もういっぽん! 第13話(最終回)「もういっぽん!」の感想・レビュー

金鷲旗終了。全国の壁は厚かった。氷浦永遠が仏人留学生に敗北し夏が終わる話。
自チームが3縦食らった相手を瞬殺し次鋒の仏人留学生を引き摺りだした氷浦永遠。
速攻を主体とする早業で試合を有利に進める氷浦だが相手選手は尻上がりであった。
次第に氷浦の動きは見切られるようになり、追い詰められていく。
ここで氷浦がこれまで仲間と身につけてきた技術を駆使して戦うのが良いよね。
だが氷浦の奮闘は及ばず、最後に一本負けで敗れてしまうのであった。
こうして夏は終わったが柔道は自他共栄。園田未知はそのコミュ力で相手校と絆を結ぶ。
引退する先輩に関しても夏まで続けて良かった精神とキャプテン滝川早苗への継承が行われた。
夏は終わってしまうけれども次の戦いは秋の新人戦だ!園田たちの次の活躍にご期待ください。

柔道を通して少女たちの複雑な感情を描く素晴らしいジェネリックきらら百合アニメであった

皆の声援を受けて試合に臨む氷浦永遠
  • 単なる百合営業ではなく、きちんと題材(柔道)に取り組み、そこでしか表現できない魅力を上手く伝えられていた
    • 近年飽和状態にあるオッサンの趣味をJKにやらせるシリーズ。市場に数多ある作品の中で成功するのは難しく、題材を描くことを主眼とし、JKを単なる手段と見なしてしまうと某原付作品のような仕上がりになってしまう(キャラはJKだが中身は単なるイキリオッサンバイカーの自己満足)。それに比べて本作は柔道を真摯に扱い、現代日本の女子高生たちの複雑な感情を描くことで、より一層柔道の魅力を引き出すことに成功していた。
    • 最終回は主人公チームの最強格である氷浦永遠と世界から選手を集めている東京の強豪私立のフランス人留学生が対決する。最終回というだけのことはあり、試合の描写の躍動感は大変良く表現されており、次々と技を仕掛ける氷浦永遠の猛攻は思わず手に汗握ってしまう。氷浦は優勢に試合を運び、最初に技ありも取って勝ち筋が見えそうになる。だがフランス人留学生は序盤は相手に攻撃させて技を見切り急速に成長していくタイプであった。氷浦の猛攻は次第に通用しなくなり、技ありも取られて劣勢になっていく。そんな中、氷浦がこれまで仲間と培ってきた技術で鎬を削る演出はムネアツな展開となっている。仲間たちが大会のために磨いてきたそれぞれの戦法をエースが発動する展開は皆大好きでしょ!私も大好きです。しかしながらフランス人留学生は別格な強さであり氷浦が氷浦の会心の一撃もすんでの所でかわされ、逆に一本を取られ敗北。真っ白になり世界がモノクロになる氷浦であったが、そんな彼女を現実に引き戻すのは我らが主人公園田の存在。中学の時は負けたまま塞ぎ込んでしまったが、成長した今は敗北を糧にすることができた。
    • 試合後は柔道が自他共栄であることが語られていく。先輩に関しては夏まで続けて良かったとやり抜くことへの感動とキャプテン滝川への想いの継承が行われた。一方で園田未知は圧倒的コミュ力を発揮し、自分たちを破った強豪私立の人々ともあっと言う間に仲良くなってしまう。試合には負けてしまったけれどもその奮戦は相手校から買われることになり絆を結ぶことに成功した。こうして園田たちの夏は終焉を迎える。だが、秋には新人戦が待っている!ということで園田たちの活躍はこれからも続いていくエンドを迎えた。
仲間達の技を駆使して戦う姿はエモい
敗北し世界が白黒になった氷浦が園田の声によって色を取り戻していく演出がいいよね!
先輩の引退と想いの継承
柔道は自他共栄
夏は終わってしまったけれども次の戦いは秋の新人戦!エンド
最終回エンドカード

もういっぽん!感想まとめ