(1)19世紀後半の世界の一体化
- ①工業化→原料供給地・製品市場に加えて、資本の投下先や労働力の移動先を求める。
- ②経済活動の膨張→世界市場のはたらきが各地の経済を連動化
(3)資本主義の最高段階としての帝国主義 【金融資本・独占資本・資本輸出】
- ①金融資本
- 新産業は巨額の設備投資が必要。米・独では資本が十分にない状態でも高価な機械を導入せざるを得ない→産業設備用の資本(産業資本)を獲得するにはどうすればいい!?→銀行からの融資が不可欠となり、企業と銀行が密接に結びつく→銀行資本と産業資本が融合し金融資本が生まれる!
- ②独占資本
- (a)少数大企業の支配
- 多くの産業では大量に生産するほど利潤が増大する規模の利益(スケールメリット)が働く→現代では少数の大企業が市場を支配する寡占市場が主になっている。
- 基幹部門における大規模な設備投資の必要性→少数の大企業に生産が集中→巨額の資本調達・相互利益を守るため独占体が形成される。
- (b)企業の巨大化
- (a)少数大企業の支配
- ③資本輸出
- 背景
- 主要国の資本主義が発展 → 相互競合が激しくなる → 植民地の重要性の見直し
- 植民地の役割
- 資源供給地、輸出市場の獲得!
- 商品輸出に加えて資本輸出(外国政府への借款供与や鉄道建設への投資など)が活発化
- 背景
(4)帝国主義の展開
(5)世界の再分割とベルエポック
- ①ドイツの膨張
- 世界の再分割…ドイツのヴィルヘルム2世が即位して世界政策を展開。他の列強の植民地や勢力圏の再配分(再分割)を要求して、イギリスとの対立を深める。
- ③ベルエポック(すばらしい時代)~ヨーロッパ諸国の一大繁栄期~
- ヨーロッパの一大繁栄期(19世紀末から好景気が持続)
- 世紀末文化…列強の主要都市では成熟した市民文化が広がる。退廃や諦念を表現したのは、近代文明の物質主義や進歩主義への批判であった。
- ベルエポック…近代文明や科学の進歩の信頼にささえられて、未来を楽観的にみる気運が強まり、大戦前の十数年間はベルエポック(すばらしい時代)と呼ばれる。
(6)資本主義社会
- ①労働力移動 ←19世紀後半からかつてない規模で発生
- a)国内移動…工業化により農村から大都市へ人口移動。都市に大量の非熟練労働者や事務職員が集中。
- b)国外移動…鉄道網や船舶輸送の発達により、南北アメリカへの大量の移民をも容易にする。
- ②資本主義的生活様式
- ③資本主義と大衆運動
- 社会的弱者の不満
- 労働者:低賃金・劣悪労働条件に苦しむ
- 農民:大不況のなかで経済再編の波に晒される
- 女性:参政権が与えられず
- 政府の弾圧と譲歩
- 大衆運動に直面した国家は、従来の弾圧策だけでなく、ある程度譲歩して、社会立法によって労働大衆を体制内に組み込む方策をとる。
- 社会的弱者の不満