ウマ娘「シンコウウインディ」シナリオの感想・レビュー

承認欲求が強いが、悪戯でしか他者の目を引けなかった少女の視野を広げる話。
シンコウウインディは幼少期から両親や身内にチヤホヤされて育てられた。
そのため世界の中心は自分であり、常に注目を浴びなければ気が済まなかったのだ。
だがトレセン学園には強い奴らがゴロゴロおりレースで喝采を浴びるのは至難の業。
そのためウインディちゃんは悪戯することでしか自分を表現できなかったのである。
だがウインディちゃんが悪戯をしてもトレセン学園の職員は冷淡な対応しかとらない。
打ちひしがれ学園を去ろうとするウインディちゃんを救うのが我らがトレーナー。
ウインディちゃんと正面から向き合うことで彼女の長所を引き出していく。

シンコウウインディのキャラクター表現とフラグ生成過程

悪戯をしても誰からも相手にしてもらえず精神崩壊しかけるウインディ
  • 悪戯でしか自分を表現できない哀れな少女を救え!
    • シンコウウインディは悪戯大好きな悪の怪物。ある時主人公トレーナーはウインディの悪戯に引っかかり、噛まれた際に良い反応をしてしまう。このことをきっかけにして、ウインディからターゲットにされ、ことある毎に悪戯されてしまうことになる。ウインディは能力的にはイイものを持っていたのだが、自分が注目されないと苛立ってしまい集中力を欠き、なかなか結果を出すことが出来なかったのである。そのような中、トレーナーは研修で学園を留守にすることになりウインディの相手をできなくなってしまう。トレーナー不在の中、ウインディを構ってくれる人物など存在せず、トレセン学園の職員は逆にウィンデイに対して冷淡な態度を取るのであった。こうしてレースでも注目してもらえず、悪戯でも人の気を惹けないウインディはついに退学を考え始めるのであった。だがそこへ丁度良くトレーナーが研修から帰ってくる。事情を知ったトレーナーはウインディと真摯に向き合い、彼女と正面から話をする。ウインディの生い立ちや悪戯をする理由を知ったトレーナーはウインディの承認欲求を満たすことになる。ウインディが自信満々に語りながらも、次のレースで勝てると言い淀んだ際にトレーナーが被せる形で勝てるよ!と言うシーン良いよね。本シナリオ最大のクライマックスといっても過言ではない。トレーナーは陰に日向にウインディを助け、ついに選抜レースの日がやってくる。ウインディはいつになく集中してレースに取り組めたのだが、やはり観客の声が気になり誰も自分を見てくれないことで失意に駆られてしまう。そんなウインディに声援を送るのがトレーナーであり、この声で覚醒したウインディは集中力を取り戻し、見事レースで結果を出すことに成功した。

  • ウインディちゃんの特性を活かすには
    • ウインディと契約し専属となったトレーナーだがウインディが活躍すればするほど仕事が増え、ウインディの悪戯に付き合えない日が多くなっていった。ウインディはトレーナーに構って欲しくてしょうがない。結局、トレーナーはウインディ心のままに悪戯に付き合うのだが、この発想力や独創性をもっと良い面で消化できないかを考え始める。ウインディの悪戯は方向性を指向してあげればとても良い効果を発揮する。その証明となるイベントの一つ目がヤギ夫事件。動物園に遊びに来たトレーナーとウインディだが人気の無いヤギを見かける。ここでトレーナーはウインディの悪戯を用いてヤギ夫大活躍の小芝居的なショーを演じ大成功となる。イベントの二つ目が失われた夏祭りを求めて。ウマ娘たちは合宿で訪れた村での夏祭りを楽しみにしていたのだが、隣町と日にちが被ったので、村は夏祭りの開催を諦めてしまった。がっかりするウマ娘たちを尻目にウインディは怪しげな動き。なんとウインディは自分で手作りの夏祭りを開催し、悪戯で村人たちをインスパイアするのである。こうしてウインディの悪戯はきちんと舵取りをすればとても良い方向へ向かうことが示された。その舵取りをする人こそがトレーナーであると。ウインディはトレーナーを自分の永久お手伝い係りに任命し、その生涯を添い遂げることを誓ったのであった。
心が折れ、挫折しかけるウインディをトレーナーが救う
トレーナーに信頼されることでレースに集中できたウインディ
ヤギ夫との交流で精神的に成長し、トレーナーを生涯の伴侶に選んだウインディ