ef - a tale of melodies. 第9話「return」の感想・レビュー

今回のef - a tale of melodies.はそれぞれが本心に気づくおはなし。
夕くんは過去に妹と優子を重ねて絵を書いてやらなかった後悔に。
優子はこんなにも夕くんが好きであることに。
久瀬氏は自分が死にたくないことに。


幼少期夕くんに受けいれてもらうために妹の地位を利用しようとした優子だが、死人と優子を重ねることを怖れた夕くんは妹であろうとした優子を拒絶。その後、夕くんはひとりで生きていく覚悟をした。裏切られた置いていかれたと思った優子は、なぜ自分が虐待を受けるのかの逆恨みを夕くんにぶつけることでせめてもの救いを見出す。夕くんに対して嗜虐的になり彼が苦しむ姿を見て救われると思ったが、這い上がって何度も優子を求めてくる姿に以前にもまして好きになっていた。嗚呼、あの時妹ではなく優子を抱いてといっていてならば。一方夕くんは、過去に優子を書いてあげなかったことがここまでの怨念を生んだと後悔し、せめて現在において優子の過去の姿を書きあげる。ぶっちゃけワカメが優子をレイプしなけりゃこいつらの関係は産れじお互いそれなりの人生を歩んだであろう。ワカメのレイプから始まる純愛だよ。ワカメはワカメで震災のショックで絵が書けなくなり精神崩壊しつつあった可哀想なお人。妹の未練に縛られる夕くんとワカメは同類化と思いきや、夕くんは過去を背負うことを決意していた。ワカメが絵をかけないのに対して夕くんは過去を乗り越え幼少期の優子の絵を描いていた。幼少期の優子とワカメの妹は瓜二つであったことからワカメのトラマの呪縛から解き放つ。過去を背負って現在を生きようとした夕くんの勝利という構図。過去に生きるワカメは夕くんの絵に魂を吹き込まれ妹の絵を書き上げる。その絵を胸に抱いたまま妹との邂逅を果たして焼け死んでいく。ハッピーエンドかと思いきや、焼け死ぬワカメを助けようとした夕くんの手をつかんで離さなかった優子の行動がこれからの話の軸になるのか!?



そして時間軸は現在へ。女を捨て、楽器を捨て、友情を捨て、丸裸になった久世氏。拠り所が全てなくなって初めて自分の孤独を知り悶える。そんな時にちらつくのが久世氏の女神ミズキちん。死ぬ覚悟をして何もかも捨てたんなら薬飲まずに延命措置しなけりゃいい。でもできないわ、ケンケンなーし、もどかしすぎる。久世氏はそこで気づくのだ、死にたくねぇと。ミズキちんは久世氏の拒絶を受けた後、色々な人から励ましを受ける。ミズキは人材に恵まれているなぁと。今回は、景・千尋姉妹に励ましを受けるが、ここではもうミズキの心は決まっている様子。二人から学園の屋上の鍵をお守りとして渡され勇気を得る。久世氏ともう一度向き合う覚悟をしたミズキは教会にお礼として花束を奉げるが、なんとそれは「雨宮優子」に対してのお礼だった。凍りつく夕くん。現在において夕くんと一緒に居ない優子には何があったのか!?久世氏の夕くんは優子ともう会えない宣言は何を意味しているのか!?過去と現在が交わろうとしている。