恋にはあまえが必要です「可愛さ体験版」の感想・レビュー

キャラゲー。この系列メーカーはSMEEを新機軸の実験場にしウケたところをHOOKが流用してくる。
テキストのノリは完全に全盛期のSMEEの作風だしその上今回は年上の社会人オバサンが登場。
SMEEの『1/1彼氏彼女』で絶大な可愛さを誇ったのがアラサーの多恵子おばさんだったからね……。
HOOKSOFTは自前の作風をかなぐり捨ててSMEEに追従してからの方が評価高くなったよな。
HOOKらしさとしては一人のヒロインを立場による二面性で2ルートに描き分ける方針を展開。
だがこれだと男によってコロコロと自己を変える主体性の無い女のように思われてしまう。
また主人公が「あははッ!」を多用するので、少し鼻につく。

【目次】

獅子喰桜雅ルート

獅子喰桜雅
  • コミュ障幼馴染
    • お勉強は良く出来るがコミュ障。キャラ付けのために全ての語尾が「~ゾ」となっており、読者はクレヨンしんちゃんかよ!?とツッコまずにはいられない。主人公くんは彼女のお世話係であり、彼が世話しているから自立できないことが教員から危惧されている。『ナツユメナギサ』のメインヒロインもまた主人公が世話を焼いているからこそ自立の機会を奪っていることがテーマだったよな。桜雅の場合は幼少期にトラウマとなる事件があり、その影響でコミュ障になったことが伏線として張られている。体験版で桜雅がコミュ障でオドオドしているため万引きと勘違いされてしまい、それを主人公が助けて好感度を上昇させるイベントが挿入される。運動も勉強も出来る可愛いヒロインが主人公にだけ心を開いて懐くという設定にすることによってオタクの欲望に訴求する芸風となっている。

甘枝千羽ルート

甘枝千羽
  • 義妹
    • 主人公の母が再婚したことで新しく家族となる。物語の最初から義妹なのではなく、修学旅行イベントでフラグが立つと再婚イベントが発生し義妹となるっぽい。そのため家族として兄妹となるイベントと、兄妹という家族関係から恋人になるという2段階を踏むことになる。これもイモウトものでは鉄板パターン。この義妹は最初から好感度マックスであり主人公への好意を隠そうせずにぶつけて来るので、良い兄であろうとする主人公がどのように関係性を崩すのかが見物。またこの義妹は再婚により転入してきた学校で早く馴染めるように八方美人を装っており男子人気が高いので同級生の女子からヘイトが高まりそう。義妹の実母は男からの人気を利用してうまい汁を啜り旦那を裏切っていたかのような台詞が挿入されるので、ここら辺をちゃんと処理できれば面白くなりそうかな。

唐朽氷華ルート

唐朽氷華
  • 富裕層のお嬢様
    • 高貴な気高さがウリなので、それを引き立てるための低能底辺ウザ絡み女イベントが頻発するので読んでいてストレス。公共交通機関で複数座席を占有しながら大声で電話をかける女や、当たり屋でわざとスマホを落としインネンつけてカツアゲしてくる女などが出まくり。またお嬢様学校のお姉さまポジションを強調するために、彼女を慕う百合的な妹が出て来る。個人的にはこっちの百合的な妹の方が可愛いし人気出ると思う。そういえばHOOKはかつて特典としてモブキャラ(上級生女子C)が攻略できるようになるパッチとか出してたよな。個別ルートに入るとバイト帰りの主人公が予備校終わりのヒロインと待ち合わせて護衛で一緒に帰る関係性になっている。送り狼やんけ。富裕階層モノだと相手の両親との対決が避けられないが、どのように扱うのか見物。安易に解決させるとチープになってしまうぞ!

藍城満留ルート

藍城満留
  • 年上社会人おばさん
    • 他のルートとは異なり主人公は高校を卒業して大学生に進学し、家事手伝いを名目におばさんに飼われるヒモとなっている。このおばさんのどうしようもなさっぷりがジェネリック多恵子おばさん(『1/1彼女』SMEE、2022)なのである。具体的には酒乱と嘔吐で満ちている。普段は仕事をバリバリこなすキャリアウーマンっぽいのだが、寂しがり屋でワガママ。そんなおばさんに寄り添ってあげることでフラグが成立する。一応、彼女が面倒くさい女になってしまったのには理由があって、高校までは女子校で大学でも早期に就職を意識し人間関係を育まなかったことが伏線として張られている。主人公はそんな年上社会人独身おばさんの寂しさを癒し、家事・炊事を引き受けることになる。家に帰ってくると風呂とメシが用意してあって、一杯飲んでヤッて寝るという幸せにおばさんが満たされていくのだ。

 

2023年3月ゲー

関連

これまでのHOOKSOFTの作品の感想はコチラ!


SMEEの作品の感想はコチラ!