【史料】90年代末期~ゼロ年代前半における当時の新聞報道の『北へ。』に関する記事

コンテンツツーリズム論演習で使う用のメモ。
当時の新聞報道を読んでいると、拓銀の経営破綻により深刻な不況となった北海道経済を再生するため他都府県からの観光客誘致を狙ったゲームだったことが分かる。

【目次】『北へ。』に関する各新聞記事

1998年

「夏休み道内観光 ゲーム機で*体験型ソフト来年2月発売*ハドソン*声優同行 “本物”ツアーも計画」1998年7月23日 、北海道新聞朝刊 、11頁

 ゲームソフト制作のハドソン(本社・札幌)は二十二日、道内の観光旅行を疑似体験できるゲームソフト「北へ」を、来年二月に発売すると発表した。
 セガ・エンタープライゼスが十一月に発売する次世代ゲーム機ドリームキャスト」対応のソフト。「北へ」はトラベルシミュレーションゲームで、主人公の高校二年の男の子が、夏休みに札幌や小樽、富良野などを訪ね、そこでさまざまな女性に出会う、という設定。時計台やラベンダー畑など観光地の実写風景が織り込まれており、北海道観光の気分を味わえる。価格は未定。
 同社は、道内企業を中心とした実行委員会が取り組んでいる北海道活性化キャンペーン「MOVE ON 北海道=北からの声かけ運動」に協賛し、その一環として「北へ」を制作。「北へ」の発売に合わせ、大手旅行会社と協力して、ゲームに登場する声優が同行する北海道観光ツアーも計画している。

「TVゲームで北海道の魅力をPR ハドソン(情報ファイル)」1998年7月23日、朝日新聞朝刊、13頁

ハドソン(本社・札幌市)は北海道の魅力をアピールするテレビゲームソフト「北へ。」を来年2月発売をめどに開発する。北海道拓殖銀行の破たんなどで経済の落ち込みが深刻な北海道の活性化キャンペーンの一環と銘打っている。ハドソンとしては、セガ・エンタープライゼスの新型ゲーム機「ドリームキャスト」対応の第1弾ソフトにもなる。高校2年の男子が北海道を旅行しながら、8人の少女と出会う内容。発売にあわせて、北海道への旅行ツアーやキャラクターグッズの販売なども計画している。

セガの新型ゲーム機向け、ハドソンがソフト――第1弾は旅行・恋愛もの。」1998年7月23日、日経産業新聞、3頁

ハドソンは二十二日、セガ・エンタープライゼスの新型ゲーム機「ドリームキャスト」にソフト開発メーカーとして参入すると発表した。第一弾は旅行と恋愛を組み合わせたシミュレーションゲーム「北へ」で、来年二月発売する予定。続けて三―四タイトルを発売する計画。中堅・大手クラスのゲームソフトメーカーの参入表明は初めて。
 「北へ」は高校二年生の主人公(プレーヤー)が夏休みを利用して札幌や富良野など北海道の観光スポットを巡りながら八人の女性と出会い、思い出を作る。そして冬休みに再び北海道を訪れ様々なイベントに遭遇する――という内容。ゲーム画面は実写による観光地映像とアニメによるキャラクターの合成で出来ており、ちょっとした観光案内にもなる。
 北海道では現在、冷え込みが続く道内経済を復興させようというキャンペーン「MOVE ON北海道=北からの声かけ運動」が始まっており、「北へ」はその協賛ソフトになっている。このため、ゲームにドリームキャストの特色でもあるインターネット機能を活用する試みを盛り込み、プレーヤーがゲームの前後にゲーム専用のホームページにアクセスして、旅行会社のツアー案内や道内のグルメ情報を入手できるよう工夫する。さらにホームページ上でキャラの人気ランキングや懸賞なども企画する。価格は未定。

