BS特集シリーズ 中国・庶民の改革開放30年「第5回 リストラの嵐を生きて〜国有企業の町 瀋陽〜」の感想メモ

改革開放後の中国において市場経済に適応できなかった国有企業を描く。

改革開放により生産請負制。独立採算制が導入され、競争原理に晒されることとなった国有企業。当初は個人の努力が評価されるため、労働者たちはにわかに浮き足立った。しかし、天安門事件の反動によって外国資本は逃げ出し、瞬く間に経済は悪化した。訒小平の南巡講話により、再び経済は復活の兆しを見せたが、外国資本と提携できた南部にくらべ、内陸部の国有企業は業績が悪化する一方だった。1998年に国有企業の改革が矢面に掲げられると、各企業は生産コストの削減のため、労働者を大量退職に追い込んだ。国に従っていれば良かった国営時代とは異なり、工場労働者は自分で資本主義に適応しなければならなかった。