2.予言者ムハンマド
(1)7世紀頃のアラビア半島情勢
- ②クライシュ族
- 5~7世紀にメッカを支配。インド洋と地中海を結ぶ陸上交易。
- 商業の成功
- 良い面 → 契約、共同事業などの合理的な考えを生み出す。
- 悪い面 → 富者のおごり、貧富の差の拡大などの社会矛盾。
(2)ムハンマドの登場
3.イスラームとイスラーム社会
(2)ウンマとカリフ
- ①ウンマ…宗教に基づいたイスラーム教徒の共同体(宗教共同体)。すべてのムスリムたちは、ウンマに属するとされている。
- ②カリフ…代理人・後継者の意味。ムハンマド死後はウンマの代表を指す。預言者のような宗教的権威はないが、ウンマの政治的・社会的指導権を持つ。
- ③正統カリフ…ムハンマドの死後、ムスリムの選挙で選ばれた4代のカリフ。
アブー=バクル(位632-634)
- ①ムハンマドの腹心であり後に義父(アイーシャの父)。ヒジュラにも同行。
- ②ムハンマドの死後、後継者に選出され「カリフ」を称する。
- ③ムハンマドの死後離反したアラビア半島諸部族を征服、イスラーム共同体の統一を成し遂げた。
4.半島統一後の征服活動
- ①ジハード(聖戦) ※ジハードはもともと「困難を克服する努力」。武力行使を否定する見解もある。
- ②軍営都市(ミスル)の建設 → 征服地にアラブ人とその家族が移住し、軍営都市を建設。
5.ウマイヤ朝 (都;ダマスクス)
- ①成立…第4代カリフ;アリーが暗殺された結果、対立してウマイヤ家が勝利し、ムアーウィヤがカリフ位を宣言。
- ②膨張
- ③アラブ人特権支配
- a.征服者であるアラブ人にはジズヤ(人頭税)もハラージュ(土地税)も免除。
- b.征服地の先住民は改宗してもジズヤ・ハラージュが免除されない。
6.イスラーム帝国としてのアッバース朝
(1)アッバース朝の成立
①アッバース革命
‣アブー=アル=アッバースがマワーリーやシーア派などウマイヤ朝に不満を抱く人々の支持を得て、ウマイヤ朝を倒す(750年)
→マワーリーの社会進出が進む。
→シーア派はアッバース朝成立後、弾圧される。
②イスラーム帝国
※ウマイヤ朝がアラブ人が特権を有する「アラブ帝国」だったの対し、アッバース朝はイスラームのもとでの平等を原則としたので「イスラーム帝国」と呼ぶ。
‣アラブ人の特権廃止 → アラブ人にもハラージュを課税、全ムスリムのジズヤを廃止
(2)マンスールの治世
(3)繁栄と衰退
- ①繁栄…第5代ハールーン=アッラシード(位786~809)の時に最盛期を迎えるが、行政機構の効率や政治的統一性に衰えの兆し。
- ②衰退…カリフ位争い、トルコ系奴隷軍団の導入をきっかけとして衰退へ向かう。