ブルーアーカイブ「鬼怒川カスミ」絆ストーリーの感想・レビュー

温泉開発において掘削時に硬い岩盤を砕く爆破が大好きな少女の話。掘削作業そのものはあまり扱われない。
温泉掘削はボーリングマシンを用いた鑿井工事が主であり硬い岩盤が出てきた時に発破を行うがカスミはそれが好き。
しかしシナリオを読み進めていくとカスミは手段が目的化したヤベー奴だったことが判明する。
彼女は温泉開発の成功の是非に関わらず、その爆破をするという行為そのものが生き甲斐だったのだ。
そんなカスミが爆破以外の事にも価値を見い出すのが、絆ストーリーの最大のポイントかもしれない。
ラストは爆破の失敗をも爆破の一部として愛すカスミが、温泉調査地の選定失敗も無駄ではないと考えを改める。
その理由としては足を挫いて先生におんぶしてもらったことが背景にあった。

鬼怒川カスミのキャラクター表現とフラグ生成過程

謎に足の描写に力を入れているブルアカ。これはカスミの足。

鬼怒川カスミは爆破マニアの温泉開発部員。あまりにも爆破にこだわるため、プレイヤーたちは温泉開発のメインは掘削工法であり爆破は硬い岩盤を発破する時だけの一部の作業なのでは?と訝しんでいた。だがシナリオを読んでいくと、彼女にとっては温泉開発が主眼なのではなく、あくまでも爆破が好きなだけであることが明らかになる。某『HELLSING』の「よろしいならば戦争だ」をパロりながら、カスミはただ失敗を含めてありとあらゆる爆破が好きなだけであることが語られる。彼女にとって温泉開発の成功の是非など些末なことであったのである。そんなカスミが爆破以外の事にも価値を見い出すのが、絆ストーリーの最大のポイントかもしれない。カスミは温泉選定の調査に繰り出すのだが、その調査は失敗であり、更にサンダルが壊れて足を挫いてしまう。調査にサンダルで行くなよとプレイヤーは総ツッコミを入れるかもしれないが、まぁそれはそれ。結局カスミは先生におんぶをしてもらうことになる。そして先生の背中の上で感慨に浸り、失敗に終わった今日の調査も無駄ではなかったのかもしれないと、喜びを噛みしめる。それは爆破を第一原理として生きてきたカスミの僅かなだけど重要な変化の兆しとなったのである。

カスミとって温泉開発の成功の是非など問題では無かったのである
先生におんぶをされるカスミ