D.C.II〜ダ・カーポII〜 第12話「心の架け橋」 の感想

今回は美夏問題と小恋に決着をつけるというおはなし。
困った時は、ご都合主義「社会的な問題を個人に帰することで解決」が発動だ!!
日本の教育では、社会問題に対し根本的な解決をせず、個人の範囲内で出来ることをしようというパターンに往々にして陥りがち。例えば生徒に環境問題の論述を書かせると必ずといっていいほど「身近なところをガンバリタイ」と述べてくる。なにこの国語の作文指導、「自分」と「将来の抱負」を末尾に書いてりゃいいってもんじゃないんだぞ。この弊害に脚本家も染まっているらしく、いかにその構図を崩せるかが見ものなのにストレートにきやがりましたよ。

美夏のいじめはエスカレートしていったが、委員長の弟が車に轢かれそうになったのを助けたことにより皆のヒーローに。これまでいじめてた奴らが手のひらを返すように見直しだし、風当たりが弱まる。ロボットを嫌っていた委員長と人間を嫌っていた美夏は、同型の感情を抱いていたのだと知って和解。めでたし、めでたしというところで学園のお偉方は「ロボットが存在する学校」という噂をもみ消すために美夏の退学を決定。なんという保守的な。これで美夏卒業式「仰げば尊し」エンド確定か?

美夏問題のため理事長の般若に会いに行く義之だが、そこへとってつけたかのように小恋エピソードが挿入される。思春期に舞い上がって、勝手に告白して、理想にあわないからといって別れようというありがちなパターン。これで晴れて義之はフリーに。こういうのは別のところでやれよ『なか●し』とか『り●ん』で。エロゲ原作なんだから、視聴者はどこか問題を抱えるハミだした異常者。その異常の者に現実のオンナの自分勝手さをみせつけるなんてさ。それほど酷な事はないでしょう。