでラブコメのように」~忍術研究部のバッジ型チョコレート~

根暗陰キャ忍者ヲタクのラブコメシチュ動画撮影にかこつけてチョコを渡すぞ大作戦
根暗陰キャヲタクの涙ぐましいバレンタイン失敗談。パッと見では明るく快活なミチルだがそれは内弁慶であり、本質的には根暗陰キャヲタクであった。バレンタインも素直に渡すことが出来ず、運営する動画共有サイトのバレンタインネタ動画撮影にかこつけて渡そうとする。ここでミチルが選んだのは王道ラブコメ忍者シチュエーション。数多のラブコメのテンプレイベントを用意して来たミチルは、さり気なく渡そうとするのである。だが正面衝突イベントもお粥看病イベントも死亡フラグ桜の木の下タイムカプセルイベントも悉く失敗するのである。そして先生が飲み物を買いに行った隙に声を上げて嘆くのだが、それをバッチリ聞かれてしまっている所までが様式美。先生は最初からミチルの狙いに気付いていたのである。そんな先生にミチルは私の独り相撲を見て笑ってたんでしょと憤慨するが、最終的にはヤケクソになり直接チョコを渡して自分の気持ちを伝えるのであった。上手くいかなかったことでミチルは気落ちするも、こうした失敗を含めて自分なのかもと思い直す。そして結果的にはバレンタインの日に先生とイチャラブをして過ごせたのだしめでたしめでたしであったのだが、最後に先生がダメ押しをしてしまう。二人で夕焼けを見ながらバレンタインを過ごすロマンティックさを指摘すると、恥ずかしくなったミチルは逃走していくのであった。

月雪ミヤコ「SRT、補給します!」~チョコを用いたキャロットケーキ~

隊員たちのためにチョコキャロットケーキを作るミヤコ
ミヤコが普段軍用チョコしか口にできない隊員たちのためにチョコケーキを作る話。シャーレの調理実習室を借りに来たミヤコ。他の隊員には知られたくないとのことで、先生のためにチョコを作るのかと思いきや、彼女はそんな自分一人のことだけを考えるような人物ではなかった。ミヤコは隊員たちのことを慮っており、普段甘味を取れる機会が少ない皆のために、自ら手作りケーキを振る舞おうとしていたのだ。一瞬でも湿度が高そうなことを考えてごめんよぉぉー!としか言いようがない。そんなミヤコだが隊員と先生の分は作ったものの、自分の分は作らず調理中に味見をしたとして済ませてしまうのだ。これを見た先生は当然の如く自分の分を一緒に食べようとミヤコを誘う。ミヤコは遠慮するのだが、先生は自分がミヤコと食べたいんだ!とフォローし頑なな心を解きほぐして甘い時間を過ごす。・・・流石にミヤコがわざと自分の分を作らず、先生が誘ってくれるだろうことを期待したいんだじゃないよね?先生に「私が一緒に食べたいんだ!」と言わせるための策略と解釈するのは流石に穿ち過ぎだよね!

槌永ヒヨリ「すべてと引き換えに?」~オール・トゥ・ユー~

集めていた古雑誌を全て売り払い先生のチョコを用意したヒヨリ
自虐的自己卑下ムーブをするが中身は大変厚かましいことで定評のあるヒヨリ。バレンタインで先生を呼びだすも、早速自分の事を扱いに困る古いスマホとか自虐に走る。さらにはバレンタインというものは口実で、相手へあんなことやこんなことをするための日だったなんて…とかのたまい先生を慌てさせる。この後、先生はうまく話題を元に戻しヒヨリは先生にチョコを贈る。彼女のプレゼントは袋に入った小さなチョコであった。先生はこのチョコの費用をどのように捻出したのか訊ねるのだが、なんとヒヨリは自分が大切にしている古雑誌を売り払ったのだという。サブタイの文字通りすべてと引き換えにチョコを買ったのであった。ヒヨリ√のハイライトは「それに……一度くらいは、先生に何かを差し上げたかったといいますか……。」のセリフ。先生はヒヨリの献身に驚くのだが、先生の表情を窺ったヒヨリは自分が何かをできると思ったことすらおこがましかったのだと自己卑下を始める。そんなヒヨリを先生は優しくフォローしチョコを受けとる。先生がチョコを貰ってくれたことを嬉しいというヒヨリを見た先生は心が温まり、彼女の頭を撫でるホッコリエンドを迎えるのであった。

