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  • 前近代東アジア史【9】清王朝建国期~全盛期

    1.清の形成とチベット仏教世界

    (1)清の形成

    • ★社会的背景:統一前の女真族では貿易利益をめぐる抗争の激化 ← 毛皮・薬用ニンジンの需要増
    • ヌルハチ(位1616~1626)
      • 1616年女真の諸部族を統合し、金を建国。
      • 満州文字を作成、軍事組織八旗(色分けした旗印で区別したことが由来)を編成。
      • 1619年、サルフの戦いで明軍を撃破し、中国東北部を支配。
    • ホンタイジ(位1626~1643)
      • 1635 内モンゴルのチャハル部を平定。元の玉璽を獲得 → モンゴルの後継者としての地位。
      • 1636 国号を清と改称 (民族名を女真から満州に!)
      • 1637 李氏朝鮮を服属させる。
    • 順治帝(位1643~1661)
      • 1644 李自成が北京に迫り、崇禎帝が自殺→山海関を守る呉三桂による李自成討伐の援助要請に応え北京に入城し遷都。
      • 平定に協力した明の呉三桂雲南、尚可喜を広東、耿継茂を福建の藩王に任じる。
      • 明の遺臣・王族の抵抗を抑え、中国統一を進める。→清皇帝は中華皇帝の地位も受け継ぐ。

    (2)チベット仏教世界

    2.東アジア諸国の対外関係統制

    (1)17世紀東アジア周辺地域

    • ①17世紀の危機
      • 銀の国際的流通により支えられた好景気が、17世紀にはいると世界各地で終わり、東アジアでも貿易の不振や天災・飢饉による社会の混乱が広がる。
    • ②周辺地域の様子
      • a.日本 →キリスト教の拡大・ヨーロッパ諸国の抗争の波及を懸念し、対外関係の整理・規制に踏み込む
        • 1635 日本人の海外渡航と帰国を禁じる。
        • 1639 ポルトガル船の来港を禁じる。
        • 1641 オランダ人を平戸から長崎の出島に移した。
          • 鎖国は国家による通交管理の一類型であり、国を鎖してしまうというものではない!
      • b.朝鮮
        • 1637年…ホンタイジにより征服され清に服属 → 朝貢関係に入る。
        • 小中華…朝鮮が唯一中国の伝統文化を継承しているという思想。朝鮮の支配層は、「清の征服によって中国は“夷狄化”し、明以降の正統な“中華”を守っているのは自分たちだけ」であると自負した。
      • c.琉球
        • 島津氏の琉球征服…南九州の有力大名島津氏は、藩主家久の時代に琉球王国を武力で屈服させた。
        • 両属体制…異なる二つの政権(国)に服属する政治・経済上のシステム。琉球では1609年の薩摩藩島津氏の侵攻後も、中国との冊封関係を維持しながら首里琉球政府が独自の体制を保った。

    (2)清朝海上政策

    • ①VS鄭氏台湾
      • 鄭氏台湾…1661-1683。鄭氏の下で清との戦いの根拠地になっていた時期の台湾。鄭成功のオランダ勢力駆逐後、子の鄭経らが三藩の乱に連動して藩校を続けたが、康煕帝の攻撃により帰順した。
      • 遷海令…1661年、清朝が沿岸住民を移住させた法令。鄭成功の勢力を孤立させるために広東・福建両省を中心とする沿岸の住民を強制的に内陸に移住させた。
    • ②台湾制圧後
      • 海禁解除…台湾制圧後、清は民間商船の出航と外国商船の来航を認めて、各貿易港の税関に管理させた。→互市貿易
      • 海関…開港上に設置された税関。海禁政策の解除に伴い1685年に4海関(上海・定海・厦門・広州)が設置された。民間貿易の徴税を任務とし、清朝の大きな財源となった。
      • 対ヨーロッパ…乾隆帝時代に広州1港に限定(1757)。特定の商人組合「公行」に貿易を管理させる。
    • ③清との国交を樹立するには朝貢貿易が必要!
      • 清と外交関係をもとうとする場合は、伝統的な朝貢の手続きによらねばならなかったため、琉球・シャムなど明代からの朝貢国は従来通り朝貢貿易を行う。
    • ④日本の場合

