皆さまは2023年1月発売のノベルゲーは何を買いますか?

衰退した斜陽産業と揶揄され緩やかな死を待つだけのノベルゲー業界。ホントウだから仕方が無い!しかしながら、まだ月に数本はシナリオゲーが発売されていますよ!!選択肢があるだけまだ良いのかもしれません。2月には幻の大作『サクラノ刻』が本当にマスターアップされ待ち受けています(3月末発売だと新年度がとても忙しいので2月末のまだ余裕ある時で本当に良かった)。また個人的な課題として、ノベルゲーのライターの皆さまが絶賛しているブルアカのシナリオに向き合わねばならないと思っています。文章が読めるのは幸せなことです。

さて、『サクラノ刻』や『ブルアカ』が話題の時世ですが、まずは1年のはじめを占う1月ゲーについて見て行くこととしましょう。

今回ご紹介する1月の主要ノベルゲーは3作品。①カタナシリーズに拘ってきたメーカーがガンアクションモノでもバトルを描く『RE:D Cherish!』の続編。②曲芸商法でお馴染み!まだシリーズ継続してたのかよ。ささやかな魔法とこそばゆい学園モノをウリにする『D.C.5 ~ダ・カーポ5~』。③ノベルゲー業界の高齢化に対応するためか社会人モノに取り組むSMEEのファンディスク『1/1彼氏彼女 MINI FAN DISC』。以上3本がシナリオゲーのメインとなります。

中の人は『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』を買いましたが、皆さまは何を買いましたか?

以下個別評

【目次】

RE:D Cherish! -Eternity Blood- (CRYSTALiA) (2023-01-27)

『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』 宣伝画面

これまでメーカー「CRYSTALiA」はカタナにコダワリがありバトルモノを中心に販売していました。戦う少女たちとカッコいい主人公がウリという方向性があります。その特性はそのままに、ヒロインたちに銃を持たせたのがこの作品。ガンアクションでもバトルものを描きます。本作は『RE:D Cherish!』の続編となっていて、メインヒロインと結ばれた後からスタートします。メインヒロインと結ばれた後なのにファンディスクじゃなくて続編なの?新たな攻略ヒロインどうすんじゃい?正妻いるのに新キャラヒロインをどうやって攻略すんの?と様々なツッコミがなされてしました。これに対してメーカーが出した答えが過去の女と現在の女という二項対立です。主人公はかつて機関に飼われる凄腕の実力者だったもののトカゲの尻尾切りにより流浪の身となり、そこをイマカノに救済されたのが前作でした。この主人公の過去を上手く利用して新キャラの攻略ヒロインを用意。主人公がかつてこなした任務において、主人公に惚れてしまった女がおり、今でも主人公を想っていて、不死鳥のごとく現れるという展開となります。で、このカコカノの登場に焦ったイマカノが主人公との仲を深めるために同棲を望むというファンディスク的な作用をもたらします。シナリオとしてはカコカノがシスターであり、教会に属しているという設定のため、この宗教的要素をきちんと描けるかどうかで評価が分かれそうです。サイバー化した近未来社会に宗教的救いはあるのか!?

 

D.C.5 ~ダ・カーポ5~ (CIRCUS) (2023-01-27)

2023年1月ゲー

ダ・カーポシリーズまだ出てたんかい!?とツッコまずにはいられないユーザーの皆さんも多いと思われます。曲芸商法でお馴染みサーカスの作品です。曲芸商法といえば、同じタイトルの作品に追加要素を取り入れマイナーチェンジを繰り返しながら様々なプラットフォームで出し続けていくというスタイルです。本作ダ・カーポ5も全年齢版からのスタートなのでX-rated出す気マンマンな雰囲気が窺われます。さて内容についてですが、桜をモチーフにしたこそばゆい青春学園モノという舞台や主人公が何気ないちょっとした魔法を使えるという設定はシリーズを通して変わりません。今回の場合、分家出身の主人公は膨大な魔力量を保持するものの魔力操作が下手糞であり本家の下で修行に励んでいるという設定です。中二病患者が好きそうな設定。本家のお姉ちゃんにお世話になりながら、許嫁的存在である別の分家の金髪ツンデレ天才魔法少女に指導を請い、魔道を継がなかった妹に家事をしてもらうという流れになっています。一方の学園パートはお馴染みの杉並が学園生活を楽しくするという名目でトンデモイベントを発生させるというのはいつも通りですが、多数決による意思決定というモノが新たに取り入れられています。学園の学校行事において常に二択が与えらえており、どちらかに決定するために皆が票数獲得工作に励むというイベントです。体験版では例として学食の追加メニューをカツカレーにするかショートケーキにするかで争いが行われます。このような舞台装置の中で、突如少女が空間から現われて新たな事件の発生を予感させて製品版へと続きます。また時代設定が1960年というのも気になりますね。

 

1/1彼氏彼女 MINI FAN DISC (SMEE) (2023-01-27)

年齢を気にして恋に奥手な多恵子さん

これまでSMEEのファンディスクはヒロイン数人ごとに分割して出していましたが、今回はヒロイン全部盛りでファンディスクを出してきます。何があった!?と思われるところですが、多分高校編のヒロインのルートだけ出来が良くなかった(オブラート的表現)からだと推察されます。本編は時間軸によって攻略できるヒロインが分かれており、高校編1人・新卒編2人・社畜編1人という配置になっています。おそらく社会人にフォーカスした作品を作りたかったのでしょうが、学園モノを捨てきれなかったせいで高校生編にヒロインを用意したのでしょう。しかしながらこの高校編のシナリオはスゲー微妙でヒロインもあまり可愛いとは言えないのです。本作が本領を発揮するのはやはり社畜編。会社に飼いならされ資本主義に磨り潰されていく主人公の救いとなるのが行きつけの喫茶店。そこで行き遅れの三十路オバサンとすったもんだの悲喜こもごもを繰り広げることになるのです。いや、この三十路オバサンのシナリオだけでも本編是非読んで欲しいな。そんなわけで本編はルートによって差がありすぎなので、分割商法をしたくてもできなかったのではないでしょうか(テキトーですが)。本編での三十路オバサンは本当におススメであり、主人公がギャグに走ってオバサンと漫才を繰り広げて笑いを誘いながらも、シリアスになってオバサンの複雑な心に寄り添う泣けるものにもなっています。ファンディスクの三十路オバサンルートは少し気になるぞ!攻略した人の感想待ちかかな?