「ハドソン、北海道が舞台のゲームソフト――セガ新型機用、来年2月に。」1998年7月23日、日本経済新聞、地方経済面、北海道、1頁

ゲームソフト販売のハドソン(札幌市、工藤浩社長)は二十二日、北海道を舞台とするシミュレーションゲーム北へ。」を来年二月に発売すると発表した。セガ・エンタープライゼスが今年十一月に発売する新型ゲーム機「ドリームキャスト」用のゲームで、ハドソンの同機対応ソフトの第一弾となる。ゲームは主人公の男子高校生が夏休みに札幌を訪れるところから始まる。主人公は十四日間をかけて札幌のほか、小樽や富良野など道内の観光スポットを回り、様々な人と出会っていく。その後、冬休みに再び札幌を訪れ、大通公園のイルミネーションの中でエンディングを迎える予定になっている。
 観光スポットの映像には実際の写真を用いているため、「ゲームで遊びながら北海道の魅力を堪能できるようになっている」(ハドソン)という。

「ゲームソフト「北へ。」--ハドソンが来年2月発売 /北海道」1998年7月23日、毎日新聞地方版、北海道

 ◇「道内旅行を体験して」
 ゲームソフトメーカーのハドソン(本社・札幌市、工藤浩社長)は22日、テレビゲームで道内旅行を体験できる「北へ。」を来年2月に発売すると発表した。セガ・エンタープライゼスの新型ゲーム機「ドリームキャスト」(今年11月発売予定)に対応するゲームソフトで、ゲームを通じて北海道の魅力を全国にアピールする。
 「北へ。」は高校2年生の主人公が14日間の夏休みを利用し、札幌を訪ねるところからスタート。道庁赤レンガ庁舎や札幌時計台、小樽、富良野など実在の観光スポットで8人の女の子と出会い、思い出を作る--という内容。
 ゲームには縁のなかった層も対象とし、ファン向けの旅行ツアーなど観光振興に役立つような企画も検討している。
 同社は「明るい話題の少ない道内経済を少しでも活性化できれば」と話している。
価格は未定。【筑井直樹】

「黄金岬の風景ゲームに*ソフト会社「ハドソン」*留萌での観光場面撮影」1998年7月29日、北海道新聞夕刊道北 、9頁

【留萌】道内観光を疑似体験できるゲームソフト「北へ」を製作中のハドソン(本社・札幌)の撮影班がこのほど、留萌入りし、黄金岬などの撮影を行った。
 このソフトは主人公である東京の高校二年の男の子が、夏休みに北海道を訪ねるトラベルシミュレーションゲームで、来年二月に発売される。
 留萌は黄金岬の夕景、留萌駅での電車の乗り降り場面、浜中海水浴場の三カ所が登場する予定。撮影班によると、ある女性と出会い、観光するシーンに採用され、ゲームのクライマックスの大切な場面ばかりという。
 ほかに札幌、小樽、富良野の観光写真が盛り込まれる。
 セガ・エンタープライゼスが十一月に発売するゲーム機「ドリームキャスト」対応ソフトになる。

「こうすれば?! 北海道再生」1998年08月01日、朝日新聞夕刊、3頁

●北海道を掘り下げる
 育成ゲーム機能付き歩数計「てくてくエンジェル」などをヒットさせたソフト会社ハドソン(札幌市)の工藤浩社長(四四)も「北海道でソフトを開発する利点を聞かれるのが、一番難しい質問だ」という。社長自身、一週間か十日に一度は東京出張する必要がある。「北海道で生まれ、ここが好きだから動かないだけ。ある程度収入があれば家も車も持て、週末に遊びに行く場所も多い。こののびのびした環境は代え難い」
 以前は東京にも開発部門があったが、十年前に札幌への転勤希望を募ったら、二、三十人のスタッフ全員が手を挙げた。それを機に東京での開発は取りやめたという。
 先月、新しいゲームソフト「北へ。」の開発を発表。高校生の男の子が北海道を訪れ、女の子たちと出あう設定で、観光地の写真と組み合わせ、北海道に行ってみたい気持ちを起こさせるのが狙いだ。「この不景気を何とかしなければと、企画を温めてきた。評判がよければ、さらに北海道を掘り下げた作品を作るつもりです」