    3.ユーラシア世界帝国としての清

    (1)最盛期の清

    • 康煕帝(位1661~1722)
      • 三藩の乱…1673年、康煕帝が三藩の廃止を決定すると、雲南呉三桂・広東の尚可喜・福建の耿継茂らは反旗を翻した。鄭氏台湾・朝鮮・ベトナムなどの周辺地域をまきこんだ大動乱となったが、鎮圧された(1681)。
      • 鄭氏台湾征服…三藩の乱に連動して清に反抗を続けていたが、康煕帝の攻撃を受け帰順した(1683)。
      • ネルチンスク条約…清とロシアが結んだ国教画定条約。康煕帝とピョートル1世が結び、アルグン川とスタノヴォィ山脈を国境とした。対等条約とされるが清側は理藩院に外交を担当させ、ロシアを朝貢国として扱っていた。
      • ジュンガルと対決。外モンゴル(ハルハ)・青海・チベットを領有。
    • 雍正帝(位1722~1735)
      • キャフタ条約…清とロシアが結んだ国境・通商条約。モンゴル地区における国境画定などを決めた。
      • 軍機処…清朝における政務の最高機関。雍正帝ジュンガル攻撃の際に、軍の機密保持を目的に創設し、その後機能を拡大して内閣の職権も吸収した。その責任者を軍機大臣とし、清末まで政務や軍事にわたる最高審議機関となった。
      • キリスト教布教の禁止(※徹底弾圧は行われず)
    • 乾隆帝(位1735~1795)
    • ④繁栄の影の衰退
      • 腐敗の進展…相次ぐ外征による出費、官僚の腐敗、貧富の差の拡大(富裕層への土地集中・中小農民の土地喪失と貧窮)が進む。
      • 官僚・地主の圧迫+人口爆発による土地食糧不足 → 民衆困窮。
      • 1796~1804 嘉慶白蓮教徒の乱
        • 乾隆帝の退位後翌年に発生し、大乱となる。
        • 清朝はこの乱の平定に苦しみ、清朝正規軍(八旗と緑営)の腐敗と弱体化が露呈。→乱の鎮圧には、地方官や地主層の地方自衛軍(郷勇)の活躍が大きい。
        • 戦乱による荒廃と反乱平定に要した巨額の出費は清の国力を大きく消耗させた。

    (2)清の統治

    • ①多様な支配者としての顔を持つ清皇帝
      • 満州人の君主
      • モンゴルの大ハーン
      • 中華皇帝
    • ②統治イデオロギー
    • ③統治の基本方針
      • 満州人による支配を柱としながら、従来の支配層・統治方式をほぼ引き継ぐ現実策
        • 中国統治…明末の官制をほぼそのまま流用。科挙を実施し儒教を尊重。
        • 藩部統治…モンゴル王侯やチベット仏教指導者、ムスリム有力者など現地の支配者に統治を委ね、中央に理藩院を置いて事務を担当させる。
        • 満州人支配…公文書での満州文字の使用・辮髪の強制・漢人官僚は中国内治の統治のみ
        • 政治…軍機処が最高機関。八旗に属する旗人を重用。要職には旗人のみか旗人と漢人を同数任用する満漢併用制。
        • 軍制…中国内治には漢人で編成した治安維持部隊である緑営を置く。要地には八旗を駐屯させて全土を統制。

