【感想】葬送のフリーレン 第2話「別に魔法じゃなくたって…」

勇者パーティーの僧侶枠であったハイターの晩年を看取り、弟子として孤児を託される話。
勇者ヒンメルの葬儀の際に自分の死期を予感していたハイターだが以後かなり長生きする。
そんなハイターが拾ったのが一人の孤児の少女で、彼女は戦災で両親を失い自殺しようとしていた。
そんな折ハイターから生き残った者の中にある死んだ者の想いについて諭され、生を意識する。
死を目前にするハイターを安心させるために自立できる力を求めておりその手段として魔法を選ぶ。
ハイターは魔術書の読解をフリーレンに頼むと共に、その片手間に修行をつけてやってくれと頼む。
少女はハイターが死ぬ前に一人前になろうと必死に努力し、ついにはその力を身につけることができた。
フリーレンからそのことを聞かされたハイターは自分が死んだ後、フリーレンの旅に少女を託す。

フリーレンの旅仲間としてハイターの忘れ形見であるフェルンが加わる

戦災で両親を亡くし自殺をしようとしていた少女

勇者ヒンメルの死をきっかけに他者との関りを大切にすると誓ったフリーレン。勇者パーティーの僧侶枠であったハイターの晩年、死を看取るまでの時間を一緒に過ごすことになる。死期を悟っていたハイターが生にしがみつくために努力を始めたのが、引き取った孤児の存在。この孤児フェルンは戦災で両親を亡くし自殺しようとしていた所、ハイターに救われたのであった。晩年のハイターは死んでいったヒンメルたちの想いを引き継いでおり、少女に対しても生きる者が死んだ者の想いを抱えている限り繋がれていくことを説く。ハイターの思想に感じるところがあったフェルンは死ぬのをやめ、ハイターの下で生きることとなった。ハイターはフェルンをフリーレンに託そうとするが、半人前のフェルンを旅に連れて行くことはできないと拒絶する。だがここでハイターは魔術書の解読をフリーレンに依頼し、その片手間でいいから稽古をつけてやって欲しいと頼み込む。これを承諾したフリーレンだが、死にゆくハイターを安心させたいフェルンは必死で魔術を習得。ハイターの死の前に一人前としてフリーレンに評される。これを聞いたハイターは一人前なら旅に連れってあげても良いよねとフリーレンを承諾させ、長期的戦略でたばかっていたことが明らかになる。そしてハイターも死に、フリーレンとフェルンは旅に出る。
 

エルフと人間の時間間隔の差に焦れるフェルン

フリーレンは勇者ヒンメルの足跡を辿っており、一か所に長期間滞在して魔法の収集をすることもしばしば。ここでもエルフと人間の時間間隔の差がクローズアップされ、フェルンをヤキモキさせる。ある時はヒンメルの銅像の周りに彼が好きであった花を咲かせようとするのだが、その花は既に絶滅したと知る。それを聞いたフリーレンは絶滅種を復活させるため、その村に半年以上も留まるのである。流石に焦れてきたフェルンは一生此処で過ごすことになるのではないかと危惧し、長命種との時間の意識差を糾弾してしまう。だが最終的にフリーレンの思惑通りにことが運び、リスが溜め込んでいた餌の木の実から、花が絶滅せず残っていたことを発見する。これによりフェルンはフリーレンの見識を受け容れることとなった。と、言ってもフリーレンの行動に思う所があり、怪しげな買い出しには辟易していた。ある時にフェルンと別行動を取り装飾品や甘味を物色していたところを尾行されてしまう。だがこれはフェルンの誕生日プレゼントのためであり、彼女を驚かせる。フリーレンはフェルンに対し、自分はフェルンのことを何も知らないとネガティブになるのだが、フェルンは自分の事を知ろうとしてくれることこそが嬉しいのだと返す。こうしてヒンメルの死後におけるフリーレンの転向の経験がしっかりと生かされたことが示され第2話は幕を閉じる。

何も知らないと嘆くフリーレンと知ろうとしてくれることが嬉しいと応えるフェルン