前近代西アジア史【6】ティムール帝国とサファヴィー朝

1.モンゴルの末裔 ティムール帝国

(1)イル=ハン国

(2)チャガタイ=ハン国

  • ①建国…1227年、チンギスの次子チャガタイがアルマリクを都に建国。
  • ②東西分裂
    • 東→遊牧生活を守る。
    • 西→オアシス都市を中心にトルコ化・イスラーム化した。

(3)ティムール帝国

  • ③ティムール死後の帝国
    • a.シャー=ルフ(第3代 位1409~1447)
      • 都をヘラートに遷都。文芸を保護。
    • b.ウルグ=ベク(第4代 位1447~49)
    • c.トルコ=イスラーム文化
      • 15世紀前半に、イラン=イスラーム文化が中央アジアにもたらされ、宮廷の保護下でトルコ=イスラーム文化が発達。→壮麗なモスク・庭園。ミニアチュール(細密画)。
  • ⑤トルコ系ウズベク族3ハン国の時代(16~20世紀)
    • ブハラ=ハン国…ロシア・東トルキスタンとの交易で活躍 →1868年、ロシアの保護国
    • ヒヴァ=ハン国…ブハラ=ハン国と抗争。 →1873年、ロシアの保護国
    • コーカンド=ハン国…フェルガナ盆地の農業やロシア・清との交易 →1876年にロシアに併合

2.シーア派国家:サファヴィー朝(1501~1736)

ティムール帝国分裂後のイラン地域に台頭!

(1)建国期

  • ②現在の国民国家イランにつながる基盤の形成
    • 十二イマーム派シーア派最大の宗派。アリー以下その子孫12人の男系子孫をイマーム(宗教的指導者)とする。第12代のイマームは「隠れ」に入り、将来マフディー(救済者)として再臨すると考える。今日までイランの支配的宗教となっている。
    • 「シャー」…ペルシア語で王・支配者を意味することば。アケメネス朝以来のイランの伝統的王号。

(2)チャルディラーンの戦い(1514)

(3)アッバース1世(位1587~1629)

  • ①中央集権的統治体制の確立…グルジアアルメニア出身の騎兵や宮廷官僚を積極的に登用。
  • ②軍制改革…銃兵隊・砲兵隊を創設
  • ③国際関係
  • ④イスファハーン遷都 →「イスファハーンは世界の半分」
    • イマームのモスク…アッバース1世によりイスファハーンのイマームの広場に面して建てられたモスク。イラン建築の特色である青色を中心とした壮麗なタイル装飾が施された。
    • アルメニア教徒居住区が作られ、アルメニア商人によって国際商業の活性化がはかられる。

(4)滅亡

  • アッバース1世死後、無能な君主が続く。
  • ②1722年:アフガン族がイスファハーンを占領
  • ③1736年:ナーディール=シャーにより滅ぼされる。

(5)サファヴィー朝以後のイラン

  • アフシャール朝(1736~1796)
    • ナーディール=シャーが1736年に正式にサファヴィー朝を廃しシャーとして即位。インドなどに外征して広大な版図を築く。
    • ナーディル=シャーの死後、東北イランに残存したが、1796年にアーガー=ムハンマドにより滅ぼされた。
  • ②ザンド朝(1751~1794)
    • ナーディール=シャーの死後の混乱期にカリーム=ハーンが創設。イランの大部分を統治するが、カリーム=ハーンの死後衰退し、アーガー=ムハンマドにより滅ぼされた。
  • ③カージャール朝(1796~1925)
    • アーガー=ムハンマド(位1796~97)
      • カージャール朝の創始者。カージャール部族の最有力武将の長男。
      • 幼少の頃、アフシャール朝の君主により去勢される。
      • ザンド朝の人質であったが逃走し、北部イランに勢力を確立。
      • 94年にザンド朝を滅ぼす。96年シャーとして即位してアフシャール朝をも滅ぼしイラン高原統一。