近現代西アジア史【３】近現代イスラーム世界・周辺地域

1.サウジアラビア

• 1924　イブン＝サウードがワッハーブ国の再建を目指して、アラブ独立運動の指導者であったヒジャーズ王国のフサインを破る。
• 1926　イブン＝サウードがヒジャーズ=ネジド王国を建国　
• 1927　英とジェッダ条約を結んで王国が承認される
• 1932　ヒジャーズ=ネジド王国、アラビア半島の大部分を統一。サウジアラビア王国成立
  • ☆サウード家に追放されたメッカ太守のハーシム家の動向
    • 英はイラク王にフサインの子ファイサルを据え宥和⇒32年委任統治終了、イラク王国
    • 英はトランスヨルダン王にフサインの子アブドッラーを据え宥和⇒46年委任統治終了、ヨルダン王国

2.アフガニスタン

地理的にはイランとパキスタンと中央ユーラシアに挟まれた位置。

(1)ドゥッラーニー朝(1747-1818,39-42)

• アフシャール朝軍団に組み込まれていたアフガン人が建国。アフガニスタンはイランから自立することになった。この王朝の支配領域がほぼ現在のアフガニスタン。

(2)イギリスの侵略に対する抵抗

• ①カージャール朝から独立
  • ロシア支援下のカージャール朝が侵攻してくるが、ロシアの南下を怖れるイギリスの支援で独立に成功する。
• ②アフガン戦争
  • イギリスがロシアの南下に対抗して行った3回にわたる侵略戦争。第1回ではイギリスが完敗。第2回で保護国化に成功した。だが第3回目では独立を認めた。
    • 第三次アフガン戦争…英の保護国であったアフガニスタンは1919年独立を宣言。侵入してきたイギリスと戦う。
    • アフガニスタン独立…第三次アフガン戦争の結果、ラワルピンディー条約で英は独立を正式に承認。

(3)9.11とアフガニスタン攻撃

• ①背景：アフガニスタンのターリバーン政権
  • アフガニスタンでは1996年以降、イスラーム原理主義を唱えるターリバーンが権力を握る。
• ②同時多発テロ
  • 2001年9月11日。米国旅客機が乗っ取られﾆｭｰﾖｰｸの世界貿易センタービルや国防総省に激突。
• ③アフガニスタン攻撃
  • ブッシュJr.は「対テロ戦争」宣言をし、事件の首謀者ｲｽﾗｰﾑ急進過激派組織アル=カーイダのビン=ラーディンと断定。アフガニスタンのターリバーン政権がビン=ラーディンを匿っているとして軍事行動を起こし、ターリバーンを追放した。

3.中央ユーラシア・カフカス

(1)ロシアの膨張

• イランと交易網と結ばれ、政治的にも密接な関係を保ってきたカフカス・中央アジア(西トルキスタン)・アフガニスタンにロシアが進出(19世紀)。

(2)カフカス地方へのロシアの進出

• ①グルジア直轄植民地化(19世紀初頭)
• ②アルメニアの帰属をめぐる戦い…イランのカージャール朝と2回戦いトルコマンチャーイ条約→アルメニア・アゼルバイジャン北半を植民地化。

(3)中央アジアへのロシアの進出

• ①18世紀～19世紀前半の中央アジア情勢
  • ウズベク人の３ハン国がイラン、ロシア、清を結ぶ交易で繁栄
• ②クリミア戦争敗北後におけるロシアの進出地転換
  • カザフ草原併合→1867年、タシケントを省都とするトルキスタン省を設立。
  • ３ハン国侵略→ブハラ＝ハン国・ヒヴァ＝ハン国を保護国化、コーカンド＝ハン国を併合。
• ③ロシア支配下における中央アジアの改革運動
  • 指導者：ムスリム住民イスタンブル留学知識人
  • 展開：新しい方式の学校開設から新聞・雑誌などを利用した政治運動(ジャディード運動)にまで及ぶ。