雷門マタタキさんは自分の居場所を守るため自己価値を示す手段としてロケット大会を私的に利用した。
そのような状態では勝てるわけもなく海果たちの高校の打ち上げ描写すら満足に無くモノローグで敗退。
自分の力を示すことでしか居場所を得られないと思い込んでいたマタタキは遥乃に捨て台詞を吐いて退場。
部活は空中分解し、海果は明内ユウを拒絶して去り精神崩壊。以降、夏休みはヒキコモリ生活に突入してしまう。
見かねた妹が海果をお使いに行かせた所、ライバル校の部長秋月慧さんに遭遇しカウンセリングタイム。
海果の夢を嗤わずに聞いてくれた上、居場所は自分で固めるんだとロケット打ち上げを比喩に助言までしてくれる。
立ち直った海果は明内ユウの下へ急ぐが、彼女が居住していた灯台には誰もおらず夢、幻の如くもぬけの殻。
明内ユウは海果のｲﾏｼﾞﾅﾘｰﾌﾚﾝﾄﾞであり彼女が願ったが故に具現化した存在！？と視聴者に思わせる展開となる。
ロケットの打ち上げが単なる「手段」となってしまっており、ロケットそのものへの真摯さに欠けていた事への反省
ロケット大会編
本作はJKをして色々な分野に挑戦させるシリーズの一種であり、高校生がロケットの打ち上げに取り組む所にオリジナリティがあった。だがこのロケット打ち上げはJKたちの青春系百合的関係性を描くための単なる手段であり、別に登山でもキャンプでも釣りでもカブでも柔道でも何でもいいんだろ！とセルフツッコミが入る。これが「JKいろいろやろうぜシステム」の難しい所であり、専門分野を描きたいがためにJKを利用すると中身オッサンのイキリバイカー作品になってしまうし、JKの青春系百合的関係性を描くために専門分野を利用すると中身がスッカラカンになってしまう。
そんなわけで今回は別にロケット打ち上げなんてどうでもいいんだろぉ～問題が発生する。陰キャ系根暗ぼっちコミュ障少女である海果は現実に嫌気がさし宇宙を夢想することで何とか自我を保っていただけだし。人当たりが良くほんわか系聖人枠の遥乃は祖父との灯台の想い出の呪縛に囚われていただけでロケット打ち上げそのものに興味があるわけではなかったし。不登校少女でありプライドが高いが故に世界の全てを敵に回してしまうといった意味でコミュ障だった雷門マタタキは自分を受け容れてくれた場所で自分の価値を示す手段としてロケット打ち上げに取り組んでいただけであった。以上により作中人物の誰一人ロケット打ち上げを目的とするキャラはいなかったのであった。
こんな状態ではガチでロケット打ち上げに取り組んでいる科学技術高校に勝てるわけもなく、海果たちの高校はロケットの打ち上げ描写すらろくにされずモノローグで敗退。大会で結果を出すという自分に固執していた雷門マタタキさんは遥乃を傷つけて去っていき、ロケ研は空中分解。自分の無力さを悲しみことだけしかできない海果は精神崩壊した。
秋月慧カウンセリング編
悲しみに暮れる海果はすっかりヒキコモリになってしまい鬱々とした日々を過ごしていた。海果の妹は少しでも外に出させるため、お使いを口実にして買い物に行かせる。で、ストーリーの都合上ライバル校の部長を登場させる。この秋月慧さんは真っ当な常識人であると共に、人当たりの良い性格であった。尋常でない様子の海果を気にかけると、お悩み相談に乗り出す。頼れる先輩を前にした海果は自分が抱えていた苦悩を全て吐き出す。社会に適合できないから宇宙へ居場所を求めて夢想することで辛い日々をやり過ごす海果の問題を、秋月慧は嗤わずに受け容れてくれるのだ。そして居場所を求めて宇宙を目指したからこそ、仲間ができて地球にも居場所ができたじゃないかと説く。そしてロケットを比喩に海果を諭し、打ち上げに失敗したら地面を固めるんだと空中分解した仲間との絆の再生を説く。
こうして秋月慧のカウンセリングより立ち直った海果は、拒絶してしまった明内ユウの下へ赴く。だが彼女が居住する灯台はもぬけの殻となっており、ヒトが住んでいた痕跡は消滅していた。自称宇宙人である明内ユウは海果が願ったから具現化したイマジナリーフレンドだったのでは？説が視聴者の間で飛び交う。これがKEY作品であれば十分それも考えられるな！と思っていたところで、海果が心から明内ユウを求めたからかどうかは分からんが、再び明内ユウが姿を現す。ユウは海果に触れ合いを拒絶されたことから手を取れずにいたが、今度は海果から明内ユウに手を伸ばすのだ！二人は和解し、ロケ研の再生を目指して歩き出す。
