【感想】リコリス・リコイル 第9話「What’s done is done」を見た。

機関に従い殺しをして18歳まで延命するか、不殺を貫き余命2ヶ月を受け入れるかという話。
千束の人殺しの才能を世界に届けるため、人工心臓を与えたアラン機関。
だが千束を託されたミカは彼女を吉松シンジとの間の子どもとして見なしてしまい情が湧いてくる。
また千束は自分を救ってくれた「救世主さん」のようになることを生きる動機とした。
それ故ミカは人殺しをさせず千束も「いのちだいじに」を掲げたのでアラン機関に反してしまった。
アラン機関は人殺しの使命をいつまでも果たさないのでついに直接的な干渉にでたというワケ。
千束の人工心臓を破壊することで取引材料とし延命をちらつかせて殺しをさせようとするのだ。
たきなは当初千束の余命に寄り添おうとするが、僅かな可能性を駆けてDAに復帰する。

人殺しを選んで延命を図るか、不殺を貫き残り2ヶ月の余命を受け入れるかでジレンマ問題

人工心臓を破壊され余命2ケ月となった千束
  • 物語的としては、千束が不殺を貫き余命2ヶ月を全うして死んだほうが感動的になりそう。
    • アラン機関の使命は恵まれない境遇下の才能ある子どもを支援して世界に届けること。千束は類稀なる殺しの才能を見込まれて人工心臓を与えられることとなる。だがここで悲しきすれ違いが発生。千束は自分の命を救ってくれた救世主に強い憧れを抱き自分も人助けをすることを生きる動機とする。また千束を託されたミカは、千束をゲイの愛人吉松シンジとの間の子どもと見なし、情が湧いてしまう。以上により千束もミカも人殺しから遠ざかっていた。だがアラン機関は千束の人殺しの才能を開花させたいが故に度々干渉してきた。だがどうしても人殺しを拒んだのでついに実力行使にでる。なんと千束の人工心臓を破壊し余命2ヶ月の状態としてしまうのである。即ち延命を取引材料とし、生きたければ人殺しをしろ!人殺しをすれば人工心臓は直してあげるよホレホレどうするぅ~ということなのでしょう。

  • たきな、僅かな可能性をかけてDAに戻る決意をする。
    • DAは真島掃討作戦を決行するとのことで千束を呼び出す。千束はDAと交渉し、たきなのDA復帰が実現する。だが当初たきなは千束の余命に寄り添うために復帰を断ろうとしていた。だがミカとくるみが話していた過去のいきさつを盗み聞きし、DAに戻る決意をする。アラン機関の動向がつかめないため、機関と繋がっている真島から辿ろうとするという寸法さ。それにはDAの真島掃討作戦に加わった方が有利。そんなわけで9話の後半はたきなが千束にDA復帰の意志を告げるためにデートする話となる。思えばエンディングソングはたきなの心情を歌った曲であり、千束が死んだ後の世界線と考えるとしっくりくる歌詞になっている気がする。これで安易にアラン機関を改心させ千束の人工心臓が直って18歳以上生きられてハッピーエンドとかにはならないよな。アラン機関も一枚岩ではなく吉さんは千束の才能を「殺し」と断定したが、実は他の評価者によって「人助け」と認識され助かる~とかも微妙になりそう。千束の死をどのように描くかで作品の評価が分かれそう。
9話アイキャッチ
人工心臓移植前の炉利千束
アラン機関が人殺しの才能を開花させるために与えた銃を「人を助ける銃」と読み替えてしまう千束
千束とたきなの別れ

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