【感想】星屑テレパス 第2話「辛い現実を変えようとせず逃げ出すための代償として宇宙を捉えていたことを突きつけられる」

今回はロケット製作という目標の提示と新たな仲間づくり、そしてペットボトルロケットへの挑戦が描かれた。
宇宙人との交信を扱う本作だがオカルト方面ではなく、科学技術分野としてロケット製作に取り組むのが魅力。
今回はペットボトルロケット作りがテーマだが単なる工作番組になるのではなく根暗陰キャぼっちの成長を軸に展開される。
ロケット製作をミラクルな力で解決できると夢想していた主人公の海果だがネットで調べて現実を知ることになる。
また学校空間で海果にとって唯一の友達である明内ユウはクラスにたくさんの友達がおり、海果は劣等感に駆られていく。
隣の席で海果に親切にしてくれる宝木遥乃に対しても何ら返事をすることができずオドオドした反応しか示せなかった。
海果は灯台をユウと二人だけの秘密にしたかったのだが、ユウはあっさりと遥乃にバラしてしまう。
バカにされると恐怖した海果であったが「宇宙で一番懐の大きな女の子」である遥乃は馬鹿にすることなく受け容れた。

ペットボトルロケット打ち上げの爽快感が海果の劣等感を払拭させるという演出が良いよね!

私にとってあなたは唯一の友達だけど、あなたにとって私は多数いる友達の一人に過ぎない

宇宙人との交流を主題に据える本作だが、オカルト方面に走るのでは無く、科学技術分野としてロケット製作を目指すことがウリ。だが単なる工作番組になるのではなく、内向的なJKの心理描写が丁寧に描かれ、成長していくシナリオの中にロケット製作が上手く組み込まれている。今回は①ロケット製作という目的の提示、②新たな仲間づくり、③ペットボトルロケットへの挑戦が描かれた。海果の内面描写は賛否が分かれそうであり、陽キャの皆さんにとっては海果はウジウジしている様子がウザったくてストレスに感じられるとのことだが、陰キャにとっては絶大な支持を得ること限りなし(共感的羞恥で死にそうなるし、実際には体験していないのに海果のようなトラウマが突如脳内に溢れ出したりするが)。
 

ユウが遥乃にロケット製作をバラしてしまい、過去のトラウマによりPTSDが発動しそうになる海果

今回も海果の根暗陰キャコミュ障ぼっちムーブが炸裂しており、自分にとって唯一の友達であるユウはクラスの人気者で自分以外にたくさんの友達がおり学校空間では中々話しかけることが出来ないというネタがありありと描き出されていた。また海果は色々と親切にしてくれる隣の席の遥乃に対しても、ろくに返事すらできないという状況であった。フツーの人間だったら早々に切り捨てられてもおかしくないという有様だが「宇宙で一番懐の大きな女の子」として設定されている遥乃は、海果の陰キャムーブも受け容れてくれるのだ。そんな海果がついに遥乃に心を開くことになる。海果は元々、灯台やロケット製作をユウとの二人だけの秘密にしておきたかった。だが明るいアホの子系陽キャなユウは早々に遥乃に暴露してしまう。ここで海果は過去のトラウマによりPTSDを発動し嘔吐反射しながら過呼吸に陥りそうになるのだが……なんと遥乃はロケット製作の夢を馬鹿にせず、肯定してくれたのである。一般的な地球人として海果の夢を否定しなかったのは遥乃が初めての人物であり、海果は警戒心を解く。
 

遥乃の高尚さに触れ、自分は辛い現実から逃げ出すために宇宙を目指しているに過ぎないことを自覚させられる海果

この後、海果・ユウ・遥乃の3人は最初の一歩としてペットボトルロケットに挑むのだが、打ち上げの爽快感が素晴らしく描かれると共に、海果の劣等感を払拭させる機能を果たすのだ。ペットボトル製作はコミカルなきらら系ギャグで展開されていき、ゆるふわな笑いが誘われる。そんな中、海果はなぜロケット製作を行うのか、どうして宇宙を目指すのかという問いに直面することになる。遥乃の高尚さに触れた海果は、自分が生き辛い現在の環境を変えようとせずただ宇宙を逃げるための代償として捉えてるいることを自覚させられてしまう。このため海果は胸がズキズキすることになるのだが、これをペットボトルロケット打ち上げの爽快感が払拭させるのだ!この場面は大変グッとくるシーンであり、JKの内面描写とロケット打ち上げの魅力が実にマッチしており、カタルシスを生んだ。

海果の胸のズキズキをロケット打ち上げの爽快感が払拭させる

星テレ第2話の見どころ

謎に下半身描写に力が入れられている
海果のコミュ障っぷりを授業描写で演出するシーン
海果を受け容れる遥乃
ペットボトルを持つ海果ちんカワイイ
ちゃんと工作場面もあるよ!

星屑テレパス感想まとめ