副業先の家庭教師の教え子である引っ込み思案な少女が恋情を通して成長する話。
清宮千津は看護系大学を目指すJK。富裕階層所属で育ちの良さも窺えるおっとり系。
しかし(だからこそ)集団生活に馴染めず成績は低迷、塾も女性の家庭教師も合いません。
そんな中、社会人男性のカテキョとして選ばれたのが主人公。親身に寄り添う指導を行います。
恋する乙女は強く主人公に惚れた千津は精神的に成長し集団生活にも適応していきます。
一方で主人公への想いは深まっていき、証拠を欲しがるようにまでなります。
清宮夫妻に相談した所、婚約証明を行うことになり、千津とハッピーエンドを迎えます。
個人的には千津が看護師を目指すことへの掘り下げが皆無で、少し残念でした。
清宮千津のキャラクター表現とフラグ生成過程
- 集団生活に馴染めなかった少女が主人公くんとの恋愛を通して精神的に成長していく
- 清宮千津は看護大学を目指して勉学に励む良家のJK。しかしながら成績は振るわず5教科合計300点。その原因は集団生活に馴染めないことに起因しており、学校の授業も塾の講義も女性の家庭教師による個別指導も上手くいきませんでした。千津は富裕階層の一人娘ということもあり自己主張が不得手であり、相手に迷惑をかけることを極端に恐れてなかなか分からないことを質問できなかったのです。そんな千津の性格を見抜いた主人公は、安心感を与えると共に質問しやすい雰囲気づくりを行っていきます。
- 千津の成績不振の一つにカラフルなノート作りをして勉強した気になり満足してしまうという欠点がありました。ノートは後で読み返すものであり、板書の丸写しでは駄目で、授業中に教員が解説したことを要約してメモできなければならないのです。ノートまとめに血肉を捧げるのは愚かと判断した主人公くんは試行錯誤しながら問題演習形式の指導に切り替えていきます。
- もともと根が真面目で素直であり、目標とする大学もあってモチベーションの高かった千津は懸命に勉強に取り組み成績を上げていきます。千津にとって必要なのは、自分が地を出しても安心できる相手、分からないことを馬鹿にせずに聞いてくれる存在であったのです。世の中にはマウントとって人を見下すことでしかコミュニケーション取れない人間とかいるからねぇ、千津の気苦労はよく分かるよ。こうして気さくで生徒の人格を尊重してくれる主人公に千津は惚れていくのですが……。なんと自分の好意を母親にバラされてしまいショックを受けるのでした。
- 千津が主導権を握りたがるのは、主人公くんとの関係性に不安だから
- 千津の本気度を知った主人公くんはその好意にきちんと向き合う決意をしてフラグは成立。二人は徐々に関係性を深めていくのですが、千津の方が割と食い気味になって主人公を求めてきます。社会人男性で年齢差があり家庭教師は副業にしか過ぎない主人公くんを繋ぎとめる為、千津は必死なのでした。やたらと主導権を握りたがるのもそのせい。千津は主人公くんに対して証拠を欲しがっており、それを叶える為にはもう結婚しかないんじゃね？主人公くんはここで千津の両親である清宮夫妻に相談します。
- 家庭教師の教え子に手を出してしまったのだから怒られるのは必至かと思い、千津パパに会うのですが……なんと息子が欲しかったパッパは主人公くんのことを気に入りまくり。もともと千津は家庭で主人公くんのこと好き好きオーラを隠し切れず家族団欒でも惚気ていたのでパパもママも主人公くんのことをある程度認めていたワケ。あんなに引っ込み思案で対人関係に不信感を抱いていた頑固な娘をオープンハートさせただけでも信頼感マックスだったのでしょう。母親の婚約指輪という案と、父親の婚約証明という案を取り入れ、家族みんなでその婚約を祝福したのです。
- こうしてハッピーエンドを迎えてヨカッタネとなったのはいいのですが……そもそもなんで千津はママンと同じ看護系の大学に行きたかったのは掘り下げられず残念(母親は専業主婦っぽく看護師的な描写は全くないため)。主人公を家庭教師にする根本的な原因であり勉強の根源的なモチベーションでもあったでしょうに、これがスルーされてしまうのはちょっと勿体なかったかも。