仲正イチカ「年頃の女の子」~手作りチョコスティック~

チョコスティックにしたのも先生にあ~んして食べさせるため
普段は飄々としているイチカもバレンタインにはドキドキする女の子であり、手作りチョコをプレゼント。だが先生が余裕で落ち着いた反応を返したため、想定とは異なりご不満の様子。イチカはもっと先生がドキドキしてくれることを期待しており、自分一人が舞い上がっていたことを知る。イチカは自分が先生のために想いを込めて作ったエピソードなどを語りたかったのである。シート持参であることから、イチャラブをしたかったに違いない。そんなイチカに対し先生は、埋め合わせをするべく何でもすると言ってしまうのだ。ではイチカはどんなことを先生に要求したのか?サブタイの「年頃の女の子」らしい健全さで、イチカは先生に自らチョコを食べさせてあげたかったのだ。糸目のイチカは感情を変化させた時に開眼するが、先生にあ~んしようとする時に覚醒する。先生にスッと近づき目を開いて好意を示す立ち絵は破壊力バツグン。さらに画面を暗転させ「……口、開けてください。」とねだるのであった。チョコスティックにしてあるのも最初から先生に食べさせるイチャラブプレイを想定していたのだろう。  

棗イロハ「隙のない中間管理者」~イロハの手作りスティックチョコ~

チョコスティックを咥えて口移しでバレンタインを渡すイロハ
バレンタイン当日、万魔殿の仕事を手伝うことになった先生。だがイロハに連れて行かれた先はデパートであった。彼女が言うには万魔殿はバレンタインの日にチョコを配っているので、その買い出しなのだという。さらに上司のマコトからは風紀委員の嫌がらせになるようなチョコを買って渡せという無茶苦茶を言われていたのだ。そのためイロハは先生を利用。「先生が」選んだのなら上司も文句を言わないだろうという巧みな作戦を取る。案の定、先生が選んだのは至極真っ当なチョコであり、イロハも先生ならそうするであろうと予想していたとボソッと呟き、後方腕組み彼氏面をする。二人は無事に買い物を終えて帰路に着くのだが、先生はやはり期待してしまうというもの。だが直接ねだるのも催促しているようで、先生から結局欲しいと言い出すことは無かった。そんな先生を見たイロハは先生の期待に応えてサプライズ。なんとスティックチョコを咥えて、口移しで先生に渡そうとする。先生はイオリの足を舐めたりサキに手コキをさせたりする等ツンデレな生徒に対しては自らhentai的な行動を取るのだが、真正面から色仕掛けをされると戸惑ってしまうの。イロハもそれを分かっているからこそヤッたのであり、ひとしきり先生をからかうと満足してプレゼントする。だがそのスティックチョコの中にはイロハが加えた唾液付きの物も含まれており、食べたらどのチョコが美味しかったかについて感想をくれとこれまた先生をドギマギさせるのであった。

秤アツコ「青いバラとチョコレート」~青いバラとチョコレート~

青いバラを添え自分の努力を見て貰おうとするアツコ
ブルアカシナリオ良作選のうちの一つ。青いバラ花言葉を踏まえた上で「夢かなう」を体現した話。絆ストーリーでアツコは花壇作りに失敗してしまうのだが、先生は失敗を糧にして一つずつ学んでいけばいいと再チャレンジを提唱しアツコを励ます。これはアツコの生い立ちの比喩でもあり、人生に一度失敗してしまったアツコだが、何度でも学んでやり直せることを示唆しているのだ。そんなわけでアツコはこの後、先生と一緒にたくさんの努力をしたのだろう。バレンタインストーリーでは花壇作りに成功しており、アツコは自分で育てた青いバラと一緒に手作りチョコレートを先生に渡すのである!まさにアツコの努力が実って「夢かなう」を実現した象徴だと言えよう。さらにここで先生はアツコをトゥンクさせる。それはドライフラワーの技法であり、アツコから貰った青いバラを綺麗なまま保存できる方法を教えるのだ。すなわちこれは夢がかなっただけでなく、さらにそれを永遠のものとしたということで、先生とアツコの関係性を意味している。青いバラ花言葉のようにアツコは奇跡を起こして夢を叶え先生と結ばれ、そして二人で将来共に歩んでいくことをドライフラーで示したのだ。アツコは花壇の前に先生を呼びだしことについて、自分の努力の結晶を先生に見てもらいながら一緒にチョコレートを食べたかったのと告白。二人は情緒深い時間を一緒に過ごした。

