金色ラブリッチェ-GoldenTime-「ミナ√」の感想・レビュー

「恋愛とは何か」や「自分探し」を模索するキャラゲー
日常を丁寧に描いている分、意外性のあるイベントは起こらず、平常運行。
やや引き延ばしにも感ぜられてしまい、途中でウトウト眠ってしまった・・・すみません。
しかも最終的に主人公くんの「自分探し」は「王女に釣り合う自分」に帰結される。
故に具体的にどうこうという自分像はついに見つける事ができなかったのである!
最後はミナが自分の意志で主人公と交際することを宣言し幕を閉じる。

不確実なものや未解決のものを受容できる力を!

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  • 具体的な目標を見つけることだけが問題解決の方法ではないことを知れ。
    • ミナ√のシナリオで押さえておくのは以下の三点。すなわち(1)「王女と釣り合うように主人公くんがミナからマナー講座を受ける」、(2)「恋愛を知らないミナが愛や恋について考える」、(3)「主人公くんが夢中になれる事をみつけようとする」。これらがシナリオの根幹となっており、焦らないでゆっくりと丁寧に描いているといえば聞こえは良いのですが・・・。行きつ戻りつしながら延々と尺稼ぎが成されるような状態なのです。例えるなら螺旋階段を上っているような感じです。同じようなイベントが繰り返され、主人公くんも「自分探し」の煩悶をズルズルと引き摺って行きます。
    • ミナからのマナー講座も内容はほぼカット。具体的な事例が挙げられて主人公くんがマナーを学んでいくという形ならまだ面白く読めそうなのですが・・・内容が無いよう。身につけたマナーを発揮するイベントもありませんでした(シルヴィア√でやったからかね?)。また、主人公くんが普段上流階級の文化を教わっているお返しとして庶民の文化をデートで教えてあげるという展開になるのですが、たこ焼きスタバ、縁日ヨーヨー、コンビニ肉まんと同じような出来事を繰り返しているかのような感じ。ミナはとても可愛いのですが、キャラの可愛さの消費だけに頼ってるキャラゲーのノリ。FDなので、それが満たされれば充分なのかもしれません。主人公くんが買ってあげた口紅をつけたミナがそれに気づいて欲しがる描写とか良かったですしね。
    • そして、最後は主人公くんの「自分探し問題」。本作は学校の授業に「エキスパートクラス」があることが特性として挙げられており、自分の専門性を深めることが重要視されています。それ故、これまで打ち込んできた野球に挫折した主人公くんが新たな生き甲斐を模索する描写が何回も何回も出てくるのですが・・・結局、ミナ√では具体的な目標は見つかりませんでした。「王女であるミナと釣り合うようにこれからも努力していきます!」という流れ。安易な目標を作って、それに逃げるのではなく、不確実で未解決な将来でも二人で乗り越えていくんだ!とネガティブ・ケイパビリティな話となっています。
    • 終局部ではようやく主人公くんとの関係を主体的に公表する気になったミナが、みんなの前で交際宣言をするというオチになります。

ひたすら自分探しをする主人公くん劇場

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