「不況に負けるな!! ゲームで地域活性化--北海道は観光案内ソフト」1998年8月1日、毎日新聞東京夕刊、11頁

 ◇北海道は観光案内ソフト、高知はコンテスト開催
 深刻な不況の中、地域活性化への願いをゲームソフトに託す自治体や企業が出始めた。札幌市の大手ゲームメーカーは北海道の観光スポット紹介を兼ねたアドベンチャーゲームを企画し、「低迷する北海道経済を景気づけたい」と話す高知県でも県や民間企業が主体となって、ゲームソフトの企画を募るコンテストを開催し、地域振興の起爆剤にしようとしている。1兆円市場に急成長したゲーム業界だが、その御利益がありますか--。
 北海道拓殖銀行が昨年11月に経営破たんした北海道では、昨年12月から今年5月までに倒産やリストラで約3万5000人が職を失うなど厳しい不況に苦しんでいる。
 道内の民間企業などは地域に活気を取り戻すため「MOVE ON北海道=北からの声かけ運動」を進めているが、その一環として札幌市の大手ゲームメーカー「ハドソン」(工藤浩社長)が、北海道旅行をテーマにしたゲームソフトを企画した。タイトルは「北へ。」で、来年2月の発売を予定している。

 男子高校生の主人公が夏休みを利用して道内を旅する。各地で8人の女の子と出会う中、さまざまなできごとを楽しむアドベンチャーゲームで、観光スポットが実写で紹介される。
 工藤社長は「北海道は暗い話題ばかり。若者の目をゲームで北海道に向けたい」と話している。
 一方、高知県では県や民間が進める「幡多四万十デジタルビレッジ」構想のひとつとして、ゲームソフト企画のコンテストが開かれる。ソフトに使用するキャラクターやゲームの企画の募集を今月から始め、応募者と地元の交流を通し、地域の活性化を目指す。
 コンテストを運営する同県情報企画課は「県西部の幡多地域は交通の便が悪く、全国でも東京駅から最も時間がかかる地区の一つ。この地域に関心を向けてもらうために企画した」と話している。【小野博宣】

「スクリーンから愛のメッセージ*新ゲームPRで*札幌、東京」1998年12月19日、北海道新聞夕刊地方 、9頁

 「ずっと一緒にいよッ 大好き」。一般から募った愛のメッセージが二十五日まで、札幌市中央区の4丁目プラザと東京・原宿の大型街頭スクリーンを飾っている。
 名付けて「クリスマス・ラブ・ビジョン」。ゲームソフト製作のハドソン(本社・札幌)が来年二月に発売する恋愛シミュレーションゲームのPRの一環。抽選で選んだメッセージの文字やイラストを、一通につき十五秒、毎日二十通ずつ流す。
 札幌では午後六時から一日一回、東京では一日十二回放映し、十一日から二十五日までの期間中に計三百通が流れる。集まった約三千三百通の八割は女性からといい、自分たちのメッセージを背に、ビデオ撮影するカップルも。メッセージは二十四日まで、はがきやFAXで受け付けている。問い合わせはラブビジョン札幌事務局(電)011・222・7288へ。

1999年

「札幌のソフト制作会社*地球岬の映像 ゲームに*登別も*「PRになる」地元歓迎」1999年1月26日、北海道新聞夕刊地方 、8頁

 ゲームソフト制作のハドソン(本社・札幌)が、三月に発売を予定しているゲームソフト「北へ。」に、室蘭市内の地球岬登別温泉の地獄谷が登場する。実写を取り込んだ映像を背景に、ゲームの主人公が道内の観光地を旅行する内容で、地元のPRに一役買ってくれそうだ
 ゲームは主人公の男の子が道内各地を訪れ、女性に出会って思い出をつくっていく-という設定。地球岬や地獄谷、登別温泉街のホテルなどの実写を背景に、女性が主人公を案内しながら、会話形式で物語が進み、観光気分が味わえるようになっている。
 同社によると「地球岬や地獄谷は観光スポットとして人気があると聞いたので登場させた」という。室蘭観光協会は「地球岬がゲームに取り上げられるのは初めて。全国へのPRになってくれれば」と期待している。
 セガ・エンタープライゼスが昨年十一月に発売した次世代ゲーム機ドリームキャスト」の対応ソフト。発売日は三月十八日で、定価は五千八百円(税別)。