羽川ハスミ「小さくても甘い一歩」~リトル・ブレット~

先生の言葉によりチョコの暴食を正当化するハスミ
体重増加を気にして無理なダイエットをしてはリバウンドで暴食してしまうハスミの話。バレンタインの日、ハスミに緊急の案件で呼び出された先生が彼女の所へ訪れると、そこにはチョコの山があった。何でも正義実現委員会で治安維持活動に従事していると感謝されることも多く、その御礼としてチョコが贈られてくるのだとか。ハスミは大量のチョコを前にして喜ばしく思う反面、体重が増えることを危惧し、先生にも食べて貰おうとする。しかし先生はそれを断る。だってそのチョコはハスミのために皆が贈ってくれたものだから、その気持ちに配慮したのである。先生のこの言葉を聞くとハスミは水を得た魚のようにイキイキとし、チョコを食べるお墨付きをもらったとして正当化を図る。ハスミはダイエット5日目であり、甘い物に飢えていたのである。ハスミの旺盛な食欲に先生は内心不安な気持ちを抱くのであった。その一方、ハスミは先生に「自分からの」チョコを渡す。それが銃弾のカタチをしたチョコであった。フレイバーテキストによれば小さいが、その甘さは胸を打ち抜くらしい。それにしても拒食と過食を繰り返しダイエットをしてはリバウンドをするハスミは先生でなくとも少々心配になってしまう。

羽沼マコト「器に相応しいプレゼント」~議長が用意した最高級のチョコレートファウンテン~

羽沼マコトの恋心の萌芽
マコトが先生へ無自覚な恋心を萌芽させる話。バレンタインは製菓会社の陰謀だと見なしつつも余興には十分乗るのが信条であると盛大なバレンタインパーティーを先生のために開催するマコト。ドレスでバッチリおめかしし、チョコレートファウンテンをプレゼント。手ずからマシマロを食べさせてあげようとするのだがあら大変。なんと機械が故障して、マコト自身がチョコレート漬けになってしまう。ここまで来たら私を食べて!展開であろうとプレイヤーたちは予想したが、マコトの性格を考えるとまずあるまいと打ち消したところで、本当に発動する。マコトは指先についたチョコを舐めて欲しいと先生に迫るのである。だが先生は大人の対応をしてそれを断ったため、マコトは恋心とは無自覚に傷つくのであった。それにしてもイオリの足は積極的にペロペロしに行くのに、マコトに対しては指先についたチョコさえ舐めないという対応の温度差よ。それでもマコトは挫けることなく、チョコレートファウンテン以外にも様々なイベントを用意しており、先生をパーティーでもてなすのであった。マコトが先生への恋心に気付く時が来るのか、また気づいたらどう変化するのかが楽しみでもある。

火宮チナツ「大切な時、大切な場所」~フォーチュンチョコレート(自作)~

先生との二人きりでのお部屋デートを画策し「今が幸せな時間で、ここが幸せな場所」とメッセージを送るチナツ
バレンタインの日に風紀委員会の教室で先生とイチャラブしようと試みるチナツの話。先生が風紀委員の部屋に行くと、そこにはチナツだけがおり、彼女が一人で留守番をしていた。なんとヒナもアコもイオリも空気を読んでくれて席を外してくれたのであるという。チナツの好感度はMAX状態であり、バレンタインの日は感謝も好意も伝わりすぎてしまうと述べ、顔を赤らめ恥ずかしながら、チョコをくれる。チナツが用意していたのはフォーチュンクッキー。おみくじ入りのチョコレートであり、運勢を占うというもの。そこに書かれていたのは"The time to be happy is now.The place to happy is here"。すなわちチナツはバレンタインに先生を呼びだし風紀委員の教室でチョコを渡したのであるが、お部屋デートを楽しむことを画策していたのであった!チナツが恥じらいながら「良い言葉だと思いませんか?これはまさに、今の私たちを……」と云うシーンがチナツ√のハイライト。さすがチナツ、先生とベッドの上を共にしたり擬似夫婦を楽しんだり温泉混浴したりリボンを贈ってもらったり旅館でお泊りしたりした女だ、面構えが違う。こうして情緒深い時を過ごす先生とチナツであったが、先生が2個目のチョコを開けるとそのおみくじにも同じ言葉が書かれており、それ以降も同じで、全て同じ紙が入っていたのである。つまりチナツは確信犯的に先生とのお部屋デートで幸せな時を過ごすことを狙っていたのだ。そのことがバレたチナツは逃げ出してしまうのだが、先生はきちんとチナツを追いかける。暗転した画面で「ちゃんと落ち着いてお話をした」と意味深なメッセージが流れる。フレイバーテキストも秀逸で「どれを選んでも同じになるなら、それは運命と呼んでも良いかもしれない」とあり、先生とチナツの関係性の深さを表している。

