今回のお話は水着回。菜々香の恋する純情乙女っぷりを体感せよ。
悩んだりキュンキュンしたりツンツンしたり葛藤したりと、こういうヒロインの心情描写がきちんと書かれているシナリオは見ていて面白いな。主人公佐菜のトラウマフラグも発動し、血を見て青ざめたり手首をひた隠しにしたりと、故郷にて社会復帰を目指そうとする姿も伺われる。考えられるのは、過去バレして鬱展開になるのか、過去語りとしてヒロインずに打ち開けるのかの二つのルート。どっちしにしろ、佐菜が過去どのように乗り越えられるかが見ものです。
で、内容をば。
菜々香の手鏡を割ってしまった佐菜。菜々香は弁償しなくていいと言ったが、それでも気分は落ちるもの。そこへ泣きっ面に蜂、ファンシーショップで星野あさみ嬢といちゃいちゃする佐菜を目撃してしまいショック倍増。だが、次の日小奇麗な手鏡を持って佐菜が参上。デート疑惑は払拭され、貰った手鏡を見るだけで自然と微笑がこぼれる。佐菜と一緒におでかけするのも心が弾む。そうだ、佐菜が昔おいしいと言ってくれたクッキキをやいてみようかしらん？という展開になる。
だが、おでかけは菜々香にとって地獄となった。なんと佐菜が星野あさみ嬢を連れてきてしまったのだ。しかも無断で。幼馴染みずいらずのおでかけだったのにとテンションが下がる。そして、自分と同じ手鏡を星野あさみ嬢にも買ってあげていたことが発覚。さらに、クッキキを出そうとした瞬間、あさみ嬢が手作りパイを取り出し、結局は出せず。さらにさらに、自分がスク水しかもっていないことで劣等感を抱き、終いには佐菜のリストカット隠し腕時計を、引越し先のオンナからのものだと思い込む。嗚呼失意のどんぞこ。
帰り際なんかもう下を無向いっちゃって、来なければよかったわ雰囲気全開。しかしそこへ、朋先生の救いが行われる。なんと、都合よく菜々香クッキーを思い出し、食べたいとのたまう。そこへ渡りに船と実はクッキーを作ってきたと発言。「どうしてださなかったんだ」と無遠慮に尋ねてしまう佐菜きゅんは、乙女心を知りなさい。だって星野あさみ嬢はパイなのに、私はクッキーなのよ!?
クッキーのお礼に綺麗な小石を貰う菜々香。今度こそは、この小石は世界でたったひとつだけの、佐菜から菜々香へのオクリモノ。ほかの誰だってもってないわ。星野だろうが、朋先生だろうが、邪魔はさせない。だって私だけの佐菜だものと妄想たくましく、小石を傾け悦にひたりながら恍惚とした表情を醸し出すのであった。
◆今回の金田朋子
