ヘンタイ・プリズン ROUTE2「黒鐘伊栖未」シナリオの感想・レビュー

刑務所内に独自通貨を流通させ賭博により経済支配する話。
人間の射幸心を煽って社会を破滅に導くのはネオ・火の鳥望郷編チックな展開。
吃音でヘテロクロミアの少女黒鐘伊栖未は武力を握る女帝看守長に敵視されていた。
理由は少女の存在が自然と闇を意識させヘイトを高めるからであった。
特に女帝はトラウマにより暗闇が苦手であったため伊栖未を過度に虐待する。
主人公は武力に対して経済で対抗し、賭博で女帝を破滅させる。
伊栖未にとって居場所が監獄にしかないのならその監獄を楽園へと改変するのだ!

武力で勝てないのなら経済戦で破滅を誘え!

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  • 黒鐘伊栖未のキャラクター表現とフラグ生成過程
    • 収容所の更正不能房は囚人が行き着く最果ての場所。そこへ入れられたら最後であり二度とは牢屋から出られません。しかしながら伊栖未は爆薬を扱う技術を持っていたため、鉱山での発破に使役されており、夕方1時間だけ自由時間が与えられていたのです。伊栖未の趣味は書き物であり、獄中新聞に詩を投稿しては高い評価を得ていました。その文章表現は主人公の心を打ち、一緒にシナリオを作ることになります。しかしながら、伊栖未を敵視し嫌悪する人物が現れます。それは三看守長のうちの一人、収容所内の武力を掌握する女帝でした。彼女は幼少期に保険金目当てで家族から襲われており、それにより暗闇を嫌悪するようになったとのこと。伊栖未の瞳に見つめられると暗闇を想起してしまうため、執拗に嫌がらせをしてくるというワケ。伊栖未が主人公くんと一緒に物語を紡いでいることも当然女帝は気に食わないので、原稿が完成したタイミングでそれを取り上げ、主人公くんを脅してきます。

 
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  • 人間は射幸心には敵わない
    • 主人公くんは原稿を取り戻すために壮大な計画を練ります。それは収容所内に独自通貨を流通させ、賭場を経営して経済を握り、女帝に莫大な負債をおわせようとするものでした。そのために一歩ずつ計画を実行していきます。生活必需品を買い占め、流通網を掌握し、収容所内で独自通貨しか使えないように仕向けていきます。さらにヤクザ組長・ドローンガール・シスター看守長と手を組み、博打を流行らせるのです。閉鎖的で娯楽の少ない収容所では賭場はバカウケ。僻地の工場の周辺にパチ屋を作ると、労働者はその給与の殆どをパチ屋に使ってしまうという人間の悲しいサガが描かれます。たいていの場合パチ屋は会社経営のものであり搾取と収奪の原理が現出するのです。人間は射幸心には敵わないのです。博打で囚人たちが身を滅ぼしていく姿は火の鳥望郷編の終局部あたりを彷彿とさせます。そして目論見通り女帝も博打に手を出し、主人公くんたちの術中に嵌って破滅していきます。こうして女帝の支配は崩れ、シスター看守長は次の布教地へと赴き、実質的に主人公くんが収容所の支配者となります。伊栖未が収容所にしか居場所がないと言うのなら、そこを楽園にするんだ!とハッピーエンドになります。


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