クナド国記「双子」本筋シナリオの感想・レビュー

統治者としての資質及び双子姉妹の依存からの自立についての話。
国内No.2の座を分かつ茜と葵は天真爛漫な戦闘狂の双子姉妹。
No.1で統治者でもある春姫の打倒を常に叫び、戦闘を仕掛けてきます。
しかし年端も行かぬおぼこ娘である二人は春姫を倒すことしか考えていません。
統治者になった後の国内統治のヴィジョンが全くなかったのです。
主人公はそんな二人に教育を施していく中で好感度を積み重ねていきます。
けれどもそれは同時に仲良しな双子の関係を切り裂くものでもあったのです。

個人の戦闘能力第一位が軍事指導者で集団の統率者

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  • 軍事と政治の二分化
    • 外敵の侵略に絶えず晒される小国では、侵略者を倒せる者がリーダーでありました。また基本的には異能を用いた個人戦を主体としていたので、個人の戦闘能力が一番高い者が国家の支配者となったのです。双子姉妹は序列第二位であり、第一位の春姫に戦いを挑んでは返り討ちにされるというネタキャラとなっています。しかしそれはギアス的チート能力を持つ春姫に対する抑止力であり、序列第一位が暴走した時に殺せるように牙を研いでおくことが慣例として残ったものでした。それ故、序列第一位を倒すということだけを刷り込まれた双子は、もし仮に倒して統治者となった後にどうするかということなど、全く考えていなかったのです。初潮を迎えた年頃にしか過ぎない双子の年齢を考えれば、そにのような帝王学は追々であっても良かったことでしょう。しかし双子の戦闘能力の成長は著しく、そう遠くない未来、序列が入れ替わることは明白でした。それ故、主人公に双子の教育が任され、統治者としての資質を伸ばしていくことになります。
    • ところが、どっこい。ここでアクシデント。本作は死亡した筈の前任の統治者である夏姫が、セカイを観測しており、生殺与奪の権は握られ、掌の上で踊らされていたのです(言うなればライターがどんな超展開にしても整合性が付く)。仲良しの双子の関係は淡い恋心により引き裂かれ、さらには2体の巨大なロボット兵器が仕向けられます。双子の連携は上手くいかず、第一戦は敗退。双子の妹(葵)は大怪我を負います。このような惨状を前に、統治者である春姫は玉砕を決意。双子の姉(茜)にその地位を禅譲し、死地へ赴こうとします。だがしかし、茜は瞬く間に統治者としての地位を返上。軍事指導者と統治者としての機能を二分化させたのです。そして春姫を殴って気絶させると、主人公と共に戦場へ。超高高度からの自由落下によって見事難敵を撃破したのでした。


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