「3月全国発売のゲームソフト「北へ」*函館の実写風景が登場*駅前など34カ所*ハドソンが開発*観光ガイドでもPR」、1999年1月28日、北海道新聞夕刊地方、15頁

3月全国発売のゲームソフト「北へ」*函館の実写風景が登場*駅前など34カ所*ハドソンが開発*観光ガイドでもPR
 ゲームソフト製作の「ハドソン」(本社・札幌、工藤浩社長)が三月十八日に全国発売するソフト「北へ」に、函館の観光地や店舗などの実写風景が三十四カ所登場する。北海道の活性化キャンペーンに参加する同社は「観光ガイドとしてもPRしたい」とソフトの製作を急ピッチで進めている。(大野 日出明)
 「北へ」は、高校二年生の男の子にふんするプレーヤーが北海道旅行を通じて八人の女の子と出会う夏編と、再会を果たす冬編に分かれる。選択する会話や態度によって進行が変わる「トラベルコミュニケーション」ゲームの一つだ。
 昨年夏、道内各地の風景などを取材、撮影し、ゲームの背景に静止画で取り込んだ。函館のカットは札幌、小樽に次いで多く、JR函館駅前周辺や西部地区の観光スポット、市民に親しみのある飲食店など三十四カ所が収録されている。
 ロシア料理店「カチューシャ」(梁川町一二)は、男女がロシアンティーを飲む設定で登場する。経営する吉田和子さん(47)は「雑誌などで店が登場しても驚かない息子が、今回に限ってはびっくりしています」と身近な反響に大喜び。
 ハドソンは今回のソフト発売を通じて、道全体の活性化を図る「MOVE ON 北海道=北からの声かけ運動」(実行委員会主催)に参加している。同社は「観光面でお役に立てるのではないでしょうか」と期待しており、「地元の方にもなじみ深い風景が多く、これまでのゲームと違った楽しみ方ができるはずです」とPRする。
 「北へ」は、昨年十一月に発売された家庭用新型ゲーム機「ドリームキャスト」に対応するハドソンの第一弾ソフト。五千八百円(税別)。

「北へWhiteIllumination、実在の店が現実感演出(電脳遊戯)」1999年4月17日、日本経済新聞朝刊、33頁

 「北へ。White Illumination」(ハドソン、ドリームキャスト用)は、ドリームキャスト初のギャルゲー(若い女性が登場するゲーム)である。
 主人公(プレーヤー)である高校2年生の男の子は、夏休みに北海道に旅行し、様々な女の子たちと出会う。そして冬休み。彼は、大みそかのカウントダウンの夜を一番好きな女の子と迎えるために再び北海道を訪れる、というお話だ。
 ギャルゲーの基本は選択肢による会話。選択肢から適切なものを選べば女の子の評価があがっていく。その積み重ねでラストの成否が決まるわけだ。「北へ。」では、相手の会話に割り込める「コミュニケーション・ブレイク・システム」というちょっと新しい仕組みが採用されている。会話の適当なところでボタンを押すと選択肢が現れ、突っ込みを入れたり話題を変えることができるのだ。
 タイミングを逃すと、「気まずい沈黙が流れた……」てなことになるので、結構気が抜けない。さすがに現実の会話のようにはいかないが、セリフをしっかり聞かせるにはなかなかの効果を上げている。
 徹底して実在の場所や店が登場するのも珍しい。あまり面白くなさそうなデートスポットも入っていて、タイアップ色いっぱいなのであるが、実写の背景とキャラクターとの合成は予想に反して自然で、そんな場所の登場がリアリティーを上げるのには確かに一役買っている。
 男の子が出会う女の子は全部で8人いるが、悩みやコンプレックスを抱えたキャラクターも多く、バリエーション豊富な展開が用意されている。テレビや映画だったら、ちょっと出来過ぎと感じるような物語も、ゲームとしてはかえって分かりやすく好感が持てる。
 すべてのシナリオを楽しむためには、何度もプレーして、前とは違ったシナリオを探していく必要があるが、ひとつのシナリオはそれほど長くないし、一度聞いたセリフは素早くスキップすることもできるので、繰り返し遊ぶのは苦痛ではない。
 新しいハードというと、派手なグラフィックスのアクションゲームが注目されがちだが、理解しやすいシンプルなシステムでのんびり遊べるこうしたソフトも重要なんである。
(CGイラストレーター 木村 菱治)

