とらドラ!第19話「聖夜祭」の感想・レビュー

今回のとらドラ!は、大河がやっとこさ自分の気持ちに気づくおはなし。
竜児が離れていくことではじめて、どんなに竜児のことを思っていたのかを知る。
竜児がいなきゃ恋もできない。
真冬の夜に跪いて、竜児の名を連呼する大河をみのりんは見ていた・・・


クリスマスにおける幼少期のサンタの幻影を追い求める大河は「良い子」の定義として竜児の恋を応援することを主眼としてきた。そのため、自分はそのまま身を引き、イブの夜は一人マンションで過ごすことに。竜児のいないひとりっきりのクリスマス。今までずっと一人だったこと。現在も一人であること。これからもずっと一人であろうこと。そんな寂しさ満載ロンリネンスな大河は、竜児のマフラーの匂いをモフモフ嗅ぎながら、膝を抱えて寂しさに身を任せる。寂しいときは心が弱ってる、そんなときにやってきてくれるのはいつだって竜児。いつかっぱらったんだ?熊のサンタきぐるみを纏て大河の前に立つ。クリスマスに特別な思い入れを抱く寂しさ溢れる大河にとってこんな粋なことをされたら自分の恋心に気づかずにはいられないだろ。大河はこれまでの竜児に報いることが出来るのは、みのりんと結ばせることと思い込み、竜児を笑って追い出す。その瞬間溢れる涙。闇夜に跪きて竜児の名を咆哮する。そんな大河の姿を目撃してしまったみのりんは、竜児に告白すらさせず、ふってしまうのであった・・・



今までの大河の心理描写を追ってみよう。大河は両親に見捨てられ、孤独で「かまって症候群」に駆られ愛情に飢えていた。そんな折、北村の告白を受け「自分のような人間を必要としてくれた」という「他者期待願望」にきゅんきゅんしちゃう。別に他者期待願望なら北村でなくとも誰でも良かったが、北村=他者期待願望と見なし、恋心と勘違いしちゃうの。だが北村は生徒会長に惚れてしまう。竜児と出会った大河は、北村にアタックするものの、玉砕。それでも諦めずに関係性を深めようと尽力する。貧乳事変、夏休み海イベント、文化祭の乱(父親との不和、大河争奪戦)、生徒会長戦などのイベントを通して大河をサポートしてくれたのはいつだって竜児だった。その過程で大河は北村の人となりを知っていき、他者期待願望ではなく、高次の感情を知るに至る。そんな竜児と大河の一連のやりとりは父娘ごっこと揶揄されてきたが、今回ついに動きが。クリスマスに際し、大河は今までの竜児の恩を返そうとした。その方法はみのりんとのフラグ構築。だが、竜児とみのりんが結ばれるということは、大河は孤独になるということ。竜児を送り出した後、竜児に縋り依存してきた事実に気づかされる。竜児が自分から離れていくことで、如何に自分が竜児を好いていたかに気づいたのだ。つまり、北村は大河に「恋をする」という感情を教えるための役割を担っていたのである。これで、大河エンドは確定っぽいかね。