    (3)思想統制 ~従来の社会・慣習の容認と満州人による支配の徹底~

    • 儒学者統制
      • a.懐柔策:大規模な大編纂事業をおこして伝統的学問の保護・振興をはかる。
        • 明史…明代を記した正史
        • 康煕字典…4万2千字余を収める漢字辞書。(康煕帝が編纂させた)
        • 古今図書集成…1万巻にわたる百科事典。(康煕帝の命で編纂開始し、雍正帝の時に完成した)
        • 四庫全書…古来の書籍をすべて集めた叢書。(乾隆帝が編纂させた)
        • 五体清文鑑…満・漢等五言語の対照辞典。
      • b.弾圧策:文字の獄…反満州的な図書を選別・摘発して禁書とし、弾圧を行う。
    • キリスト教政策
      • 典礼問題…中国布教のためにイエズス会は信者の孔子崇拝・祖先祭祀とその儀礼(典礼)を認めていたが、他派の宣教師によりローマ教皇に訴えられ、否定された。これを受けて康煕帝イエズス会以外の布教を禁じ、雍正帝キリスト教の布教を禁止した。※徹底弾圧は行われず、技術者として引き続き宣教市は宮廷で活動した。
      • アダム=シャール【湯若望】…ドイツ出身。明末清初。徐光啓と共に崇禎暦書の作成。大砲の製造。清でも暦作成に貢献し、天文台長官。
      • フェル=ビースト【南懐仁】…ベルギー出身。布教活動中に順治帝にスカウトされアダム=シャールを補佐する。三藩の乱では大砲を鋳造して活躍。
      • ブーヴェ【白進】…フランス出身。ルイ14世の命で派遣され康煕帝の側近(『康煕帝伝』は傑作)。中国初の実測による全中国地図「皇輿全覧図」。
      • レジス【雷孝思】…フランス出身。ブーヴェとともに「皇輿全覧図」。
      • カスティリオーネ【郞世寧】…イタリア出身。康煕帝雍正帝乾隆帝の三代に宮廷画家として仕える。バロック式西洋館と噴水で知られた円明園設計。

    4.清代中国社会の発展と膨張

    (1)地丁銀制

    • ①背景:北方防衛の負担消滅+海禁解除 → 生糸・陶磁器・茶などの代価として大量の外国銀が流入
    • ②地丁銀制成立までの流れ
      • 盛世滋生人丁により1711年の編審壮丁を最後に以後の増加人丁への課税を廃止したことで丁銀額が固定化。こうして丁銀を地銀に繰り込んで徴税することが可能になり地丁銀制が成立。課税対象が人から土地に一本化された。

    (2)人口増加

    • ①増加数:明後期1億人 →18世紀:3億人
    • ②増加の背景
      • 稲作の技術・品種改良
      • アメリカ大陸原産作物の普及…荒れ地・山地でも栽培できるトウモロコシ・サツマイモなど
      • 地丁銀の導入によって人頭税が消滅し、税を逃れるために隠れていた人々が表にでてきた。
    • ③増加した人口の行く先

    5.清代文化史

    • 考証学…空疎な議論ではなく、事実に基づく着実な実証研究を重視する学問。
      • 黄宗羲:明朝復興運動に努力したが失敗。以後学問に専念。主著『明夷待訪録』は皇帝専制政治批判する政治論として有名。
      • 顧炎武:抗清戦争に破れた後、江南各地を流浪する生活を送る。そのなかで書かれた『日知録』は広い歴史認識に基づく実践的な社会批評で知られる。
      • 銭大昕:『二十二史考異』など考証学的な史学を確立。
      • 考証学の限界…大規模な編纂事業へ学者が動員されたり、文字の獄による弾圧が行われたりしており、社会変革につながるような新しい思想の展開には結びつかなかった。
    • ②美術・工芸
      • 洗練された陶磁器 例:「五彩楼閣人物文大皿」
    • ③庶民文学
      • 紅楼夢…全120回のうち前半80回が曹雪斤の著。残りは別人。上流社会の栄華没落を題材に、登場人物の哀感を巧みに表現。
      • 儒林外史…呉敬梓著。儒林とは科挙を受験する読書人層。官僚の腐敗や堕落を描いた。
      • 聊斎志異…怪異妖変の世界と人間の交錯をイキイキと描き、民衆に人気を博す。
      • 長生殿伝奇…戯曲。洪昇の著。玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋が主題。康煕帝が好み宮廷で上演。