【感想】『映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』(東映、2016年10月29日)

先天的な異能で差別を受け天涯孤独であったクマタが世界の魔力そのものを消滅させてしまおうとする話。
魔法界の祭りでお願い事を叶えて貰える対象にモフルンが選ばれたぞ!だがモフルンには願い事など無かった。
モフルンは朝日奈みらいと一緒にいられることが望みであり、それはもう既に叶っていたのである。
だがそこへ本作のボスキャラである熊の魔獣が現われ、モフルンに自分の望みを叶えさせようと誘拐する。
モフルンは隙をついて逃げ出し、偶然出会ったクマタと仲良くなるが、一緒にいろとの要求を断ってしまう。
モフルンに拒絶されたクマタは本性を現す。彼こそがモフルンを攫った張本人であったのである。
クマタは先天的に強い魔力を持っていたが、それ故に差別を受け天涯孤独となり、魔獣と化したのであった。
モフルンを助けに来たみらいとの友情を見せつけられたクマタは改心し、分離した悪の心の魔獣と立ち向かう。
女児におけるぬいぐるみの大切さ、みらリコ百合友情、諦めない心など描かれた作品。
モフルンが単なるぬいぐるみに戻ってしまったとしても、みらいが想いを汲んで立ち上がる場面は泣いた。

朝日奈みらいとモフルンの関係性が偏狭だったクマタを変える

朝日奈みらいとモフルンの絆
  • 単なる勧善懲悪ではなく敵を改心させる道徳心溢れるキッズアニメ
    • 女児向けアニメなので単なる悪役などおらず、それぞれ問題を抱えており、時には社会に迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、そこから赦しが与えられ更生されるというのが大まかな流れ。本作の敵キャラ・クマタ氏は世界から魔力そのものを消滅させために襲い掛かってきたが、それにも理由があったというワケ。クマタは先天的に莫大な魔力を持ち、それを使って社会貢献しようとしたが、逆に怖れられ排斥され差別的待遇を受けたために、天涯孤独となったのである。世を拗ねたクマタは世界から魔力そのものが無くなることを願い、今回のような襲撃に繋がったというワケ。
    • 魔法界のお祭りでモフルンは願い事を叶えて貰える対象に選ばれるが、みらいたちと一緒にいられることが幸せなモフルンにとって願いは既に叶えられていた。それ故、願い事など無いとモフルンは答えるのだが、ここで突如敵の襲撃に遭う。彼は代わりに自分の願い事を叶えろと脅し、世界から魔法そのものを消し去るように要求してくる。それが受諾されないと、モフルンは拉致されてしまうのであった。攫われたモフルンは間一髪の所で逃げ出すことに成功。偶然出会ったクマタに良くしてもらい友達になるが、クマタはずっと一緒にいろと要求してきた。だがモフルンにはみらいの所に帰る必要があったため、それを丁寧に断った。クマタは初めて友達になれそうだったのに拒絶されたように感じ、その反動で怨念を倍加させたのであった。クマタこそがモフルンたちを襲った張本人だったというワケ。

 

みらいの危機を眼前にし、キュアモフルンに変身
  • みらいを庇って単なるぬいぐるみに戻ってしまうモフルンとそれでもモフルンの声が聞こえたみらい
    • モフルンの居場所を突き止めたみらいたちは協力して立ち向かう。だがあとちょっとの所で、モフルンとみらいの手は届かなかった。窮地に陥ったみらいを眼前にしたモフルンには願い事が発生。それが叶えられ、なんとキュアモフルンに変身する。みらいの魔法サポートと連携しながら戦うモフルンのカッコ良さを御鑑賞ください。しかしながら敵の攻撃を受けたモフルンは力の根源となっていた宝石が破壊され、ただのぬいぐるみに戻ってしまう。みらいはショックを受けるが、クマタもまた同様であり、自分がいかに大変なことをしでかしてしまったか涙するのであった。こうしてクマタは改心するも、彼からは邪悪な心が分離。その怨念だけが暴走する結果となった。モフルンがいなければプリキュアにもなれないので万事休す。こうしてバッドエンドで終わるかと思われたが、みらいにとってモフルンと過ごした時間は単なるぬいぐるみの時の方が長かった。たとえ喋れなくなったとしてもモフルンの声は聞こえるよ。みらいは最後まで諦めず魔法の言葉を唱え続けた。みらいの行動は仲間たちの心を打ち、彼女たちの行動はうねりとなって魔法界全体からの協力を得た。みんなの力でみらいたちはプリキュアになりモフルンも復活。迫力あるバトルシーンの総力戦が描かれ、オモチャでプリキュアがんばえーをする応援上映に注目だ。マジックビジョンで魔法界国民にバトル場面を中継する校長先生が音頭をとり、ぷりきゅあがんばえーの掛け声をかける。応援上映の力で新形態にチェンジしたプリキュアたちは見事敵を撃破する。クマタもまたクマの群れに受け容れられることとなりハッピーエンドを迎える。みらいとモフルンの関係性の尊さがクマタを改心させたのである!

 

「口臭が酷くなる木の実」が重要な伏線となるとは!?
  • 映画でもみらリコ
    • モフルンという生まれた時から時を過ごした友人が奪われ茫然自失となるみらいを励ますのがリコの役目。睡眠もとらずモフルンを探し続けるみらいを助けたり、みらいのモフルンへの想いを慮ってあげたりする。大切な人がいなくなって初めてその大切さを認識したというみらいに対し、その言葉はモフルンにかけてあげるように助言したりと活躍が光る。またキッズアニメがシリアスになり過ぎないようにとギャグ的展開やコミカルな演出が採られるのだが、ここでも真面目なリコがギャグシーンで使われる。リコはみらいをモフルンの所に進ませるために、ここは俺に任せて先に行けパターンを取るのだが、結晶の中に閉じ込められてしまう。気を失っているリコを目覚めさせるためにみらいが採った手法とは、食べると臭い息が出る木の実の種を齧ることであった。クレしんだったら完全におならネタであろうが女児向け作品として配慮がされていた。
口臭でリコを助けるみらい
映画で入場特典のオモチャを使わせるぷりきゅあがんばえーの応援上映