【目次】
1.資本主義社会の弊害
1-1.人間疎外
①資本主義経済
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②全体の目標のために能率的に管理・運営する仕組み
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③人間は組織のなかに歯車のように組み込まれ、管理される
(さらに使い捨て同然の契約社員・日雇いも出現「✝私は社会の歯車にすらなれないんです✝」)
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④自己喪失感(自分の意志ではない何かに動かされている)・人間疎外(感情や生きがいを見失う)
1-2.公正・平等な社会を目指して
①資本主義の矛盾…貧富の差や恐慌の発生
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②私有財産制の否定
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③生産手段の公有化
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④計画経済
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⑤☆公正・平等な社会!
2.マルクスの思想
2-1.労働疎外
①人間=類的存在。他者との関わりで生きる ●労働による自己実現!! ●労働による社会連帯
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②しかし・・・資本主義のもとでは労働が苦役に(労働疎外)
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③社会変革=すべての人間の解放が必要
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④万国のプロレタリアート(労働者)よ! 団結せよ!!
2-2.史的唯物論
①機械論的唯物論…物質を世界の根拠と考え、精神は物質が感覚を通して人間の頭脳に反映したものとする考え
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②史的唯物論…現実の人間や自然から出発し、精神は現実の人間が自然や社会のなかで生きていく過程で歴史的に形成していったものとする考え
上部構造は下部構造に規定される。上部構造とは法律・政治・学問・宗教などの精神的物産。下部構造は社会経済の仕組みである生産様式。この下部構造において、生産関係は生産力によって規定される。生産関係は奴隷主と奴隷、領主と農奴、資本家と労働者などの人間の関係である。生産力は絶えず発展するにも関わらず、生産関係は変化しにくい。それ故、生産関係と生産力の間には矛盾が生じ、革命が起こる。
⇒新しい生産関係が成立すると、生産力は急激に上昇するが、各生産関係のもつ限界によって、生産力は次第に停滞する。この停滞は、階級闘争と革命により打破され、新しい生産関係が成立する。
3.マルクス主義の修正
3-1.資本主義の発展と労働者の地位向上
①19世紀末から20世紀にかけての資本主義はマルクスが分析・予測したものとは異なった展開
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②経済的には労働者の生活は向上。政治的には参政権の獲得、大衆民主主義化
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③労働者の発言権、社会的地位の工場
3-2.ベルンシュタイン
①社会主義の実現を労働者階級の目標とするが・・・
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②マルクスの社会主義に到達する原則(階級闘争、暴力革命論、プロレタリアート独裁論)を否定
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③議会主義による平和革命の可能性を重視
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④労働者階級の知性や道徳の向上および倫理的努力を重視し、民主主義的実践による議会政治を中心とした平和的・漸進的な社会主義の実現を説く
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⑤ベルンシュタインの修正主義は、社会民主主義として大戦前ドイツでは大きな影響を与えるが・・・
中間的性格により、左右両翼から批判を浴び、第二次大戦後に衰退していく。
3-3.フェビアン主義
①フェビアン協会が1884年にイギリスで創設される。ウェッブ夫妻・バーナード=ショウなど加盟。
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②忍耐強い社会改良を積み重ねることによって資本主義の欠陥を除去
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③具体策:議会を通じての労働者経済状態の改善・社会保障制度の完備・産業資本の社会的管理(土地と資本の公有化)・人格的自由の確立
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④公共の福利厚生の完備した道徳的で自由な民主主義社会を実現することを目標
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⑤第二次世界大戦後、民主社会主義として発展。合法的な議会主義によって、資本主義の弊害を漸進的に改良し「民主主義の徹底・完成としての社会主義」を実現していこうとする。
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※「社会民主主義」も議会主義をとるが、その目標は【共産制】であるので注意。
4.マルクス主義の継承…マルクス主義を現状に即して適用し、革命を成功に導く。
4-1.レーニン
4-1-2.資本主義の最高段階としての帝国主義
資本主義が進展すると、最終的に帝国主義段階に到達する。各国は不均等に発展するため、国際的な帝国主義戦争が勃発する。(この帝国主義戦争は総力戦を取り社会的弱者に戦争協力を強いるので階級闘争も激化)
4-1-3.レーニンの帝国主義段階の資本主義の分析
①生産と資本の集中 →独占化(カルテル・トラスト・コンツェルン)
②銀行と独占資本が結びつく → 金融資本の寡頭支配(少数の権力者による支配のこと)
③資本輸出…モノを輸出するのではなく、外国の鉄道や株などにカネを投資
④国際的独占化体制
⑤世界の領土分割(植民地支配)の完成
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世界の領土分割が完成してしまうと、これ以上植民地の拡大のしようがない。さらなる拡大を求めようとすれば、それは帝国主義諸国間での戦争にならざるを得ない・・・よって、帝国主義戦争が勃発!
4-1-4.ロシアにおける社会主義革命
<マルクスが想定した生産関係の移行>
中世封建制は、ブルジョワ革命を経て、近代資本制へと、生産関係が変化する。
近代資本制は、プロレタリアート革命を経て、共産制へと、生産関係が変化する。
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<レーニンがロシアにマルクス主義を適用>
ロシアの状況は・・・ ①少数の労働者、②圧倒的多数の遅れた農民、③民主主義以前の帝政
※マルクス思想でとらえると、ブルジョワ革命を経ていない状況
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革命の第一段階…労働者・農民の同盟と、共産党の指導によりブルジョワ的民主主義革命を遂行
革命の第二段階…ブルジョワ的民主主義革命の直後、ただちに社会主義革命へ転化。実現した社会主義革命を内外の反革命的干渉から擁護するため、共産主義社会への移行の過渡期として、共産党一党独裁(プロレタリアート独裁)の必要性を強調