氷室セナ「包まずにありのまま」~バンデージチョコ~

先生にあ~んをしたいセナは強硬手段に出て先生を押し倒し実行する
先生を襲っちゃうぞシリーズ。氷室セナは素直クール。クールな表情で自分の感情を包み隠さずストレートにぶつけてくる。バレンタインの日に先生を呼びつけると、救急車の中の薬品で作ったというチョコレートの化合物を贈ってくれる。さらに包帯まで巻かれていた。先生は少しドン引きするが、セナは贈り物はヴィジュアルも大事だから包帯は減点対象ですねとガッカリする。そんなセナに対して先生はいつものように甘い言葉を囁き、セナらしくていい、色々と試行錯誤してくれたんだねと肯定する。先生にケアされたセナは思わずトゥンク!自ら食べさせてあげると申し出る。先生が躊躇していると、セナは強硬手段に出るのだ。生徒が本気になったら先生はとてもじゃないがかなわない。さらにここで画面が暗転。「そうしてセナから強制的にあーん(?)をされ……確かに味はすごくおいしいチョコレートを味わった」というテキストが表示される。つまりここではセナに襲われた先生が組み伏せられ、そのままチョコをあ~んされている場面を想起させるかのような内容になっているのだ。勿論ファンアートでこのシーンが多数描かれることとなった。ブルアカって制作サイドがファンアートを奨励しているおかげで、あえて本編で描かない(描けない)場面を託している所があるよね。こういう所にブルアカがウケた理由の一つがあるのかもしれない。

姫木メル「過程と結果と」~自画像チョコレート~

メル画伯のチョコレートお絵描きショー!
メルネキ画伯のチョコレートお絵描きショー(チョコレートライブドローイング)。姫木ネルは同人腐女子。バレンタインは創作でよくあるネタであるからこそ魅せ方が大事なのだと説く。そんなわけでメルネキは白いチョコレート板に黒いチョコペンで自画像を描き、先生にプレゼントすることを試みる。だが普段デジタルお絵描き少女であるメルネキはアナログ、しかもチョコペンであるため満足の行く作品が仕上げられず枚数を重ね全ての材料を使いきってしまう。悔しさを噛みしめるメルネキに対し、先生はお気に入りの1枚を選び取り、それを貰うこととする。完成度に満足できないメルネキは渋るも先生はメルネキが冒頭で言った言葉を巧みに利用し、魅せ方が大事なんでしょと説得する。一本取られたメルネキはおもむろに先生の手からチョコ板を奪取すると、自らの手で渡すのであった。メルネキと先生は、自画像のどこから食べれば良いかの議論で盛り上がり、イチャラブな時間を堪能した。

プラナ「みんなと一緒に」~プラナのプラナたっぷりチョコレート~

先生にチョコを作ったり渡したりするところをアロナに見られるのは恥ずかしいと認めるプラナかわいいね
アロナが寝ている隙にチョコをプレゼントしようとするプラナの話。当初プラナは先生よりも優位に立ち、先生を撫でてあげようとする。恥ずかしいと固辞する先生に「私の胸にうずくまりながら頭を撫でられているタイミングでアロナ先輩が目を覚ましてしまったら、どうしようかと心配しているのですね?」と述べたり「私はアロナ先輩と同じくらい先生を知っていますから」と別の世界線を慈しんだりする。先生が恥ずかしがり屋なのは良く知っていると称すプラナはチョコを渡すだけにすると言い、アロナに内緒でチョコを用意したことなどを誇る。だがそんなプラナに先生は、プラナ自身もアロナに見られるのが恥ずかしいんでしょ?と指摘。これにはプラナもびっくりし、黙秘しようとする。だが結局は恥ずかしそうにそれを肯定し、ホンワカエンドとなる。フレイバーテキストには「先生の好みにぴったりの味がする」と書かれており、アロナと先生の関係同様に、プラナもプレ先と重ねて来た時間があったんだなぁとちょっと切なくなる。

