雑録

金色ラブリッチェ-GoldenTime-「城ヶ崎絢華シナリオ」の感想・レビュー

家の理想化と友達幻想により勝手に自滅したツンギレ菊座少女のギャグゲー。
前半の「家制度」問題はフツーに家長の爺さんが良いお方で解決。
後半の「友達幻想」では絢華と理亜が友情の再確認を行うことで解消。
幼少期のトモダチ、及び主人公くんとの過去はそのままスルーされた。
ギャグ路線とはいえ本編で理亜の葬儀を見た後に、理亜が生きている状態で他ヒロイン攻略はキツイ。
(理亜が死んだ後、相互依存な傷の舐め合い展開では駄目だったんですかね?シリアスすぎ?)

「家制度」問題も「友達幻想」も勝手に絢華が自滅してるだけなの。

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  • 家制度問題
    • 城ヶ崎絢華は、庶民を見下し主人公くんを学園から排除しようとしていたツンギレ少女。絢華がハイクラスに拘り庶民を卑下するのは、その出自に理由がありました。絢華の実母は集団アイドルグループの一員であり、テレビ局のヤリチンに孕ませられ、その結果誕生した私生児が絢華だったのです。アイドルを引退した後の母親は中卒で金に困って困窮した挙句、スキャンダルの餌として絢華を売ったのでした。紆余曲折を経て最終的には認知され、城ヶ崎家に引き取られることになった絢華は、かつての母子家庭の極貧プロレタリアートから、有産階級に転じたのです。しかしこの時、周囲から成金とからかわれてしまうのでした。それは小学生ならではの、異質な者に対する残酷な排斥。イジメ問題は深く絢華を傷つけたのでした。そんな絢華を救ったのが城ヶ崎ジジイであったため、絢華は家のために自分が役に立つことを、自己の生存理由として生きる糧とすることになります。つまりは、まぁ絢華が勝手に家や階級に依存していただけで、誰も絢華に強制などしていなかったのですね。城ヶ崎ジジイも会ってみたらフツーに孫思いの良い爺さんでした。シナリオは基本的にギャグ路線なので、古典作品を踏まえながら見合いをぶち壊しに行くぞー☆的なノリですし、見合い相手はエルの兄ちゃんでしたーって感じ。

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  • 友達幻想
    • 絢華ルートの第二の問題が友達幻想。絢華はトモダチの定義に拘っており、自分にはトモダチはいないと言い張るのです。これには二つの理由があり、一つ目が上述した幼少期のトラウマ。成金とイジメられた際に、階級的対応をしたため、悪ガキ共から「トモダチがいないくせに」と当てこすられたことから来ていました。これにより絢華は安易に人間関係をトモダチと認められなくなってしまったのです。二つ目の理由が理亜との関係について。絢華は中学時代に理亜の音楽性に惚れ、理亜をプロデュースし世界に羽ばたかせることで自分の友情を示そうとしたのです。しかし、理亜はネットでブレイクし、もう既に遠い存在となってしまっていました。そして理亜は心許した者の前では無防備になるのですが、主人公くんやシルヴィの前では安心して眠るものの、絢華に甘えたことなど一度もなかったのです。これが絢華のトモダチ観念に深い影を落としていたのです。
    • では、最終的にどのような解決を見たのでしょうか?なんかアッサリ片付きます。トモダチであることを頑なに認めない絢華ですが、根本的には善人であり、他者には好意を以て接してしまうのが性分だと解説されます。そして、理亜が絢華の為に歌手としての活動を再開しようとしていることが判明すれば、これでもう問題解決さ。マリア=ビショップは理亜と絢華で作り出したものなんだぜ?→マリアの髪を黒髪ロングにしたのも絢華のため!→絢華と主人公くんが子供を作ったら名前はアリアにしてくれ!(※絢華と理亜でアリア)→そしてついに理亜が絢華にも甘えて膝枕で眠る!!以上のコンボが繰り出され、絢華と理亜の友情が再確認されます。こうして絢華の友達幻想は解消されたのでした。

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  • その他雑感
    • 主人公くんとの過去の想い出
      • 絢華と主人公くんは過去に会っているのですが、お互いがそれに気づいていません。絢華が胸に抱いている初恋の男の子は主人公くんなのです。絢華シナリオでは、この伏線がどのように回収されるのかがプレイヤーの関心となっていたのですが・・・なんと最後まで解決することはありませんでした。ただ絢華が如何にしてアナル大好き少女となったのか?というきっかけとして使用されただけに過ぎなかったのです。幼少期、主人公くんは三馬鹿トリオを組んでいたのですが、そのうちの一人がカンチョーをかまし絢華の肛門を傷つけてしまったのです。それを治療したのが菊座にワセリンを塗ってあげた主人公くんであり、以来絢華はそのことを思い出してはアナニーに耽るようになっていったのでした。てっきりこの過去の想い出の少年=主人公くんということは回収される伏線だと思っていたのですが、エンドロール後のエピローグでも、謎として残ったのでした。情緒や余韻や複数解釈を残すためか?
    • 本編で理亜の葬儀を読んだのに、理亜が生きている状態で他ヒロインを攻略するのはキツイよね
      • 理亜は不治の病であり、余命いくばくもありません。そのため本編では主人公くんにゾッコンラブな理亜が、恋のキューピッドとして、主人公くんの背中を後押しするのです。理亜シナリオを先に見てしまうと理亜しか攻略する気がなくなるので、本編ではちゃんとシナリオロックもかかっています。攻略ヒロイン全員終えてルート解放された後、グランドエンドに突入。理亜の真意を知り、死ぬまでの時間を全うし、火葬するところに作品の主題が集中していたといっても過言ではありません。にも、かかわらず、嗚呼、それにもかかわらず。理亜が生きているのに、どうして他ヒロインを攻略するなど出来ましょう?・・・シナリオが重いテーマになってしまったとしても、せめて理亜との関係性が深い絢華は、死んだ後の話にして欲しかったものよ・・・ああけどそんなシリアスは顧客層において誰も望んでいないのか?

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