雑録

空に刻んだパラレログラム「ダンスマカブル準決勝」の感想・レビュー

玻璃とほたる先輩がこれまでのトラウマと過去の呪縛の根本要因と向き合うはなし。
2軍トーナメント優勝後、選択肢分岐で勝利を目指すと、ダンスマカブルに進める。
準決勝の相手は世代最強チーム。玻璃とほたる先輩には個人的な因縁が立ちはだかる
本作は鬱屈ゲーでもあり毎回毎回玻璃とほたる先輩が精神崩壊するところがおススメ。
主人公くんは自らを犠牲にすることで少女たちを解放しようと試みる!
(玻璃とほたる先輩は主人公くんへの想いを行動原理にしていたため)
主人公くんへの未練を断ったチームは準決勝後半でついに覚醒!勝利するのだった。

ダンスマカブル準決勝 VS世代最強チーム

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  • ダンスマカブルへの出場とトラウマの再発
    • 2軍内トーナメントで優勝後選択肢分岐が発生し、勝利を目指すか楽しくやるかを問われます。ここで勝利を目指すをチョイス。すると、フツーだったら2軍はでることができない全国大会:ダンスマカブルの出場チームの一つに選出されます。1回戦は他校の弱小チームであり難なく撃破するのですが、準決勝の相手がまずかった!なんと世代最強チームとの戦い。しかも玻璃とほたる先輩には、そのチーム相手に個人的な因縁があったのです。それ故、準決勝前にまたしてもチームはスランプに陥ってしまうのです。
    • まずは玻璃について。玻璃はお兄ちゃんのこと好き好き大好き好き好きなのですが、様々な過去の呪縛を抱えていました。愛するお兄ちゃんに正妻が出来たこと。その正妻の影響で上のステージを目指したため玻璃たち幼馴染チームを見捨てたこと。新しい環境で主人公くんは資質を開花させたこと。しかし中学時代の大きな大会で相手のラフプレーにより競技者生命が断たれたこと、ダンスマカブルで優勝したら特典としてお兄ちゃんに最高の医療を受けさせてあげられるかもしれないこと、準決勝の相手の遼二は主人公くんに怪我させた張本人だということ。様々な暗い思いが玻璃に襲い掛かり、またしても玻璃は煩悶するのです。
    • 続いてほたる先輩。本作を通してず~っとほたる先輩は苦悩し続け、一つのことを克服しては再び煩悶するという重くて暗い人物像として描かれていきます。今回の相手はほたる先輩のトラウマの根本要因である蓮先輩。小学校高学年からず~っと蓮先輩と比較の対象とされ続けて来たほたる先輩は、容易にはぬぐい切れない蓮先輩への奴隷根性が植え付けられてしまっていたのです。蓮先輩と直接対決することは、ほたる先輩には耐えきれずメンタルクラッシュさせるのに十分だったのです。



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  • ヒロインズのトラウマを解放するため、主人公くん、再び空へと舞い上がる!
    • 主人公くんはチームの不調の原因を悟っていました。それは玻璃とほたる先輩が主人公くんに行動原理を依存していたということでした。玻璃は優勝特典による主人公くんの治療にいつまでも拘りますし、ほたる先輩はかつて主人公くんとチームを組んでいた過去に囚われすぎていました。
    • そんなヒロインズに活を入れるため、主人公くんは再び空へと舞い上がり、試合を挑むのです!あれ~主人公くんってもう競技できないんじゃなかったの~???。主人公くんが用いたのはドーピング装置。これを装着すれば命と引き換えに競技ができるのさ!!と、いうことで主人公くんはかつて鍛えた技術をいかんなく発揮し、少女らの幻影を打ち砕くのです。ドーピング装置の反動で主人公くんは完全に競技者生命が断たれ、僅かに残されていた可能性を自らの手で断ったのでした。そしてヒロインズに対し、過去の幻影に囚われるのではなく、今の自分のために競技しろと伝えるのです。



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  • 準決勝でついに過去の呪縛の根本要因から解放される!!
    • 準決勝当日。ヒロインズは苦戦を強いられながらも戦いの中で覚醒していきます。トラウマ抱えまくりなヒロインズに対して、一人だけ超元気な柚は皆を支えていくのです。玻璃に対しては初めて競技をした時の動機を語らせ、主人公くんのために飛んだのではなく、自分が楽しいから飛んだんだろぉぉぉという気持ちを掘り起こさせます。さらにほたる先輩に対しては無条件の信頼を寄せることで、トラウマ克服に一役買います。ほたる先輩は主人公くんと同じチームだった時の心地よさにずっと囚われ続けてきました。しかし、それにようやくバイバイし、主人公くんとの関係性のためではなく、自らのために飛ぶことを決意したのでした。こうして、ようやっと玻璃もほたる先輩も長い過去の呪縛から解放され全力を発揮できるようになります。チームのパワーが爆発、相手チームのエース:遼二の怪我もあり、ついに準決勝に勝利するのでした。



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  • 遼二はなぜ最強でなければならなかったのか?
    • ここでは遼二が勝利至上主義となった理由が語られます。理事長の娘であった主人公くんの正妻;紅と、学園の競技者トップであった遼二は何かと引き合わされることがありました。また主人公くんが女の為に競技をすることを快く思っていませんでした。遼二は主人公くんを見下していましたが、何度も何度も主人公くんは女の声援を受けると立ち上がり、徐々に成長していったのです。その姿をみた遼二は紅の声援に対して激しく感情を揺さぶられるようになります。
    • そして中学校大会で、ついに主人公くんの牙が遼二に届きます。前述の背景があり、絶対に負けられない遼二はラフプレイに走り、主人公くんの競技者生命を絶ってしまうのでした。そして、その試合の当日に紅も事故死していたことを知ります。遼二には主人公くんと紅の二人の十字架が背負わされることとなったのです。遼二ができることは、自分が最強であることで、主人公くんは最強と戦って引退したのだと価値づけをおこなうことでした。そのため遼二は最強であることを自らに課したのですね。作中ではライター自身から子供っぽい結論に達したとセルフツッコミもなされています。こうして遼二は勝ちにこだわった無理なプレイばかりするようになり、準決勝で相当な無理をしたため、今度は遼二が競技者生命を絶たれることになってしまったのでした。それほどまでに、遼二は紅のことを愛していたのです。