不破レンゲ「青春全力投球」~二人で一緒に作った生チョコレート~

チョコ作りに失敗し自分何かが~と自己卑下し出すレンゲを励まし一緒にチョコを作る
青春に憧れ先生と一緒に様々な青春イベントを体験して青春ポイントを獲得して来たレンゲ。バレンタインにおいても手作りチョコを先生に作ってあげるという青春を目指す。だがレンゲは作り方すら調べずイキナリチョコづくりにチャレンジしたため、当然の如く上手く行くわけがない。日も暮れて夜のとばりが下りてもレンゲは現れず心配になった先生が様子を見に行くと、そこにはチョコ作りが失敗に終わったレンゲの姿があった。料理すらまともにしたことがない自分がチョコなんてくれれるわけが無かった、そもそもチョコを渡そうとすることすら間違いだったとレンゲはネガティブモードになる。今時動画サイトでも見ればいくらでも作り方なんて載ってるだろかいうのは無粋である。先生はレンゲに一緒に作ろうと声をかけ、レンゲが躊躇すると師弟関係を持ち出して料理開始。何とか日付が変わる前には生チョコが完成。レンゲは先生がいてくれることに改めて感謝し、二人でチョコを食べるエンドとなる。

間宵シグレ「甘さも」~シグレ・ビタースペシャル~

生徒の適性を見抜いて輝かせる先生の姿はカクテル作りに似ている
先生の執務室を訪れ最近趣味の幅が広がったというシグレ。先生はそれを褒め、具体的に何?と聞くのだが、それはカクテル作りであった。生徒のアルコール摂取について心配になる先生だが、ノンアルだと言い張るシグレ。論より証拠ということでシグレは先生にチョコレートカクテルを振る舞う。その味はただ甘いだけでなく、ビターチョコレートのおかげでサッパリとした後味があった。先生はその腕前を絶賛したため、シグレは意気揚々となる。一見渋る素振りを見せつつも先生にそのレシピを開陳していく。そしてシグレは先生にバーテンダーにならない?と誘ってくるのだ。このセリフを見た瞬間プレイヤーたちは様々な想像をしただろう。シグレが先生のバーテンダーのコスプレを見たいのかな?とか一緒にバーをやりたいのかな?と。而してその実態は、生徒たちの才能を見抜いてその素質を輝かせる先生はまるでバーテンダーのようだと言うことであった。シグレちん、先生に才能を褒められたのが嬉しかったんだね。扱いの難しいビターチョコも適所で使えば効果を発揮するように、生徒の扱いに長ける先生はカクテル作りみたいだなと甘えて来るのであった。

水羽ミモリ「気持ちを隠したチョコレート」~桜チョコレート~

先生に対して最も大切な人と婉曲的に告白するミモリ
バレンタイン手作りチョコレクチャー会を開催することになったミモリ。先生も何故かチャッカリと参加しており、ミモリの活躍を見守ることとなる。推察力に長けるミモリは材料や人柄を見るだけで次々と作りたいチョコを見抜き、それが実現できるように手助けしていく。その様子はまさに読唇術師であり、百鬼夜行を裏から支配していると噂されるに充分であった。個人的には先生も一緒にチョコ作りに参加し、交換こするのかなと期待していたのだが、決してそんなことは無かった。ちょっと残念。話の内容的には、ミモリがレクチャー会と称して自分もチョコを用意しており、先生にプレゼントするのであった。ミモリはいくら自分でも大好きなお方の気持ちはドキドキして読み取れないと婉曲的に先生に告白。先生はチョコを貰った嬉しい気持ちを口にしようとするのだが、それは半分以上答えを言ったようなものであり、ミモリはトキメキを大事にしたいと述べて去っていく。先生は貰ったチョコの味を噛み締め、ミモリの想いの深さを知るのであった。

