国民国家形成【1】フランス革命の余波~ナショナリズムの昂揚~

1.フランス革命の意義と国民意識の広がり

(1)近代市民社会の法の諸原理

  • 大陸制覇を目指すナポレオン支配は『ナポレオン法典』等を通して、革命の原理を、各地に浸透。
    • →法の前の平等・私有財産の不可侵・契約の自由など!

(2)国民意識の形成

  • フランスの場合…革命に対する諸国の干渉を排除しようと国民軍が形成され、国民意識が強まる。
  • 各国の場合…フランスの支配に対する反対運動
  • 例:プロイセン ~プロイセン改革~
    • 背景:ナポレオン軍の侵入よる国家的破局(イエナの戦い→ティルジット条約)を契機として1807年以降、「上からの近代化」政策が進められる。
    • 改革の具体的内容
    • プロイセン改革の結果と意義
      • 結果:ユンカー(地主貴族)層の勢力が強まり、ユンカー出身者が官僚や将校として、プロイセンの政治や経済の中核を担うようになる。
      • 意義:プロイセンドイツ統一の中心となっていく。

(3)なぜ国民国家は形成されたのか?

  • ①理由
    • 世界的な分業体制の中で自地域の国際的上昇を図るため。
      • 中核:産業社会への対応のため同質の文化を持つ「国民」労働者の育成が必要だったから。
      • 半周辺:中核となった諸国に対抗するため、自らも強力な国家を作り上げる必要に迫られたから。
      • 周辺:列強の圧迫に抵抗する植民地独立運動を展開する必要があったから。
  • ②手段
    • 特権階級だけが国家を作るのではなく、国民意識を高揚させて、「国民」が国家を支える体制を作る!
  • ③方法
    • 幅広い人々に「国民」としての意識を持たせるためにはどうすればいいか?
      • 自由と平等というフランス革命の基本となった考え方を取り入れて、社会と政治の改革を進めることが不可欠!
      • 知識人による教育や宣伝…フィヒテドイツ国民に告ぐ』
      • 団結のシンボルの創出…国家・国旗・国史・国語・戦勝記念碑・国民的英雄崇拝など
      • 「国語」による新聞や小説の発行