2000年

「ハドソン、iモード向けゲーム、パソコンとも連動――両方のユーザー取り込む。」2000年2月22日、日経産業新聞、3頁

 ゲームソフト大手のハドソン(札幌市、工藤浩社長)は三月から、NTTドコモの携帯電話向け情報提供サービス「iモード」向けに、iモードからでもパソコンからでも参加できる、新しいタイプのネットワークゲームの配信を始める。iモードへのゲーム提供はゲームやがん具各社が相次ぎ手掛けているが、ネット経由のパソコンとの連動型は初めて。自宅のパソコンや外出中の携帯電話で同じゲームに参加できる利点をアピールし、双方のユーザーを取り込む。
〔……〕五月には対話型の旅行ゲーム「北へ。iモード版」を追加。架空の女性キャラクターとメールのやり取りをしながら北海道を旅行するストーリー。iモードでゲームを進める一方で、インターネットから実際の観光情報を取り込みゲームの進行に活用できるという。
 ハドソンはパソコンを使ったネット上のゲームサービスを始めており、サーバー運営などのノウハウを蓄積している。
 加入者が四百万人を突破したiモードに参入するに当たり、従来のネットゲーム事業と融合させ、付加価値を高める。
パソコン(上)とiモード(下)の双方から同じゲームに参加できる

2001年

「ハドソン、次世代携帯用にゲーム――ドコモ向け30種供給。」2001年6月13日、日本経済新聞 朝刊 13ページ

 ハドソンはNTTドコモの次世代携帯電話「FOMA(フォーマ)」向けのゲームを三十種類開発、供給を始めた。FOMAは動画のスムーズなやり取りや高速データ通信が可能な新方式で、NTTドコモが五月三十日から試験サービスを始めている。ハドソンは年内の商用サービス開始をにらみ、ゲーム供給で先行する。
 ハドソンがFOMA向けに供給を始めたのはレーシングゲームの「ミラクルGP」、将棋ゲームの「森田将棋」、ゲーム上のキャラクターとメールのやり取りをしながらストーリーを進めるメールゲーム「メールドラマ北へ。」など。
 大半はすでにインターネットに対応したNTTドコモの携帯電話サービス「iアプリ」向けに同名で提供しているが、高速・高精度なFOMA向けに内容を作り直した。
 ハドソンはFOMA向けのゲームを自社ブランドでNTTドコモに供給するほか、他のゲームメーカーなどからの開発業務の受託も強化し、現在は三割程度の開発受託を五割程度に引き上げる。同社はネットワーク関連分野で二〇〇二年二月期に部門売上高二十億円(前の期は二億一千万円)を目指す。

2003年

「上士幌の喫茶店「TEEPEE」*ゲームソフトに登場*ヒロインのデートスポットに*制作者ら取材、店内を撮影 「ログハウス、北海道らしい」」2003年1月29日、北海道新聞夕刊地方、15頁

