前座:SDCG短編(5分)→メイン:長編(50分)→アフター:フルCG中編(20分)の3本立て。
ここではメインである「パンプキン王国のたからもの」の感想について述べる。
プリキュア映画では珍しく敵側が完全な悪であり、救済モノではなく勧善懲悪となっている。
主人公春野はるか達プリキュアメンバーはスイーツを楽しんだ帰りに異世界召喚される。
その背景にはプリキュアを結晶の中に閉じ込めコレクションにしようと目論む大臣の思惑があった。
異世界の姫は皆から記憶抹消され幽閉されており真の姫を決めるコンテストが開催されることに。
プリキュアらは各自個別競技に参加し予選を突破するが、孔明の罠であり各個撃破されてしまう。
しかし主人公春野はるかが作った「家族のプリン」が転機となり大臣の野望は看破される。
姫を慕う国民の犠牲を厭わぬ突貫によりプリキュアたちは助けられ見事大臣を撃破する。
ラストは洗脳が解けた王と王妃が宝飾品をかなぐり捨てて娘に駆け寄り親子愛エンドとなる。
プリキュア映画では珍しく敵側に事情が無く純粋な悪役であり勧善懲悪展開となる。


プリキュア映画では敵サイドが完全な悪であることは珍しく、敵側も何か事情や問題を抱えており、そこから救済を果たすというパターンが多い。だが本作は近年まれに見る勧善懲悪系ストーリーであり、悪者である敵を懲らしめる話となっている。プリキュアメンバーは現実世界でスイーツを楽しんでいたが、その力に目を付けられ、異世界召喚されてしまう。そこはパンプキン王国であり王と王妃を洗脳した大臣が権力を握っていた。この大臣はプリキュアたちを自らのコレクションに加えようとしており、プリンセスコンテストを企画した。洗脳された王と王妃は姫である娘の事を忘れ、王は国民を奴隷化して金儲けの事しか考えず、王妃は宝飾品の収集に囚われ欲望を撒き散らしていた。皆から忘れ去られた姫は幽閉されており、彼女の代替となる姫を選ぶためにコンテストが開催されたという名目である。


プリキュアらメンバーはそれぞれ踊り・ランウェイ・楽器・料理で戦うことになり、主人公春野はるか以外は次々に予選を突破していった。だがこれが各個撃破に繋がり、結晶の中に閉じ込められてしまったのである。春野はるかは途中で姫が囚われていることを知るが、自分は自分にできることを精一杯するというテーゼを唱え、割烹着で料理コンテストに挑む。春野はるかが作ったのは家族のプリンであり、その想いでエピソードが語られる。春野家は和菓子屋を営んでおりいつもは和菓子がオヤツだったのだが、ある時家族全員でプリン作りに挑んだのである。皆で作ったプリンはカクベツな味がした。この家族のプリンが転機となり物語は転換。閉じ込められていたプリキュアたちは解放され、大臣とのバトルに挑む。プリキュアたちは苦戦するも、犠牲を厭わぬ国民たちの特攻により助けられ、見事大臣を打ち倒す。このように本作では大臣が完全な悪者と設定されており勧善懲悪するのである。最後は王と王妃が姫のことを思い出し、感動の再会。洗脳が解けた二人が身に着けた宝飾品をかなぐり捨てて娘と抱き合うハッピーエンドとなる。