聖園ミカ「飽きのこない甘さ」~ミカ特製☆チョコロールケーキ~

先生がミカの予定を全て把握していると述べ話題を生んだ
手作りチョコを渡したいミカだが、約束の時間に間に合わなかった。心配した先生はミカを探してトリニティの家庭科室へと赴く。そこには体育の授業を終え後のミカが体操服姿で悪戦苦闘しながらチョコを作る姿があった。プレイヤーの間で話題になったのが、その後の先生の答弁。ミカはトリニティには数多の家庭科室があるのに、どうして自分がいる家庭科室が分かったのかを先生に訊ねるのだが……。な、なんと先生はミカの予定を全部把握しているとか言い出すのである。ストーカー染みた狂気さを感じさせるがヤンデレのミカにはちょうどいいのかもしれない。ミカ自身は自分のことを気にかけてくれている先生に最高にきゅんきゅんする。ミカは照れを誤魔化すために、自分が問題児だから目が離せなかったとか?と述べつつも、それでも嬉しいと先生に感情を洩らす。そんなミカに対して先生はダメ押し。ミカが頑張っていることをちゃんと知っていると優しい言葉をかけ、彼女に満面の笑みをもたらすのであった。

守月スズミ「いつものように」~トゥインクルスター~

バレンタインに偶然コンビニで出会ったスズミにチョコを買って貰った話
特にバレンタインを用意していなかったが、たまたま出会ったのでチョコを贈ることになったシリーズ。喉が渇いた先生が飲み物を買おうとコンビニ立ち寄ると、たまたまスズミがいた。コンビニの内装はバレンタインまっさかり。先生を見かけたスズミは流れでチョコを買ってくれることになる。スズミがチョイスしたのは星形のチョコであり、彼女がそれを選んだのは直感だという。先生は閃光弾の話題を振るが、どうもそうではないらしい。別のものにしましょうかと申し出るスズミに、先生はせっかくスズミが選んでくれたものだからと返しパーフェクトコミュニケーションを決める。これによりスズミは嬉しくなり、久しぶりに帰り道はエスコートさせてくれないかと頼んで来る。確かにバレンタインの日に先生が一人で帰っていたら大変なことになりそう。スズミのおかげで先生は安心安全にシャーレに帰れた。

安守ミノリ「許してはいけない」~ハイカロリーチョコ~

資本主義による搾取の日としてのバレンタインで共産系の自分が矛盾なくチョコを渡すには
資本主義を嫌悪する共産系左派的少女とカツ丼が上手い大衆食堂に行く話。近年のコンテンツでは共産趣味というジャンルがあり、かつてのソ連を懐古するかのように社会主義をネタとして楽しむという風潮がある。ブルアカにもソ連をモチーフとするレッドウィンターという学校があり、ミノリはその中で最左翼に立ち、常に労働運動を指揮しているというキャラである。当然資本主義を敵視しており、悪徳企業がバレンタインという日にチョコの値段を釣り上げ、包装だけ変えて売り捌こうとするイベントなど到底ゆるしてはいけないと憤慨するのである。そんなミノリが連れて行ってくれたのはカツ丼が上手い大衆食堂。そこで二人はモリモリとカツ丼を平らげる。だが別れ際、ミノリは労働者が栄養補給のために摂取するチョコレートバーをプレゼントしてくれるのである。企業の横暴を許してはいけないが、チョコを渡すことは否定していないと述べ、矛盾する感情に折り合いを付けようとするミノリの可愛さが演出されている。

柚鳥ナツ「補習用教材:チョコレート」~言葉よりチョコレート~

日常哲学という点ではナツも違うベクトルでの中二病なんだよなぁと
プリコネでいうところのユニちゃんのようなキャラ。迂遠な言い回しを好み、日常を哲学的に分析する少女がバレンタインにどのように挑むのか。彼女がテーマにするのは稀少性とシンボルによる気持ちの伝達。まず稀少性についてはバレンタインが特別な日であることを挙げ、心が浮き立つ日であるとしながらも、企業戦略により仕組まれたものであり、また者に構えてそれを批判する事すら、枷に嵌められていると分析的な発言をする。そんなナツに対し、バレンタインはあまり好きではないかと先生が問うと、ナツは否と答え、日頃からスイーツで気持ちを交わしていることを告げる。そしてバレンタインの日には言葉を噤んでも気持ちを伝えられるとしながらも、自分のように言葉でセカイを表現する者にとっては野暮になるという。そんなわけでナツはどうみても手作りのチョコレートを渡し、何も言わずに受け取ってと迫ってくる。ナツにとってバレンタインに先生がチョコを受け取ってくれたということがナツの心境を表象しているのであり、これで完璧とハートマークを浮かべる。

