Re:LieF〜親愛なるあなたへ〜「大舘流花√」の感想・レビュー

人工知能やAIめぐる諸問題及び技術革新の受容と環境適応に関するはなし。
完全にヒロインの人物像の掘り下げがグランドエンドへの装置と成り下がってしまっています。
流花というキャラクター表現を語る話が中盤から突如吹っ飛び物語の背景を説明する話へ。
ラストも最後まで語られないまま、突如として主人公くんがメガンテして終わる。
目覚めたのは数か月?後であり、主人公くんは某国の地下室で脳死っぽい状態だったエンド。

雑感


  • 産業プロレタリアは単なる貧民ではない。規律を持ち、勤勉で、新たな多様な仕事にすばやく適応できる能力をもった人々である。
    • ホワイトカラーもブルーカラーも賃金労働者であることに変わりはありません。本作のヒロイン大舘流花さんもそんな社畜のうちの一人でした。努力家で真面目な流花さんは大学でもゼミの英雄であり、一流企業に就職し、上層ホワイトカラーになったのです。しかし変化の激しいこの時代、技術革新に適応できなければ大企業さえ潰れてしまいます。流花さんが就職した会社はAIの導入を渋ったために変化への適応に失敗してしまいました。見切りをつけた優秀な人材が次々と流出していくなか、流花さんは自分の努力で現実を変えるのだ!!といわんばかりに沈みゆく泥船の中で奮戦。しかし個人の頑張りで大きな流れは止められるわけがなく、会社を枕に討ち死にするのでした。過労死しなくてよかったね!!会社も倒産し、擦り切れてしまった流花さんは姉のすすめもあり若年者再就職プログラムに参加したのでした。



  • 自己の存在証明のはなしだったはずが、ブツ切りになり明後日の方向へ
    • 流花さんは頑張ることでしか自分の存在証明をできない存在でした。大図書館のタマモちんみたいな感じですね。復帰支援プログラムでも資格取得を目指して勉強に打ち込みます。主人公くんと一緒に勉強をしながらも、誰かと一緒に勉強をする楽しさを知っていく流花さん。しかし資格試験の結果は、主人公くんとともに合格したものの、試験の点数で主人公くんの後塵を拝する結果となったのです。こうして流花さんは自己と向き合う必要が生じ、自分が資格取得のためにモチベーションとしていた動機が不純なものであったことを認めるのでした。
    • 以上のような流花さんの心情描写タイムをしていたと思ったら、シナリオの流れは流花さんというキャラクター像の掘り下げから遠く離れて人工知能の話にシフトチェンジします。繋がっていることといえば、流花さんの会社がAIの導入に失敗したことくらいかな。
    • 主人公くんの母親は人工知能の研究者であったが、研究成果の社会的還元には興味がなかったそうな。そんなわけでママンの研究成果を社会還元しようと試みられ、若年者社会復帰支援プログラムが実施されたが、何らかの理由で失敗。流花と交際することで記憶を取り戻した主人公くんはこのプログラムを修正するためにメガンテします。すると流花さんをはじめとするプログラム参加者は病院内で目を覚まします。退院後、流花さんがツテを頼りに主人公くんの居場所を探し出すと、そこには機械に接続されたベッドの上に横たわっている主人公くんの姿があったのさと次のヒロインへ続く!!