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1.ヨーロッパの自然環境
(1)ヨーロッパの地形 ※標高200m未満の低地の割合が5割以上。
a.北部
b.中部
(2)ヨーロッパの気候
※ユーラシア大陸西岸に位置するヨーロッパは海洋から吹く偏西風と沖合を流れる暖流の北大西洋海流の影響で、高緯度に位置しているにも関わらず、緯度のわりに冬でも温暖な気候で、気温の年較差も小さい。
- a.中部…Cfb(西岸海洋性気候)
- ヨーロッパ中部には標高200m未満の低地が広がるため、偏西風を遮る山脈がないので、比較的内陸部まで海洋の影響が及ぶ。
- b.北部…Cfb(Cfc)→[スカンディナヴィア山脈]→Df(冷帯湿潤気候)
- c.東部…内陸部に位置するため、偏西風と暖流の効果はなく、Df。年較差は大きい。
- d.地中海沿岸…Cs(地中海性気候)。
- 夏に中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)の影響を受けて少雨となる。植生はオリーブやコルクガシ。地中海沿岸では建築材料として利用できる樹木が少ないため、石造りの住居が多くなっており、日光を防ぐため白塗りにしている。
2.ヨーロッパの統合の歴史
(1)国境を越えて結びつくヨーロッパ
(2)EUの誕生と統合への歩み
- 1948 ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)…西欧18か国によるマーシャル=プラン受け入れ機関
- 1950 シューマン=プラン…独仏両国の対立を防ぐため、両国の石炭・鉄鋼を共同利用することを提唱
- 1952 ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)
- 1957 ローマ条約…ECSCを経済の全分野に拡大しようとする条約
- 1958 ヨーロッパ経済共同体(EEC)、ヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)
- 1960 ヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)…欧州統合に反対する英が経済連合を提起。英は仏の反対によりEECに加盟させてもらえなかったので、EFTAを創設した。だがイギリスは途中で脱退してECに加盟。現在は、ノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインの4か国で構成されている。
- 1967 ヨーロッパ共同体(EC)…関税同盟。商品、資本、労働力の自由移動。共通農業政策
- 1973 拡大EC…英のEC加盟に反対していたド=ゴールが退陣し、イギリスが加盟。
- 1993 ヨーロッパ連合(EU) ←マーストリヒト条約(1991)
- 1994 EEA(ヨーロッパ経済領域)…EUの域内市場とNAFTA諸国へ拡大。これによって世界最大の市場が形成された。
- 1995 墺、フィンランド、スウェーデン
- 1999 EMU(経済通貨同盟)⇒2002 ユーロ流通開始
(3)活発に行き来する人やもの
- 国境を越える人やものの移動
- シェンゲン協定(1995)…1995年に発効。EU加盟国のうち22か国(2010年3月)は国境管理を廃止し、人の移動の自由化に踏み切る。
- エラスムス計画…EUの発展には将来を担う若者をヨーロッパ市民として育成する必要があるとの考えから1980年に発足。「大学生移動のためのEU行動計画」のことで、EU域内の大学生は、域内の他の国の大学に留学して単位をとることが認められる。
- バカンスの移動…長期休暇には、冷涼な北部から温暖なスペイン・イタリア・ギリシャなどの地中海沿岸に多くの人が移動する。
- ハブ空港…地域の拠点空港のこと。国際航空路線は、各空港を直結便で結ぶ方式から、主要路線によって結ばれるハブ空港とハブ空港からの路線(スポーク路線)が通じる地方空港に分けて運行するハブ&スポーク方式に再編されつつある。EUでは、オランダのアムステルダムやドイツのフランクフルトなどが有名。
3.EU諸国の農業と共通農業政策
(1)ヨーロッパの自然と多様な農業
- a.ヨーロッパ農業の発達
- 二圃式農業…耕地を二つに分け、耕作と休閑を毎年交互に繰り返す。
- 三圃式農業…耕地を夏作物・冬作物・休閑地の三つに分け、これらを3年周期で一巡させる
- 四輪作法…作物栽培と家畜飼育を組み合わせ、耕地では飼料作物も栽培する。
- b.農業革命
- 四輪作法の普及で休閑地が消滅→穀物増産(第二次囲い込み)→大地主が土地を集約し、小規模自作農が土地を失う→土地を喪失した農民が職を求めて都市に移住し労働者に。
- c.産業革命の3つの要因
- 資本蓄積+労働力創出+世界市場
- d.自給的農業から商業的農業へ
- 産業革命以降は、工業化の進展により、農村部から工業が発達している都市部へのさらなる[⑩ 人口移動 ]が起こり、都市化が進展する。
- 増加した都市人口に食料を供給するために、農業も自給的農業から商業的農業へと変化。混合農業、酪農、園芸農業に分化。
(2)各農業の特徴
(3)ヨーロッパにおける農業生産
4.EU諸国の工業と課題
- ☆重工業三角地帯☆
- ☆エネルギー革命と工業の変化☆
- WWⅡ後、資源の海外依存度の高まり
- 1970年代 石油ショック
- 臨海部に新たな重化学工業地域が形成→炭田や鉄山等の原料産地付近に発達した旧来の地域は衰退