アンレス・テルミナリア「True」エンド(恋個別√の結末)の感想・レビュー

セカイ系新世界創造エンド。神の意図から離れて神のいない世界を創造する話。
主人公と攻略ヒロインたちは神から遣わされた天使たちの子孫。
彼らの役割はいずれ終末を迎える寿命ある世界を更新し現在の神の代わりとなることであった。
主人公の役割は審判者であり次世代へ残すべきたった一つの尊いものを見つけること。
それ故主人公は一つのことしか覚えておけず覚え直しをするとその存在そのものが消滅した。
対象そのものが無かったかのように世界が創り変えられてしまうことに気付いた主人公は恐怖する。
それ故主人公は覚えたものは絶対に失われない「加護」の異能を新たに派生させる。
御厨恋が死ななかった/死ねなかったのはこの「加護」の異能によるため。
神から与えられた異能・役割に苦悩した主人公は神のいない新世界を創造しそこで恋と再会する。

セカイ系~主人公とヒロインの関係性のためだけに神へ叛逆して新世界を創造する~

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作中で『天気の子』のパクリと堂々と言っちゃう
  • 次世代の神になる事を期された主人公たちが神のいない世界を創造したというのがカタルシス
    • 恋ルートの続き。全ヒロインを攻略すると開放される。主人公及び攻略ヒロインたちは神から遣わされた天使の子孫であった。セカイには寿命があり現在の神に代わって新たな神となる事が求められていた。主人公の異能は「審判者」であり、次の世界へと遺すたった一つのものを選び取るという役割を担わされていた。そのためたった一つのことしか覚えていることが出来ず、主人公が「覚え直し」をしたものはセカイそのものから排除されてしまうのであった。
    • 「りな」の存在が主人公にしか見えないのは、主人公が「りな」のことを覚え直したから。この覚えることを一度変えると、その対象は最初からなかったかのように世界が創り変えられてしまうということに主人公は恐怖する。この「審判者」の異能に対応するために派生されたのが「加護」。この異能は一度覚えたものはたとえ一度滅んでしまったとしても、何度でも蘇るというものであった。すなわち御厨恋が何度死んでも死ななかったのはこれが理由であった。この能力派生の過程で主人公も分裂する。
    • 一方で御厨恋に与えられた異能はセカイに対して異議を唱える「獣」としての力。恋は神から異能を授けられる筈であったが、開花する前にトラック事故で死ぬ。異世界転生よろしくな展開だが、ここで恋は神から「獣」の力を与えられたのであった。それは恋の苛立ちや負の感情をそのまま破壊に転化させるものであり、現世の秩序維持という観点からみれば超危険なものであった。しかも主人公が御厨恋に「加護」を与えられているので、破壊の「獣」が消滅することはないという最悪のコンビネーション。
    • そんな主人公と御厨恋が真っ当に結ばれるには、異能そのものを無くすしかない。異能はギフトであり神の恩寵。すなわちギフトから逃れるためには神がいないセカイを創造する必要がある。神は自分の次の世界の神の後継者を見送りたかったため介入してくるが、主人公たちは叛逆する。主人公は分化していた自分を切り離し、新しいセカイを選び取るのであった。その方法として取られるのが審判者の能力であり神がいるというセカイを「覚え直し」することによってセカイ改変を行うのである!
    • 主人公が目を覚ますと、そこは神がいないセカイ。主人公は病気の反動で記憶を失っていることになっていた。御厨恋のことは忘れてしまっていても大切な人がいたことだけは覚えていた。上手く動かない身体を引き摺りつつ外へ出ると間もなくして御厨恋と再会する。こうして主人公は御厨恋と結ばれるためだけに既存のセカイを葬り去ったのだ。
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神への反逆
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神の否定
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「覚え直し」を逆手に取り、神をセカイから無くす
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恋ちゃん大勝利エンド

アンレス・テルミナリア感想まとめ