 【上士幌】町上士幌九三にある喫茶店「TEEPEE(ティーピー)」が、今年夏に発売予定のゲームソフト「北へ。ダイヤモンドダスト~」(プレイステーション2用)の一場面に登場することが決まり、このほど制作元のソフト開発会社「ハドソン」(本社・札幌)のゲームデザイナーらが同店を取材した。
 このゲームソフトは一九九九年三月に発売された「北へ。ホワイトイルミネーション~」(ドリームキャスト用)の続編で、主人公が道内の観光地を訪れ女の子との恋をはぐくむゲーム。第一作は富良野小樽運河などが舞台で「北海道を旅行している気分になれる」と、全国で人気を集め約八万本を売り上げた。
 第二作では道内四百カ所が登場し、ヒロインの一人がお菓子屋に勤める設定。同社の三井啓介プロデューサー(38)は「お菓子といえば帯広。十勝を舞台の一つに選んだ」と言う。
 具体的な場所として「TEEPEE」を推薦したのは同社のゲームデザイナーの川口誠さん(28)。同店は、店内に自家栽培のハーブとドライフラワーが所狭しと並ぶログハウス。「約十年前に旅行で立ち寄った時、野性味あふれるハーブが印象的だった」と、当時の思い出を語る。
 取材に訪れた川口さんらは、店内をデジタルカメラとビデオカメラで撮影し「木のぬくもりが北海道らしく、道外のプレーヤーが喜びそう」。同店オーナーの前田真理子さんは「主人公とヒロインがデートする舞台になると聞き、うれしい」と話す。
 撮影した場面は加工されてゲームに取り込まれる。
 撮影は四月まで行われ、十勝管内ではほかにおびひろ氷まつりや、おびひろ動物園などが登場する予定。

「[ゲーム&モバイル]北へ。~Diamond Dust~/ハドソン」2003年11月4日、読売新聞東京夕刊、10頁

 北海道の街々でヒロインたちとコミュニケーションを楽しむ、旅と恋愛がテーマのゲーム。
 主人公は男子大学生。夏休みに北海道全域を車で旅し、札幌、函館、旭川、北見、帯広に住むヒロイン5人と出会って夏の思い出を作る。主人公の行動や会話により、5人を巡る物語は変化する。冬になり、そのうちの1人と再会し、幻想的なダイヤモンドダストを一緒に見ることができればハッピーエンドだ。
 ヒロインとの会話には、臨場感を出すため、独自の工夫が用意されている。プレーヤーは相手のせりふに割り込んで自分のせりふを選択、すると、それに反応して相手のせりふも変わっていくというものだ。ヒロインへの思い入れが強ければ、生の会話をしている気分になれるかもしれない。
 ストーリーは男性向けだが、旅好きの女性にもお薦めできる。実在の観光名所や店舗など約300か所の実写映像と動画が見られ、ゲーム中、約100か所に寄り道できる。ドラマと旅を、好みによってそれぞれ別々に楽しむのもよさそうだ。(す)
 ※プレイステーション2対応
 ※旅情かき立て度★★★★★

2004年

「函館実在の店が登場*ハドソンの新ゲームソフト*「北へ。」シリーズの3作目」2004年12月1日 、北海道新聞夕刊地方、17頁

 ゲームソフトメーカーのハドソン(札幌)がこのほど発売したプレイステーション2用のゲームソフト「北へ。~Diamond Dust+Kiss is Beginning~」の中で、函館市内の観光地や実在の店舗が登場し、ゲーム愛好者らの間で話題になっている。
 このゲームソフトは主人公が道内の観光地を訪れて、登場人物と会話をしながら、ストーリーを作り上げていくというトラベルコミュニケーションのゲームで、「北へ。」シリーズとしては三作目。
 ゲームの背景は、デジタルカメラで撮影された道内各地の店や観光地の実写の風景が使用され、前作の「北へ。~Diamond Dust」と今作を合わせ、函館地区だけでも七十カ所が登場している。
 今作では、ヒロインの一人茜木温子が函館朝市にある「茜木鮮魚店」(架空)の看板娘という設定で登場。ゲームをプレイしていくと、湯の川プリンスホテル渚亭や、ラッキーピエロ、東日本フェリーターミナルなど、親しみのある街並みや店舗などが次々と登場する。
 「ラッキーピエロ」の王未来部長は、実際にゲームに挑戦し、「画面のなかで、店が『ラッピ』と呼ばれていたり、親しみがわきました」。
 ハドソンは「ゲームに登場した場所や店を実際に訪れて楽しんでいる人も多く、ゲームに登場することを許可していただいたお店や観光地の方への恩返しになれば幸いです」と話している。
 「北へ。~Diamond Dust+Kiss is Beginning~」の価格は七千百四十円。
(押野友美)