冥契のルペルカリア 分岐回収篇

冥契のルペルカリアは1本道シナリオでフラグ圧し折り方式。
個別√に入ると正史ではなくバッドエンドに突入する。
(※理世だけは1本道シナリオの最中、時間軸リセットが入る)
それ故、個別√に何か主題があるわけでもなく漫然と終焉を迎える。
ここでは分岐回収についてまとめおくこととする。

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第陸幕「七色の暖炉」(天使奈々菜ルート)

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  • 奈々菜の主人公への恋心は母親の洗脳によるものであったという話
    • 天使奈々菜は父親の不倫相手の不義の子でしたが、本妻に迎え入れられて育ちます。そこでは可愛さを磨くよう指導されネットアイドルとして躍進します。しかしそれは全て罠であり、本妻は自分の息子を芸能界で活躍させるために、奈々菜を枕営業に利用しようとしたのです。これを偶然助けたのが主人公でした。1本道シナリオにおける虚構世界では、奈々菜は都合の良い従順な妹として主人公に飼われることとなります。その過程で呪縛から解き放たれるわけですが、個別√ではもう一度妹になることを望んでしまうのです。公演が大成功に終わるとネットアイドル奈々菜の存在は再評価され、そこへ母親がもう一度やってきます。そして主人公へ恋心を抱く奈々菜の真相を暴いてしまうのです。奈々菜が抱いている恋心は真正のものではなく、かつて母親が植付けたものだと暴露してしまうのでした。こうして奈々菜は発狂し、虚構世界に没入することとなり、主人公の妹として恋人になります。あとは消化試合。もう一度アイドルになりたいとかいいだした奈々菜を双葉と共にプロデュースしていくだけになります。

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第漆幕「赤光の銀河」(匂宮めぐりルート)

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  • 宮沢賢治ゲー
    • リトバス的思念体世界を銀河鉄道の夜で再解釈する話。リトバス的思念体世界とは、死に際し未練を抱いた人々の想いにより構成された架空のセカイです。現実世界に回帰すれば死ぬ/もしくは死ぬ可能性の方が高い。本作はそれを「虚構世界」として取り入れていました。そのままでは死んでしまう運命にある主人公が虚構世界を通して力を得て現実に回帰して危機を乗り越えるという展開です。それ故、死んでしまったとしてもその虚構には意味があると人生を肯定されるのです。一方で銀河鉄道の夜はジョバンニ以外は死んでおり、死者が降りる駅に辿り着く死の旅です。最終的にジョバンニのみ現実に回帰するわけですが、死者の旅はジョバンニにとって無意味だったというわけではありません。最近の作品ではたまこまこ先生の同人ゲーである星空鉄道がその概念を利用していましたね。そんなわけでめぐりルートは虚構世界における死に気づくまでの道のりであり、明確な関係として観測されれば終わってしまうため、フラグを構築しない曖昧なままされ続けるのです。そしてどこまでもどこまでも一緒に行こうが挿入されエンディングとなります。曖昧なままにし続けるエンド。

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第捌幕「ロイヤルアンバーの無限泡影」(架橋琥珀ルート)

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  • 琥珀が妹の代償となる話
    • 主人公は実妹へ愛憎を抱いていました。現実世界では破綻してしまったその関係ですが、虚構世界では自分にとって都合の良い妹を求めます。それが共通√では奈々菜の役割でしたが、琥珀ルートでは主人公にとって都合の良い妹を演じるのは琥珀の役割になります。主人公にとって理想のイモウト像とは自分が優位にたって導いてあげることで優越感とか虚栄心とかを満たせるそんなイモウト。それ故、仮初の自分が求めるイモウト像を琥珀に演じさせ、束の間の安らぎを得るというわけです。しかしそんな幸せは歪んでいるわけで、主人公は何度も現実に気付きかけます。演劇が上手ではない主人公にとって仮初を演技し続けるには荷が重すぎたのです。しかしバッドエンド直行エンドまっしぐらなので主人公が覚醒することはありません。「余計なことをくよくよお考へになってはいけないわ。あなたが眠つてゐる間、あたしはお傍に付添つてゐて差上げます」と眠りにつかされるのでした。

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冥契のルペルカリア感想まとめ