【感想】リコリス・リコイル 第10話「Repay evil with evil」を見た。

社会全体の大義or利己的な個人の感情というジレンマ問題で自分の都合を優先する話。
千束の余命は短く喫茶リコリコは閉店し仲間も解散。ミカは自分の苦悩を千束に懺悔。
吉さんの件については散々前フリがあったので千束のショックは少なく寧ろミカを許す。
ミカが千束の意志を尊重してくれたからこそ自分の道を歩むことが出来たのだと。
一方真島のテロをDAは未然に防ぐことが出来ず上位機関から千束を使えと干渉を受ける。
だが真島は吉さんを人質にしていたため、千束は世界か個人かで選択を迫られる。
ここで個人を選べるのが千束の強みであり躊躇なく吉さんを救いに行くのであった。

たとえ貰った命だとしても、その使い道は強制されるべきではなく、自分の意志に基づくものでなければならない

千束に晴れ着を着せ、苦悩を懺悔するミカ
  • 個人の才能を決めつけそれを開花させて世界に届けようという思想の傲慢さ
    • 人工心臓を破壊されてしまい余命2週間となった千束。たきなはDAに戻り、喫茶店も閉店、他のメンバーもそれぞれ解散していきます(お約束の展開として解散した仲間が後から助けに来るパターンなのでしょうが)。自分の残り僅かな余生を受け入れる千束に対し、ミカは懺悔。当初千束を兵力としてしか見ておらずリコリスの耐用年数である18まで使えればいいと見なしていたことを告白。だがミカはゲイであり吉さんを愛してしまったため千束を二人の間の娘と捉えるようになり情が湧いてしまったのです。千束が生かされたのは人殺しのためだと伝えることができず、千束の意志を尊重して最後まで娘に自分の人生を捧げる覚悟をするのです。本作が始まった頃の序盤では千束がその悲しい自己矛盾により精神崩壊するのではないかと思われていましたが、散々前フリがあったため、ミカの口から真相を聞いても千束は左程ショックを受けませんでした。寧ろ千束はミカが自分に命の使い方を決めさせてくれたことを感謝するのです。
    • 懺悔するミカと許しを与える千束が描かれる一方で、真島はようやくテロを決行。DAはそれを防ぐことが出来ず上位機関から千束を使えと干渉を受けます。さらに真島は吉さんを人質にして千束を脅迫。こうして千束は社会全体の大義のためにテロ鎮圧へ向かうか、利己的な個人の感情を満たすために吉さんを助けに行くかで選択を迫られるのです。ここで千束が難なく自己の感情を優先できるのがセカイ系の強み。セカイが滅んだとしても自分の人間関係の方が大事!その上近年のセカイ系では自己の都合を押し通した結果、セカイもまた救われるからな!!と、いうわけで再び武装を身に纏った千束とミカは吉さんの下へ向かうのでした。
自分の命の使い方を自分で選ばせてくれたことに感謝しミカを許しを与える千束
対テロ鎮圧戦を放棄し、千束が父と見なす吉さんを助けに行く
今回のアイキャッチはセーラー服

リコリス・リコイル感想まとめ


2022年アニメ感想まとめ