陸八魔アル「心のこもったご褒美を」~社長の最高級チョコレート~

ネットで騙され詐欺チョコを買わされたことに憤慨するアル様
アルの頼みで依頼の手伝いをした先生。アルは無事に仕事を成功させ、意気揚々。バレンタインに颯爽とチョコを渡すために自画自賛して自分を奮い立たせていく。アルは先生に自分の(ビジネス)パートナーであることを意識させ、最高級チョコを贈るのである。値段の高さが想いの深さとは限らないが、アルは自分の気持ちを表現するため苦労して手に入れたのである。だが便利屋ストーリーのアルちゃんといったらスットコドッコイなオチが待っている。なんとアルが掴まされて商品はネット詐欺。先生に無事にチョコを渡した後で、同じ商品が在庫整理の叩き売りをしている場面に遭遇してしまったのである。先生はこのチョコはアルがくれたものだからトクベツなものだよと優しくフォローを入れ、アルも何とか自分を納得させようとする。大人な対応でクールだね!……と、いうことにはならないのが我らが陸八魔アルなのだ!目には目を歯には歯を。アルは自分を騙した悪徳業者を壊滅させるために奮起する。ついでに家に帰るまでが遠足だと言わんばかりに、先生に報復戦を付き合わせる。尺の都合でカットされてしまうが、アルと一緒にハードボイルドな展開を共にしたらしい。

若葉ヒナタ「優しい心」~小さなショコラ~

バレンタインをすっかり忘れており、子どもたちに配るようのお菓子をくれるヒナタ
バレンタインの日に聖堂を訪れる先生。だがヒナタは職務に追われてバレンタインのことなどすっかり失念していた。先生は催促したわけではないが、バレンタインのことを話題にしたため、結果としてチョコをねだることになってしまう。そこでヒナタが持ってきたものが、聖堂に来る子供たちの為に配っているショコラであった。ヒナタ√のバレンタインシナリオは尺が短くてこのショコラを渡したら終わってしまう。それでもオモシロポイント探しをすると、このショコラはかなりの味の種類があるような表現をされているのだが、ヒナタは平然と全ての味を食べたのだという。フレイバーテキストでも全ての味を食べ比べしたことが強調されている。あとそうだな。ヒナタはノリノリで鼻歌を歌いながら聖堂の作業をしているのだが、その姿を先生に見られていて恥ずかしがるところだろうか。どの生徒も先生の為にチョコを用意してバレンタインという特別な日を待ち侘びておりそれなりの期待をしていたのに対し、ヒナタは全くバレンタインを忘れていたというのも特徴か。それが彼女のおおらかさを表しているのかもしれない。

鰐渕アカリ「チョコレート大食い大会」~大量の板チョコレート~

アカリ、チョコの大食いに先生を付き合わせるため、食べ切れたら何でも言うことを聞くと迫ってくる。
アカリのバレンタインストーリーは「ふたりの「チョコレート大食い大会」練習編」。チョコレートの大食い大会が開催されることに、アカリはワクワクして先生を練習に付き合わせる。チョコレートは原材料的にもお腹に溜まりやすいので練習が必要であり、大食い大会であることを踏まえると対戦形式なので相手が必要なのだという。さらにはさらっと名言を吐き「それに、食事はいつだって一人で食べるより、みんなで分け合った方が楽しいものでしょう?」とのたまう。なんだかんだ言ってアカリがお嬢様育ちで慈愛に溢れていることがここからも窺われる。だがアカリが用意したのは大量の板チョコであった。これを一人で食べねばならない先生は渋るも、アカリは飴と鞭で迫ってくる。先生に対して大人なのだから弱音を吐くなとスパルタする一方で、全部食べ切れたら何でも言うことを聞いてあげると発破をかけるのである。こうして先生はアカリの対戦相手として付き合うのだが、半分も食べ切れなかったエンドを迎える。(残りは執務室に持ち帰り、少しずついただきました!)